円安と円高どっちがいいの?

最近、円安の状況がしばらく続いていますね。
円安になると、「嬉しい」と思う方もいる一方で「残念」と思う方もいます。
では、そもそも、“円安円高ってなに??”という疑問を今回は解説していきます。

「円」と「外国の通貨(米ドルなど)」を交換する時に、「外国の通貨」に比べて「円」の価値が低いことを“円安”といい、反対に「外国の通貨」より「円」の価値が高いことを“円高”といいます。

なぜ、円安・円高が起こるのかというと、様々な要因がありますが、イメージは通貨は人気投票の様なものなので、人気が高くなれば“高く”、人気が低くなれば“低くなる”そんな性質があります。

つまり、円の人気が外国の通貨(米ドル)に比べて低くなっていると“円安(ドル高)”になり、円よりも外国の通貨(ドル)の方が人気であれば“円高(ドル安)”になるという事になります。

円安の要因はいくつかありますが、ひとつは「金利差」にあります。

日本では低金利が続いている一方で、アメリカでは利上げがあり、高金利になったことからアメリカの通貨の魅力が上がったということがあります。

日本にお金を置いていても金利は低くお金が増えませんが、円をドルに替えてアメリカのドルでお金を持つことで、高金利の恩恵を受けられることになるので、多くの方が円売り→ドル買いをすることで円安をすすめる要因になったと考えられます。

他にも、貿易赤字などがあげられます。
輸入をする際は、円高であれば有利に働きますが、円安がすすむと不利になってしまいます。

日本では、生活に欠かせないエネルギーや食料品の多くを輸入に頼っていることはご存知の方が多いのではないでしょうか。
では、実際に日本で食べられている物の何%が自国で生産していると思いますか?

なんと、約38%なのです!

つまり、残りの約62%は海外から輸入している、まさに日本は輸入大国です。
円安になることで、輸入価格が上昇して食べ物の値段が上がってしまうのです。

更には、その代金はドルでの支払いが中心です。

円をドルに替えて支払いをしているということなので、円安が進めば進むほど多くの円をドルに両替しなければいけなくなります。それが、更に円安を進める要因に繋がります。

もちろん、円安にはデメリットだけではなくメリットもありますし、円高の場合も同様です。

-メリット

– 外貨建て資産の価値が高くなる
– 輸出企業の業績が上がる
– 海外からの観光客が増える

-デメリット

– 外貨建ての支払額が大きくなる
– 輸入製品が高くなる
– 海外旅行の費用が高くなる

-メリット

– 外貨建ての支払い額が小さくなる
– 輸入製品が安くなる
– 海外旅行の費用が安くなる

-デメリット

– 外貨建て資産が目減りする
– 輸出企業の業績が下がる
– 海外からの観光客が減る

円安の場合、輸入に頼る日本では、日常生活費に影響を与え家計を圧迫するというデメリットもありますが、その一方で、外貨資産を保有していた場合には、外貨資産の価値が上がるというメリットもあります。

円資産と外貨資産どちらも所有していた場合、円資産のみの所有に比べ、資産を守ることにも繋がりますね。

円安の際に外貨を購入する事はデメリットの様に思えますが、資産の一部に外貨を保有しておく事は円安対策の一つです。万が一円安が進んだ場合には資産を守ることに繋がります。

一概に、“円安”“円高”どちらが良いとは言えませんが、資産形成を行う中では切り離して考えることはできません。

今後の先行きは不透明です。先々に何が起こるか分かっていれば対策ができて良いですよね。
でも、将来のことは分からない。だからこそ備えが必要です。何が起きても大丈夫な様に、リスクを軽減する資産形成を心がけていきましょう。

次回も、リスクを軽減する資産形成の考え方についてお伝えしていきます。
皆様のマネーリテラシー向上の一助となれば幸いです。

※このページの情報は2024年9月19日現在のものです。
【ライター 松田真耶】

松田真耶

大手金融機関の勤務を経て、FPオフィス ㈱ワオナスに所属。
大手メディア主催のマネーセミナーをはじめ、通販会社、クッキングスタジオ、ママ向け団体など 多くの講演実績を持つ。
「金融をわかりやすく」をモットーに行うセミナーは女性を中心に人気。
「私だったら…?」と、個人単位で行う個別相談を年間100世帯以上担当している。
所属:㈱ワオナス

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