2016.09.08

『超高速!参勤交代 リターンズ』佐々木蔵之介演じる愛され殿が帰ってきた!

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2014年に公開し、大ヒットを記録した映画『超高速!参勤交代』が、この秋カムバック! 佐々木蔵之介さん演じる人気の殿が帰ってきましたー! この殿、お人好しで閉所恐怖症だったり、泥だらけになって走ったり、とにかく殿らしくない殿なんです。今回は白装束を着て死体に扮するシーンも!(えー、蔵之介さんが!!??) 紳士なイメージを覆すおちゃめな役どころが必見です。もちろん、凛々しいまげ姿やキレキレの太刀振る舞いなど、ハラハラドキドキなシーンも満載♡ 気になるあれこれ、詳しく聞きたい! ということで、蔵之介さんご本人を直撃しちゃいました。

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©2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

ストーリー
実在の湯長谷藩(現在の福島県いわき市)を舞台に、幕府から参勤交代を命じられた佐々木蔵之介演じる弱小貧乏藩の藩主・内藤政醇(まさあつ)が、金も人手も時間もない中、仲間と知恵を絞り名案&迷案で無理難題に立ち向かって行く痛快歴史エンターテインメント。前作でなんとか江戸への参勤を成し遂げた湯長谷藩だったが、参勤交代はまだ終わっていなかった! 参勤交代は行きが<参勤>で、藩に帰る<交代>までを終えてこそ完結するもの。というわけで、本作は前作の続き、江戸からUターンする復路の物語…なのだが、行きの参勤で有り金を使い果たして持ち金ゼロ! 帰りも大名行列が必須なのに人を雇う金なし! しかも、行きの倍の速さで帰らなければ藩はお取り消しに! 挙げ句に城が乗っ取られた!? 帰りもイロイロ問題ありすぎ!! 湯長谷藩一行は無事に帰れるのか?

行きは参勤、帰りは交代! 参勤交代は終わっていない!

続編のオファーがきたときの心境は?
「え、もう終わったでしょ?」って(笑)。前作で完結したと思っていたんですが、「参勤交代は行きが参勤で、帰りが交代。前回は行きをやったので、今回は帰りをやります」と言われてア然。「また走るんですか?」と聞いたら、「行きの倍を走ってもらいます」と…。そんなやり取りをしながら、超高速で決まりました。前作が東北でたくさんの方々に観ていただき、その力が今回のリターンズを呼んでくださったと思っています。特に、いわき市の劇場「ポレポレいわき」の観客動員数は全国で3位だったそうです。小さい劇場なのに! 前作の舞台挨拶に行ったときも、「映画を観て力をもらいました。本当にありがとうございます」と言っていただき、そのことが僕たちの励みになっていたので、今回また帰ってこれて、とてもうれしいです!

物語は前作から一カ月後という設定ですが、実際には2年が経過…。ブランクはありませんでしたか?
体力的に落ちてます! それなのに、前作より明らかに走りましたからね。でも、走り方は上手になったかな。山を上ったり砂浜を走るシーンで、前作では足がもつれて転ぶことも多かったのですが、袴をちゃんと持ち上げてどう走るか工夫したり、技術は増しました。方言も、割と早めに戻ってきましたね。でもやっぱり体力は落ちてますよ。

キャスティングも変わらず、2年ぶりに再集結した湯長谷藩! 前作からチームワーク抜群でしたが、今回の手応えは?
2回目ということもあり、みんなが自分のキャラクターをよくわかっていて、気兼ねなく思いっきりやれていたんじゃないかな、と。相手にも思いっきり振ることができて、台本以上のふくらみができたと思います。いちばん成長していたのは、猿の菊千代。前作では本番ギリギリで走り回ったりして大変だったんですが、この2年でかなりの技を身につけていました。体もふた回りくらい大きくなっていて、あいつだけは成長が著しいですね。僕たちは何も成長してないんですけど…。
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政醇のように無理難題を投げつけられたら、どうしますか?
人に振ります(笑)。政醇もスーパーマンなわけではなく、前作から変わらず閉所恐怖症も治っていないんですが、部下を信頼しているところが彼の強さ。だから、みんなが自分の力を発揮できるのだと思います。それにしても、さすがに行きであれだけ走って、帰りはその倍の速度で走れって、ありえないですよね! 寝ず、休まず、飯も食わず。映画だからだけど、政醇もみんなもよくやったなぁと思いますね。

撮影の合間で、共演者の皆さんとのエピソードがあれば教えてください。
山形県鶴岡市の庄内映画村で撮影をしていたとき、早い時間に撮影が終わった日があって、西村雅彦さんと寺脇康文さんの行きつけのそば屋にみんなで行きました。お酒もおそばもおいしくて、明るい時間から一升瓶を何本も空けてしまい、フラフラになりました。柄本時生くんは酒が飲めないのに、西村さんに「ほれほれ飲め〜」って言われて勢いで飲んでしまって。そんなことをやったりもしていました。

いわきロケでは、地元の人たちからの歓迎に感動!

