マイホーム購入の前に知っておきたい、住宅ローンとライフプラン

「マイホームを購入したいけど、本当に賢い選択なのだろうか?」
「住宅ローンの仕組みがよくわからない…」
「老後のことも考えると不安…」

こんな疑問や不安を持っている方は多いのではないでしょうか。
今回は、人生の中でも大きな買い物となるマイホーム購入について、特に住宅ローンとライフプランの観点からお伝えします。

持ち家のメリットとしては、自分好みにカスタマイズできることや、資産の一部になること、住宅ローン完済後の住居費の軽減などが挙げられます。
一方、賃貸のメリットは、住居費の初期投資が少なく、転勤や転職などの生活変化に柔軟に対応できること、修繕費用などのリスクを負わなくて良い点などがあります。
ただし、持ち家には〝隠れたコスト〟があることを忘れてはいけません。
例えば、

✔︎ 固定資産税や都市計画税などの税金
✔︎ 修繕費や管理費(マンションの場合は管理費や修繕積立金)
✔︎ 住宅ローンの返済
✔︎ 将来的なリフォーム費用 など

これらを全て考慮すると、単純に「家賃を払い続けるのは勿体無い」と言い切れないことがわかります。
持ち家or賃貸、どちらかが “お得” ということではなく、大切なのはご自身のライフスタイルや価値観、将来設計に合わせて選択することなんです。

住宅を購入するにあたって、殆どの方の課題になるのが「住宅ローン」ですね。住宅ローンを組む際に理解しておきたいポイントをいくつかご紹介します。

自分に合った金利タイプを選択する

変動金利
市場の金利の動きに連動して金利が変動します。他の金利のタイプに比べて借入時の金利が低いのが最大のメリットです。

固定金利
返済額が一定で、将来の金利変動に不安がある方におすすめです。金利上昇リスクがなく将来の返済計画が立てやすいですが、当初の返済額は高めです。

フラット35
長期で安定した返済がしたい方におすすめです。他の金利タイプに比べて自己資金が少なくても融資が受けやすく団体信用生命保険(団信)が任意加入のため健康面に自信がない方でも検討いただけます。

住宅ローン借入可能額の目安は?

一般的には年収の5〜6倍程度が望ましいと言われていますが、他にも借入はないか。現在の生活費や住居費と大きな差がないか。
今後の収入や支出の変化や教育費などの大きな支出がないかを考慮して無理のない金額を設定しましょう。
「借入可能額」と「返済可能額」は違いますので注意が必要です。

 ●返済期間は?

最近では80歳まで返済期間を長くすることも可能になっています。
返済期間が長いほど月々の返済額は少なくなりますが総支払額は増えます。反対に、返済期間が短いと月々の返済額は大きくなります
無理のない月々の返済金額や返済終了時の年齢も考慮し、返済期間を設定しましょう。

繰上返済の活用

月々の返済額を抑えるために返済期間を長く設定する方も多いのではないでしょうか。ここで重要なのが繰上げ返済です。
余裕ができたら繰上返済を検討しよう!退職金で繰り上げ返済しよう!と考えるのも良いですが、人生そんなに上手くいかないもの。なかなか返済ができずに老後を迎えることもあります。
しっかりとした繰上げ返済計画を事前に立てておくことが重要です。
ライフプランを立てて将来を見据えましょう。
住宅購入はゴールではなく、人生の一部です。人生設計のためのライフプランを立てましょう!

ライフプランとは、将来の理想の生活や人生における目標や夢を実現するための人生設計図です。
人生の中には住宅購入だけでなく、教育費や老後生活費など沢山のライフイベントがありますね。
その一つ一つのライフイベントにはお金が付いてきますので、ライフプランと同時にマネープランを立てる必要があります。

例えば、教育費はお子様が18歳になり大学に入るときに大きなお金が必要になります。住宅ローンの繰り上げ返済を検討する時期が重なってしまう可能性もありますし、住宅ローンの返済だけに集中すると、老後資金の準備が疎かになりがちです。バランスよく資産形成を行いましょう。
他にも、いつ何時、万が一のことが起こるか予想はできません。病気や失業などのリスクに備え、団信や団信では賄えない部分は生命保険で備えるなど対策が必要です。

住宅ローンは、多くの方にとって人生最大の借入となります。長期間の返済を無理なく続けるためには、現在の収入だけでなく、将来の収入や支出の変化も見据えた計画が必要です。
マイホーム購入は人生の大きな決断ですが、正しい知識と計画があれば、将来の幸せな生活につながる選択になるでしょう。
「とりあえず購入」ではなく、ご自身のライフプランに合わせた選択をすることが大切です。

次回も皆様のお役に立てるマネーコラム #おかねのいろは をお届けします。

※このページの情報は2025年8月19日現在のものです。
【松田真耶】

松田真耶

大手金融機関の勤務を経て、FPオフィス ㈱ワオナスに所属。
大手メディア主催のマネーセミナーをはじめ、通販会社、クッキングスタジオ、ママ向け団体など 多くの講演実績を持つ。
「金融をわかりやすく」をモットーに行うセミナーは女性を中心に人気。
「私だったら…?」と、個人単位で行う個別相談を年間100世帯以上担当している。
所属:㈱ワオナス

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