Vol.0310
2017.02.01

新年早々、大暴れ! 佐々木蔵之介×横山裕W主演『破門 ふたりのヤクビョーガミ』

  • Facebook
  • Google
原作は、稀代のストーリーテラー黒川博行の疫病神シリーズ5作目で、第151回直木賞を受賞した『破門』。シリーズ初の映画化にあたり、今回メガホンをとった『毎日かあさん』『マエストロ!』の小林聖太郎監督と、主演の佐々木蔵之介さんが、インタビューに答えてくれました。佐々木さんは『超高速!参勤交代 リターンズ』以来、約5カ月ぶりに仙臺いろはに登場!

ストーリー
舞台は大阪。弁は立つが、ぐーたらビンボーな建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)は、サバキと呼ばれる建設現場での暴力団対策の仕事を主な収入源としていた。この仕事を通じて二蝶会のイケイケやくざ、桑原保彦(佐々木蔵之介)と出会ったのが運のつき。以来、何かとトラブルに巻き込まれっぱなしで、いわば桑原は二宮の“疫病神”的存在に。そんなある日、桑原と二宮は映画プロデューサー小清水(橋爪功)のもうけ話にだまされて、映画製作出資金の詐欺に遭う。しかもそれは、二蝶会を巻き込む大問題へと発展! 出資金を持って逃走した小清水を追いかけるため、桑原と二宮は大阪、マカオへと奔走する。

いわきの殿様がやくざになって帰ってきた!?

佐々木:こういうかたちで東北にくるのは、あれなんですけど…。

小林:こういうかたちって、まるで刑務所帰りみたいな言い方ですけど(笑)。

佐々木:福島弁を話していた気のいいお殿様だったのに、いきなり関西弁のやくざになって帰ってくるとは(笑)。


本当に衝撃的な豹変ぶりでした! 佐々木さん×やくざは初めてですよね?
佐々木:やくざ役は初めてです。関西の劇団にいたときには悪役が多かったんですけど…。桑原は躊躇なく人を殴って、喧嘩に強くて、でもユーモアもあって、裏社会を生き抜いている男。なかなか地上波では巡り会えない、映画だからこそできる役なのでおもしろかったですし、思いっきりやりました。思いっきりやった作品が、こうして新年早々に劇場で公開されるのは非常にうれしいです。

やくざを演じるにあたって、やくざっぽさで意識した部分はありますか?
佐々木:この作品はやくざ映画ではないんですよ。桑原の職業はやくざですが、彼には彼なりの正義があって、それを貫き通す方法論としてやくざの手法を使っている。だから、縁なしメガネでイタリアンマフィアっぽい格好をしたインテリな“イケイケやくざ”という設定。監督とも「典型的な大阪のやくざの雰囲気じゃないよね」と話していたので、声のトーンは低めにして、話し方の間やテンポで、あえてやくざっぽいオラオラ感は出さないようにしました。でも、そんな人間が急にガッと向かってきたら…。

(突然、力強い目つきで前に乗り出す佐々木さん。まさに桑原!! 思わずビックリすると)

小林:あ、大丈夫ですよ。今の芝居ですから(笑)。

佐々木:冷静な人間が急にキレたら、やっぱり怖いと思うんです。そういうキレると怖い感じが出るように、意識して演じました。

小林監督がシビれた! 佐々木蔵之介のイケイケなシーン

“イケイケやくざ”にちなんで、佐々木さんにもイケイケな部分ってありますか?
佐々木:イケイケな部分なんてないような気がするんですが。僕そんな、桑原みたいに決断力があるわけでもないし、行動力があるわけでもないし…。

小林:あんな行動力があったら困ります! 今頃大変なことになってますよ(笑)。

小林監督から見て、佐々木さんの桑原はいかがでしたか?
小林:撮影初日が、マンションで包丁を突きつけられるアクションシーンだったんです。いきなりすごいところからのクランクインだったんですが(笑)。

