Vol.0703
2019.06.20

仙台アート散歩vol.26 みて楽しい、おして楽しい。妄想の世界を刻む「消しゴムはんこ」

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仙台で活躍する作家さんの作品を展示・販売している「gallery swallow」と「ヒミツ埜」。今回は、消しゴムはんこ作家・阿部木工の「あべもく」さんを紹介してもらいました。あべもくさんの妄想ワールドが広がる唯一無二の消しゴムはんこ。じわじわと、心を鷲掴みにされてしまいます。


物語のある、消しゴムはんこ。

まるで海外の絵本の挿絵のように美しかったり、漫画のキャラクターのようにコミカルだったり、おとぎ話に出てきそうなメルヘンチックな雰囲気だったり、ふふっと笑ってしまうような脱力系だったり―。あべもくさんがつくる消しゴムはんこは、実にいろいろな表情を見せてくれます。作品のテイストはバラバラなようですが、共通しているのは、すべてあべもくさんの妄想からうまれているという点。何者なのかよく分からない生き物だったり、ネコやカッパがおしゃべりをしていたり。ときには、実際には登場しない童話のキャラクターを妄想でつくりだし、はんこにしてしまうことも…。例えば「オオカミと7ひきのこやぎ」。オオカミがこやぎたちを騙すためにチョークを食べて声を良くするシーンがありますが、そのチョークを売っているネコのキャラクターを妄想してつくったのが、レトロな薬のパッケージのようなはんこなんだとか。
「特にプッキさん(ヒミツ埜主宰者)とお話していると妄想スイッチが入るのか、その日家に帰って、さぁ寝ようかなって時にポンッとつくりたいものが頭に浮かぶんです。そこから、“ふぅ…寝ようと思ったのに…”とつぶやきながら、ラフを描いて彫りはじめたり(笑)。あとはヒミツ埜のディスプレイが可愛らしいので、そこに潜ませたい作品を考えることもあります」。
どんな小さなはんこにも、一つひとつあべもくさんが妄想したストーリーが隠れていること、その妄想レベルが想像の斜め上をいくどころではないことが、じわじわと心をつかまれる理由なのかもしれません。


制作中は、ブツブツひとりごと多め。

ではこの消しゴムはんこ、どのように作っているのでしょうか。あべもくさんがこよなく愛するヤギがモチーフのはんこや(見つけると豹変して発狂するレベルのヤギ好き)、妄想の世界ながら写実的に描かれた作品など、消しゴムはんことは思えない繊細なタッチも、たった1本のデザインナイフで彫ったもの。まずは鉛筆で紙に下絵を描き、それを消しゴム版に圧着して転写してから彫っていきます。はんこを押してポストカードやシールとして販売することもありますが、はんこ自体を販売することもあるので、試し押しは数回。細かい線もしっかり出るように仕上がりをイメージしながら進めるので、とても繊細な作業です。思わず、投げ出したくなることはないのか尋ねてみると
「毎回キーッ!ってなりながら彫っていますよ(笑)。“誰だ!こんな図案描いたの!と悪態ついてみたり、“しょうがないねぇ、自分でしょ”となだめてみたり。けっこうひとりごと多めですね…」とあべもくさん。ちょっとその制作現場ものぞいてみたくなってしまいます。


木工職人から、消しゴムはんこ作家へ。

ところで、気になるのが“阿部木工”という屋号。消しゴムはんこ作家なのに、なぜ“木工”かと言うと、実はあべもくさん、木工の職人さんでもあるのです。大学で漆、彫刻、染色、テキスタイルなどを幅広く学び、卒業後、漆芸を本格的に学んだことで木地に興味を持ち、木工の世界に。神奈川で“からくり箱”などをつくっていたそうですが、地元宮城に戻った時、出産を機に木くずなどが舞ってしまう木工から一時離れ、興味があった消しゴムはんこを趣味ではじめたそうです。
その後、なんとなく自分で使う道具としてつくっていた消しゴムはんこが人の目に留まり、作品として展開することになって約7年。
「正直ここまで長く続けると思っていませんでした」と笑うあべもくさん。現在は木工作品づくりも再開して、仕掛けのある箱や可愛らしい小物をつくっているそうです。


ご自身の作品を「まだまだ余白の彫り方がきれいじゃなくて…」と謙遜するあべもくさんですが、その独特な妄想の世界からうまれる作品は、SNSでもじわじわと人気が上昇中。ヒミツ埜やいろいろなアートイベントで出合えることをお楽しみに!

<プロフィール>
阿部木工 あべもく(消しゴムはんこ・木工)
WEB http://abemoku.blog.fc2.com/
Twitter @abemoku_yagi3
Instagram @abemoku_yg

イベント告知

木のものや糸のもの、猫のものが集まるてづくりイベントに、あべもくさんも出展します。
『キノモノ イトノモノ そして ネコノモノ』
日時/7月6日(土)、7日(日)11:00~15:30
会場/カフェ はれま(塩竈市本町3-9)

ヒミツ埜オープン日

6月は植物をテーマに2つの企画展を開催。あべもくさんの消しゴムはんこもお取り扱い!今回の可愛らしいイベントフライヤー(全3種)も、あべもくさんが手掛けたものなのだとか。ぜひ手に入れたいですね!

『雨と草かんむりの物語』


boxmiokoミニ個展『綿毛の国のアリス』
日時/6月26日(水)11:00~19:00、6月29日(土)11:00~20:00
会場/ヒミツ埜・gallery swallow


ヒミツ埜 gallery swallow

住 仙台市青葉区大町2-7-26 渡辺ビル≪交差点角≫
ヒミツ埜 問い合わせ pukkisan@softbank.ne.jp
gallery swallow 問い合わせ nasukawa@uracata.com

※このページの情報は2019年6月20日現在のものです。
【仙臺いろは編集部】

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