湯長谷藩の本拠地、福島県いわき市でも撮影が行われましたが、いわきの印象を聞かせてください。
今回やっと初めていわきに行けたんです。小浜海岸を走るシーンは、前作でロケハンはしていたけど実現できなかったので、すごく感慨深いものがありました。「いわき市暮らしの伝承郷」での撮影では、いわき市の皆さんが150人くらい集まってくださり、名物のじゃんがら念仏踊りで迎えてくださいました。芋煮などの炊き出しもしてくださり、実際に地元の方々の方言を耳にして、やわらかいというか、あったかい感じがして。私も深田恭子さん(側室のお咲役)も、まるで本当の殿と姫になったようで、あぁ、殿にしてもらった、姫にしてもらった、と感動しました。その後の撮影でも励みになりました。
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©2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

方言やなまりがとてもお上手でした!
方言って、俳優にとっては苦労する部分なんですけど、そのぶんとても力になり、芝居の中で武器になるもの。台詞の中になんともいえない力強さが生まれてきますよね。今回も方言指導の方に撮影現場にずっと付き添ってもらって、この方言を最上級にするとこうなるけど、もうちょっとマイルドにしたらこうなるっていう順番を教えていただき、「どれを使いますか?」「もっと濃いめのない?」「薄めのない?」といったことを打ち合わせしながら撮影を進めていきました。前作の舞台挨拶でいわきの劇場へ行ったとき、お客さんからの質問コーナーで、「方言がとてもよかったです。『あまちゃん』は、そこまで私たちはなまっでねぇどおもうんですけど」って言われて、「いやいやいや、なまってるじゃないですか!」とツッ込んでしまいましたけど(笑)。でもほめていただき、うれしいですね。

劇中の台詞で、好きな方言はありますか?
やっぱり、僕らの中では「走っぞー!」。とりあえず走っぞー! また走っぞー!って、ずっと走っていたんで。現場では、政醇の口ぐせ「やってんなぁ」も流行っていました。誰かが何かをしていると、「なんかやってんなぁ」って、みんなで言い合ったり。

撮影で大変だったシーンは?
ラストバトルのシーン。7人対1000人っていう…、もうムチャクチャですよ(笑)。撮影場所が滋賀県の西にあって、一週間くらい毎日行きました。毎朝4時集合で、日が落ちるまで撮りまくって。みんな甲冑(かっちゅう)を着けていて暑いし、巨大な扇風機をガーッと回して、爆破もして、大掛かりな撮影でしたね。大変でしたけど、それが時代劇アクションの醍醐味。おもしろいこともマジメなこともやるけど、戦いもちゃんとやるぞ!と。やるだけのことはやりましたね。実際には3分の1も使ってもらってないと思うんですけど…(笑)。とにかくやり尽くしました。もう走れないです。だから観に来てください!

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    インタビュー後、ポスターの前で写真撮影をお願いすると、「濃いっすね! みんな詰まってるなー」と、目を細めてポスターを眺めていた蔵之介さん。まさに湯長谷藩の藩主の顔でした。「(劇場用に)ポスターにサインしてって言われたんだけど、どこにすんねん!」とツッコミも欠かさず。そう、そういえば、関西の方なんですよね。東北人が聞いても親近感が持てるほど、劇中ではとてもナチュラルな東北なまりをされていたのが驚きでした。方言が余計に人間臭さを出していて、政醇の人柄や、固い絆で殿を守る湯長谷藩の仲間たちにぐわっと熱いものがこみ上げてきます。個人的な感想ですが、東北生まれ東北育ちの私は、「あぁ、東北人でよかったな」とうれしくなった作品。こんなに笑える時代劇も他にはありません。前作よりさらに走ってスピーディに、パワーアップした『超高速!参勤交代 リターンズ』。見逃さないように劇場へ走っぞー! えっさー、ほらさー!

『超高速!参勤交代 リターンズ』

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©2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会

出演 出演 佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、寺脇康文、上地雄輔、知念侑李(Hey! Say! JUMP)、柄本時生、六角精児、市川猿之助、石橋蓮司/陣内孝則(特別出演)、西村雅彦
監督 本木克英
脚本 土橋章宏
配給 松竹
映画公式サイト http://www.cho-sankin.jp/

MOVIX仙台、MOVIX利府、イオンシネマ石巻、イオンシネマ名取、TOHOシネマズ仙台にて、9月10日(土)より公開!

【ライター 池田直美】

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