佐々木:「おはようございまーす! 今日からよろしくお願いします」って挨拶した直後には、「うおりゃー」「このー」ってね(笑)。

小林:そんな感じでスタートしたので、桑原のキャラクターについては、僕も蔵之介さんも探りながらやっていったところがあるんです。でも、のちのちに蔵之介さんのことを桑原だと確信したときがあって。それがカジノに行くシーン。二宮が「桑原さん負けとんてくださいよ」って余計なことを言った後に、桑原が振り返りながらひとこと返すところ。僕はあのカットを編集で見るたびに、「おぉ〜! 桑原さんやなぁ」って毎回シビれていました。蔵之介さんと桑原がクロスした瞬間でしたね。色気とあのニヤリ、たまらなく好きです。

『破門』映画化のオファーを受けたとき、どう思いましたか?
小林:突然、面識がなかった若いプロデューサーの秋田周平さんから連絡をもらって、お会いしたんです。「この小説を映画化したいと思っています」と言われて渡されたのが、黒川博行の『破門』でした。ちょうどそのとき、WOWOW連続ドラマWで黒川さんの『煙霞(えんか)』をシナリオにしていたんです。「おー、黒川作品連続かぁ」と。脚本家チームも『毎日かあさん』や『深夜食堂』で組んだことのある真辺克彦さんと小嶋健作くんだと聞き、これは不思議な縁だな、おもしろいなと思いました。

原作の実写化にあたり、苦労した点は?
小林:この『破門』の原作は、疫病神シリーズの5作目。それまでの4作で、桑原と二宮がいろんな悪い奴らと渡り合って悪戦苦闘するのがずっと続いていたんです。出会いを描き出すと2時間に収まらないので、ふたりが腐れ縁の関係であるということを冒頭でギュッと表しました。とにかく長大なストーリーなので、原作を縮めただけのダイジェストにはならないように、感情が動くシーンに絞って、感情をつなげることを大切にしました。

登場人物のキャラが濃くて、俳優陣も豪華ですよね!
佐々木:監督ならではのキャスティングがかなりありますよね。

小林:できるだけネイティブな関西弁にしたかったので、近畿圏の人を中心に集めました。登場人物が多いので、それぞれのキャラクターがパッと浮き立つように、190㎝の長身からスキンヘッドから、印象に残るような濃い人を多彩に入れました。

佐々木:そんなコワモテの人たちとガッとやり合っていた中で、横山くんとお母さん役のキムラ緑子さんのシーンはほっとしました。普通のお母さんって感じで、安心感がありますよね。

小林:男から見て、おかあちゃんのあの鬱陶しさ、面倒くささ、ね。でもありがたいというか。ああいう感じの親子関係って、誰もが共感できる部分だと思います。

佐々木:横山くんから聞いた話ですけど、ドリさん(キムラ緑子さん)とのシーンで、カットがかかった後、「あかん、あかん! 今、恋人を見る目で見てた」って言ったそうなんです。息子を恋人と錯覚してしまうっていうのが、リアルに母親っぽいなって。すごく印象に残っています。

ヤクビョーガミコンビの相棒、横山裕について

佐々木さん、横山裕さんとのシーンで印象的だったシーンは?
佐々木:大抵の場合は、殴った方よりも殴られた方のほうが覚えてるんです。横山くんは、僕に頭を殴られたことばっかり取材で話すんですよ(笑)。

小林:「ほんまに痛かった」って言うてますね〜。よく言うてます。でも最後に「そのおかげでリアルな芝居ができました」って、一応付け足すんですけどね(笑)。

佐々木:殴るときは、ほんまに痛いように殴ったんですよ。みんなに「ごめんね、これだけは思いっきり殴るよ」って言って。映画でふにゃ〜なパンチはあかんなって思うんで。

小林:映画って、足音から何から、音を後で全部作り直すんです。そのアクションにとって一番いい音を効果音としてつけるんですけど、蔵之介さんのパンチは「これは(そのまま)いけるね」っていうのが多かったです。ガツンという音とパンチが見事にシンクロしていました。

