
7月に入り、もう2025年も折り返しになりました。みなさんはいかがお過ごしですか?
今回は、日頃よくご相談をいただく内容で「教育費」と「老後生活費」どっちを優先するべき?をテーマにお伝えします。
「子どもの教育費」と「自分たちの老後資金」の準備、どちらも必要な資金だけど、どちらを優先したら良いんだろう…。
そう考えることはありませんか?
この、2つの大きな資金需要、どちらも避けて通れない重要な問題です。
「子どもの教育費」と「自分たちの老後資金」両者のバランスの取り方や、ライフステージに合わせた資金計画のポイントをご紹介します。
「教育費」と「老後資金」いくら必要?
教育費と老後資金——この二つの大きな資金需要が、家計を大きく圧迫します。
文部科学省の調査によると、子ども一人あたりの教育費総額は、幼稚園から大学まで(全て私立の場合)約3,000万円にも達します。
特に大学の学費は年々上昇傾向にあり、4年間で1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
一方、老後資金については、“ゆとりの老後生活費として夫婦で毎月37.9万円”必要です。
実際には、必要最低限の生活費として23万円必要ですが、これは衣食住を最低限に抑えた場合の費用です。そこに、ゆとりのための上乗せを15万円加えた金額になっています。
例えば、ご夫婦で20年老後の生活を送るとすると
ゆとりの老後生活費
37.9万円 × 12ヶ月 × 20年=9,096万円
夫婦2人で9,096万円必要と言うことになります。年金や退職金など準備できているものがあれば、ここまでの金額を用意する必要はありませんが、希望するライフスタイルや健康状態によっては、さらに多くの資金が必要になるケースもあります。
結論:老後資金の準備を優先して考える
結論から言えば、基本的には「老後資金の準備」を優先すべきです。
その理由の一つには、教育費には代替手段があるという事です。
奨学金、教育ローン、アルバイトなど、子どもの教育費を補う手段は複数存在します。
反対に、老後には収入を得る手段が限られます。
引退後は基本的に新たな収入を得るのが難しくなるでしょう。教育費のように老後生活費として借りられるお金もあれば良いかもしれませんが、それは難しく年金だけでは不足する資金を補う手段は限られています。
また、親の経済的自立が子どもの負担を減らす事にもつながります。
老後の備えが不十分だと、介護や認知症になった時など将来的に子どもに経済的負担をかける可能性があります。これは結果的に、子どもの将来の選択肢を狭めることにもなりかねません。
親の経済的自立が最終的には子どもの幸せにつながる可能性もありますね。
教育費と老後資金、両立のための対策は?
とはいえ、現実には「老後資金だけを優先し、教育費は全く考えない」というのは難しいでしょう。どちらもバランスよく準備するための対策をご紹介します。
●ライフプランを明確化する
まずは、ご家族のライフプランを明確にしましょう。
・子どもは何歳で、いつ頃どのような教育費が必要になるか
・自分たちはいつ頃引退したいと考えているか
・老後はどのようなライフスタイルを望むか
これらを具体的な数字とともに整理することで、必要な資金の全体像が見えてきます。
特に、教育費は発生時期が明確なので、逆算して準備することができますよ!
●「お金の色分け」で資産形成を心がける
資産形成は「短期・中期・長期」で考えるとわかりやすくなります。
・短期の資産:緊急時のための貯蓄(生活費の6ヶ月〜1年分)
・中期の資産:教育費など、比較的近い将来に必要になる資金
・長期の資産:老後資金など、長期的な資産形成
短期の資産準備が安定したら、中期の資産と長期の資産に同時に資金を配分していくイメージです。
教育費は時期が明確なので学資保険などで、老後資金は時間的余裕があるため投資を活用するなど、目的に合わせた運用方法を選びましょう。
バランスと計画性がカギ
教育費と老後資金、どちらも大切な資金です。原則として老後資金を優先しつつも、計画的に両方に備えることが重要です。
どちらも単なる「お金の問題」ではなく、家族の幸せを長期的に守るための重要な取り組みです。
ぜひ、ご家族で話し合いながら、バランスの取れた資金計画を立ててください。
次回も皆様のお役に立てるマネーコラム#おかねのいろは をお届けします。
※このページの情報は2025年7月16日現在のものです。
【松田真耶】