Vol.0247
2016.10.06

累計100万部を売り上げた青春ミステリー『少女』映画化!

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複雑で繊細な人間心理を、衝撃のミステリーとともに綴る作風が人気の作家・湊かなえ。そんな彼女の傑作のひとつと言われるベストセラー小説『少女』が、素晴らしいスタッフとキャストを擁してついに映画化されました!
すべての謎が解け、バラバラに存在していた登場人物たちがひとつの輪に連なった瞬間のカタルシス。物語の根底に流れる、あやうく脆いけれども確かな少女同士の友情。現役少女の皆さんも元少女の皆さんも、もちろん男性の方々だって、思わずじーーんと来てしまうこと必至の『少女』公開に先立ち、三島有紀子監督と敦子役を演じた山本美月さんにインタビュー!

ストーリー
読書好きで休み時間はひとり静かに本を読み、授業中は小説を書いている由紀(本田翼)と、幼い頃から剣道を習い、将来有望と期待されていた優等生の敦子(山本美月)。試合中のミスがきっかけでいじめの対象へ転落してしまった敦子に手を差し伸べる由紀だったが、ある時からふたりの関係がぎくしゃくしているように感じ、敦子は距離を置くようになる…。
何者かに盗まれた由紀の原稿、転校してきたもうひとりの少女・紫織(佐藤玲)と共犯関係に陥る敦子。由紀の彼氏(真剣佑)や罪を背負った国語教師(児嶋一哉)、傷を抱える老人ホームスタッフ(稲垣吾郎)が絡み、果たして少女たちの闇の行く末は…?

あやうくて自分勝手な17歳

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    ――これまでの三島監督の作品とはだいぶ雰囲気が違うように思いました。この映画を撮ろうと思った理由は何でしたか?
    三島監督「湊かなえさんの原作を読んだときに『ヨル(夜)の綱渡り』という言葉がすごく印象に残りまして、あやうくて自分勝手な17歳のこの時期をうまく言い得ていて、的を得た表現だなと思ったんです。自分勝手で自分の尺度もちゃんとできていないけれども自我は膨らんでいる、そんな17歳の映画をいつか撮りたいとずっと考えていたのですが、この『少女』なら、いびつな青春映画にできるなと」

    ――原作中には印象的な場面がたくさんありますが、映像化したいと思ったシーンは?
    三島監督「原作物を映画化するときの基準にしているのが、撮りたい絵が自分の頭に浮かぶかどうかなんです。この原作を読んだとき、少女の疾走するラストシーンが鮮明に自分の中に浮かびました。原作では水辺でも夕景でもなかったんですが、私の中では夕景の美しい中を少女が走っていく、なおかつ水辺を走っていく。そんな映像が本当に鮮明に浮かんで、これは撮るべき作品なんだろうと思いました」
――山本さんにお聞きします。敦子という役をオファーされて、いかがでしたか?
山本「これまでキラキラした明るい役柄が多かったので、それとは違う役をいただけてうれしかったです。私にも高校時代に由紀のような仲の良い友達がいて、そんなことを思い出しながら演じました」

――敦子とはどういう女の子ですか?
山本「とてもまわりのことを気にしている子で、感受性が豊か。少し考えすぎちゃう部分があって、すごく由紀のことを好きな子です。昔の自分と重ねると、ひとりの友達に依存するような感覚は似ているなと思いますね。逆に私と違うなと思うところは、心がちょっと弱いかな? 私はたぶんちょっと闘いがちな部分が…(笑)」

三島監督「いじめられたらいじめ返す?(笑)」

山本「いじめ返すまではいかないですけど、正しいことをちゃんと証明したいと思っちゃうので。たぶんまわりに『私、こういうことされてます』ってアピールすると思います(笑)。そこが、狭い空間でまわりを気にして振る舞っている敦子とは違うかな。剣道をしているという部分では、敦子も本当は強いところがあるんじゃないかと思うんですが、ああいうこと(※いじめ)の繰り返しであんなふうに心が弱くなってしまったのかなと思いますね。私の方が男っぽいかもしれない」

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三島監督「山本さんは本来、男っぽいサバサバした人ですからね」

山本「猫かぶってる(笑)」

三島監督「(笑)。多面的ですよね。サバサバしたところもあれば、しなやかな女性らしいところもあって」

女子の友情は、すごくきれいなもの

――映画のテーマのひとつに「女子の友情」があると思いますが、おふたりは女性同士の友情についてどう思いますか?
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山本「難しい質問ですね…。でも、すごくきれいなものだと思います。無いとやっていけないというか。私は中学高校と女子高だったので、今でもその頃の友達と遊んだりするぐらい大切にしていて。男女の友情は無いと思うタイプなんですけど、女の子同士は絶対的に何かがある気がします。全然連絡を取らなくても、会うとすぐいつもの感覚に戻れる。恋愛とは違う絶対的な結びつきがあるんじゃないかな」

三島監督「男の友情の美しさは日本映画でよく描かれてきたと思いますが、女性同士の友情は描かれることが少なくて歯ぎしりしていました(笑)。よく女同士の友情は恋愛問題ですぐ壊れるという意見もあります。でもそういうことではなく、同じ志をもった人間同士や理解しあえる同士という…面倒くさいけれどかけがえのないものとして女性同士の友情関係は成立するのかというのを、見つめたいと思いました」

――親友の由紀を演じた本田翼さんとは、共演されていかがでしたか?

