2017.10.05

仙台アート散歩 vol.14 眺めて、触って、思わずほっこり。絵本から飛び出す羊毛フェルトの世界。

街の小さなギャラリー「gallery swallow」が、仙台で活躍する作家さんの作品をご紹介していくこの企画。vol.14の今回は、羊毛フェルト・刺繍のつくり手blanc naure(ブランナチュール)さんの作品をピックアップ。まるで絵本の中から飛び出してきたような動物たちは、家に連れて帰りたくなる可愛らしさです。

一気に引き込まれた、羊毛フェルトの世界。

思わず触れたくなってしまう、そして触れればほっこりやさしい気持ちになれるblanc natureさんの作品。実はこれ、毛糸になる前の状態の羊の毛を、ニードルという専用の針で刺しながら毛を絡ませて形をつくっていく羊毛フェルトというもの。微妙な色合いは、違う色の羊毛を重ねたり、ブレンドしたりしてつくっていきます。心や体、精神性も含めた全人教育を目指す、シュタイナー教育にも取り入れられているんだとか。

そもそもblanc natureさんと羊毛フェルトとの出合いは、娘さんと参加したシュタイナー教育の講座。羊毛フェルトのワークショップをやっていて、「ツンツン刺していくだけで形がつくれるの!?」とすっかりハマッてしまったそうです。

それから15、6年。東京のイベントに足を運んでつくり方を学び、作品が増えてきた頃にボックスギャラリーで展示販売をスタート。その後アート展への参加、全国の羊毛フェルト作家を紹介する本への掲載など、最初は趣味の延長だった羊毛フェルトの世界がどんどん広がり、今に至ります。

自由につくることができるから、続けられた。

そんな長年続けてきた羊毛フェルトの作品づくり。その魅力は“自由度の高さ”と“触り心地”とのこと。羊毛フェルトのつくり方には、これといった決まり事がありません。針で刺す回数が多くなれば多くなるほど硬さが増していきますが、その止め際も自分次第。少し形が気に入らなければハサミを入れて削ってもOKなので、とにかく自由につくることができます。そして何より、羊毛を触りながらつくっていると、気持ちがふんわりやわらかくなるんだとか。

平面の絵本から、立体の作品へ。

blanc natureさんの作品のモチーフは、動物がほとんど。絵本からインスピレーションを得ることが多いそうです。写真を参考にしたようなリアルな動物ではない。あくまでも絵本の中から飛び出してきたようなフォルム、バランス、表情の一つひとつが、作品の魅力につながっています。ちなみにblanc natureさん、特にアイディアのスケッチなどもないまま、いきなりつくり始めるそうです。「私、実は絵が描けないんです(笑)。描けないから余計に、絵本の中の動物たちが立体になっていくのが楽しいんですよね」。

さらに、絶妙なアンティーク感も作品の魅力の一つです。古いものが大好きなblanc natureさん。アンティークのぬいぐるみでよく見かける、ちょっと毛が抜けてしまった状態。これを作品で表現することも!色を重ねて使い込まれたように見せたり、ちょっとくすんでいるように見せたり。そういう時間の経過を感じさせる質感も含めて、愛おしいと思ってもらえたら…とのことでした。

最近は羊毛フェルトの枠を超えて、アンティークのレースを合わせた作品や、羊毛フェルトに刺繍を施した作品など、いろいろと進化を遂げているblanc natureさんの作品。「ヒミツ埜」にも数点置いてありますが、気になる方は今後開催されるイベントにもぜひ足を運んでみてくださいね。

<プロフィール>
blanc naure(羊毛フェルト・刺繍)
http://blanc7557.exblog.jp
Twitter @blanc_nature
Instagram @blanc_nature

イベント告知

2人の好きが重なり合った、不可思議な物語
キャンドール作家ヨウル☆プッキさんと、初の二人展が東京で開催されます。11月3日(金)~5日(日)にはワークショップが開催されます。

「オオカミ森の晩餐会」
日時/10月27日(金)~11月5日(日)※火曜定休
   12:00~19:00
会場/HOW HOUSE(東京都台東区谷中3-4-7)

ヒミツ埜 gallery swallow

住 仙台市青葉区大町2-7-26 渡辺ビル≪交差点角≫
ヒミツ埜 問い合わせ pukkisan@softbank.ne.jp
gallery swallow 問い合わせ nasukawa@uracata.com

※このページの情報は2017年10月4日現在のものです。
【仙臺いろは編集部】

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