佐々木:桑原が二宮を殴るシーンは、僕よりも横山裕が印象に残ったシーンです(笑)。

映画や舞台にひっきりなしに出演されている佐々木さん。仕事をがんばる秘訣とは?
佐々木:僕はお仕事を選んでいるというわけでもなく、巡り会ったものをやっているだけなんです。役も、一緒に仕事する人たちも、出会うべきして出会ったと思うので。だからこそ、ひとつひとつ思いっきりやる! 結果的に、別に負けてもいいんです。負け方だと思うんですけど、そこをしっかり向き合えば、次のものが見えてくるんじゃないだろうか、って。そんな思いでいつもやっています。

最後に、読者へメッセージをお願いします!
小林:『破門 ふたりのヤクビョーガミ』には、佐々木蔵之介さん、横山裕さんをはじめ、いろんな年代の男たちの色気がたっぷり。そして親子の情、ハラハラドキドキ、笑いあり。いろんな要素が満載のエンターテインメント映画でございます。宮城のみなさん、ぜひ劇場に起こしいただけますとありがたいです。よろしくお願いします。

佐々木:ハードボイルドですけども、けっこう笑えます。裏社会のエンターテインメントムービー! (※東北なまりで)いわきの殿様が大阪のやくざになってリターンズして参りました。ぜひ、劇場でご覧ください。

東北人の私たちに向けて、前作で演じた湯長谷藩藩主の名残をところどころ匂わせてくださった佐々木さん。そのサービス精神に感激! 小林監督も演出同様に遊び心満載なお方で、別れ際には明朝体のフォントでデカデカと名前が書かれた名刺をプレゼントしてくださいました。(まさにやくざ風の名刺!!)すると、「それいいなぁ、二蝶会の桑原の名刺も」と佐々木さん。すぐさま「今後の取材用に準備しましょうか」と小林監督が提案。撮影中は細かく相談しながら行われたとのことですが、そんなテンポのいい掛け合いからも、おふたりの信頼関係と作品へのこだわりが伝わるインタビューでした。
映画ではさらにテンポアップ! 強烈なキャラクターたちが繰り広げる、痛快かつユーモアたっぷりのシーンが連続。とにもかくにも、佐々木さんのカッコよさたるや…! これまでの役柄のイメージとはガラッと異なる“イケイケやくざ”な姿は、怖いけどセクシーで、ゾクゾクドキドキします♡ 横山さん演じるぐーたらビンボーな男も、情けないけど人間らしい魅力があって憎めない。やっぱり大人の男って、いいなぁ〜。



『破門 ふたりのヤクビョーガミ』

Ⓒ2017『破門 ふたりのヤクビョーガミ』製作委員会
出演
佐々木蔵之介、横山裕/北川景子、濵田崇裕(ジャニーズWEST)、矢本悠馬、橋本マナミ、中村ゆり、木下ほうか/キムラ緑子、宇崎竜童/國村隼、橋爪功
監督 小林聖太郎
原作 黒川博行『破門』(角川文庫刊)
制作・配給 松竹
公式サイト http://hamon-movie.jp/

MOVIX仙台、MOVIX利府、イオンシネマ石巻、イオンシネマ名取、109シネマズ富谷、TOHOシネマズ仙台、シネマ・リオーネ古川にて、大ヒット上映中!

【ライター 池田直美】【撮影 門山夏子】

  • Facebook
  • Google

PR

PICKUP

毎週火曜 21:54 ON AIR
『仙臺いろは』が「Yahoo!地図」アプリ、無料動画「GYAO!」と連動!

RANKING

NEW POSTS

SNS ACCOUNT

  • youtube
  • instagram