山本「私たち、同じゲームをしてたんですよね、携帯で。友達を増やしていくみたいなゲームで…」

三島監督「暗~い!」

山本「暗くない~!(笑)。妖怪ウォッチなんですけど、新しい妖怪と仲良くなったら報告しあう、みたいなことをしていました(笑)」

syoujyo-06 ©2016「少女」製作委員会

三島監督「高台のシーン(※朝焼けの中、由紀と敦子が思いをぶつけあうシーン)では、二人でずっと話してなかった?」

山本「待機の時って基本ふたりともあまり演技の話をしないんですが、高台のシーンの日は役の話しかしてないくらいでした。緊張しているのを、ふたりで励ましあって。彼女は本当に壁をつくらないタイプで、不安なときはすぐそれを言ってくれるんですよ。だから私も変に壁をつくらなくていいし、プライドとかもなくお互い向き合って接することができて、高台のシーンは本当にいい関係性が築けたなと思います」

三島監督「敦子と由紀の関係性のように、山本さんが大丈夫大丈夫と言いながら引っ張っていく感じでしたね」

山本「寒くて手が冷たくて…それを一緒にあたためあって」

三島監督「あの日は夜中の1時半に出発だったんだ」

山本「そうそう、そうでした」

三島監督「スカイライン狙いといって、夜も撮り、夜明けも撮り、明けてからも撮るというなかなか過酷な撮影で、非常に寒かったんです。私は良い光の時に撮りたいので、いつまでもダウン着てると撮れないからさっさと脱いで!なんてふたりに言って(笑)。寒い寒いって言い合いながら、一生懸命山本さんが本田さんをさするっていう非常に微笑ましい姿を、私はしめしめと思いながら見ていました(笑)」

山本「なんとか演じたいし、いいシーンにしたいし。特に大事なシーンだと思っていたので、このシーンに賭けるぐらいの気持ちで」

役者さんはみんなそれぞれ違う猛獣

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    ――ふたりに演技面でアドバイスしたことは?
    三島監督「たくさんあります。私は撮影現場では映画の話しかしないんです。今回ふたりとも闇を抱えている役だったので、しんどくて役から逃げ出したくなるところを極力逃がさないように、ずっと隣で役の話をしていました」

    山本「催眠術のようにずっと…」

    三島監督「そうですね、耳元で…っていうと気持ち悪いですけど(笑)。山本美月さんという人は、隣に座って敦子はこうでこうでこんな気持ちになっていって…なんて言っていると、みるみる表情が敦子になっていく人なんですね。素直な方でとても吸収力があるし根性がある。監督に納得いくまでやってもらいたいし、自分も納得いくまでやりたいという気持ちを強く感じました。逆に本田さんはしゃべり方とか役柄の行動を具体的に伝えていくと、それを頭の中で膨らませて演じてくれる。役者さんみなさんそれぞれ全然違う猛獣なので(笑)、それぞれに合った方法を見つけていくという感じでした」
――おふたりとも仙台は初めてですか?

三島監督「以前取材で来たことがあって、これで2回目。宮沢賢治が大好きなので、遠野と花巻にはよく来てるんですけど、仙台にも『賢治とモリスの館』という場所があるのを聞いて是非行きたいなと思っています。それとずんだ餅が大好き。今日もほんといろいろ回れたらよかったんですけど…スケジュールがぎっしりで残念」

山本「私もファッションイベントで来たことがあります! それと、今さっき牛タンをいただきました。おいしかったです、牛タン❤ 『萩の月』も仙台ですよね? あとで食べます。って私、食べ物の話しかできてない(笑)」


<取材を終えて>
三島監督と山本美月さんの掛け合いが楽しくて、最後まで笑いに包まれたインタビューでした! 体力的に大変だったシーンがまるっとカットされていた…なんて山本さんの可愛い恨み節が飛び出す一コマも。最後まで引き込まれるストーリーの面白さはもちろん、舞台的な演出方法や「水」をキーワードにした心理描写、スクリーンいっぱいに広がる美しい情景などアートとしても楽しめる作品です。

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『少女』

syoujyo-08 ©2016「少女」製作委員会

出演
本田翼、山本美月、真剣佑、佐藤玲、児嶋一哉、菅原大吉、川上麻衣子、銀粉蝶、白川和子/稲垣吾郎
原作 湊かなえ『少女』
監督 三島有紀子
脚本 松井香奈/三島有紀子
配給 東映
公式サイト http://www.shoujo.jp/

TOHOシネマズ仙台、MOVIX仙台、MOVIX利府、109シネマズ富谷にて、10月8日(土)より公開!

【ライター 鈴木紘子】

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