こどもの日から考えたい〝子どもに心配をかけない〟お金の話

5月5日 こどもの日。こどもの健やかな成長や幸せを祈ってお祝いをする日。皆さんはどのように過ごされましたか?子供の幸せを願うように、子供の未来を重荷にしない準備について考えてみませんか。

「迷惑かけたくない」も親心。
親として出来る準備とは。

自分の“万が一”なんて縁起でもない。万が一の時は「自分でなんとかする」「子どもには頼りたくない」そう思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。その気持ち、とても素敵だと思います。
でも実は、準備をしないままでいることが、かえって子どもを困らせてしまうことがあります。
突然の入院や認知症の診断があったとき、「お母さんの口座がどこにあるかわからない」「保険証券が見つからない」「延命治療はどうすればいいの?」と、子どもが右往左往してしまうケースは本当によく耳にします。
元気なうちに準備しておくことは、「子どもへの最大の思いやり」でもあるのです。

難しく考える必要はありません。今の元気なうちに、この3つから始めてみましょう。

① 自分の収支を整理しておく

毎月の収入(年金など)と支出(家賃・医療費・生活費など)を、自分自身で把握しておきましょう。
「いざとなったら子どもに任せればいい」ではなく、自分のお金の流れを知っておくことが、将来の安心につながります。

② 口座・保険・資産の「置き場所」を伝えておく

銀行口座や保険証券、不動産の書類がどこにあるかを、信頼できる家族に伝えておきましょう。「何かあったときのために」と一言添えるだけで、子どもへの大きな安心のプレゼントになります。

③ 介護・医療に関する「自分の意向」をまとめておく

「介護が必要になったら施設に入りたい」「延命治療の希望」など、自分の意向をまとめておくことで、子どもが迷わずに動けるようになります。エンディングノートの活用も効果的です。法的効力はありませんが、気持ちや希望を伝えるための大切なツールです。まず書いてみるところから始めてみてください。

少し具体的な話もしておきましょう。
認知症と診断されたり、亡くなったりした場合、本人名義の銀行口座は凍結され、家族であっても自由に引き出せなくなります。
「入院費を払おうとしたのに、お母さんの口座が使えなかった」——こうした場面で子どもが慌てないようにするためにも、早めの対策が大切です。

任意後見制度の活用
元気なうちに、信頼できる家族や専門家に将来の財産管理を任せる契約を結んでおく制度です。自分の意思がはっきりしているうちに決めておけることが、最大のメリットです。

家族信託
財産の管理・運用を家族に託す仕組みです。認知症になった後でも、託された家族が柔軟に財産を管理できます。
どちらも「まだ早い」と思っているうちに準備しておくことが、何より重要です。

「子どもに迷惑をかけたくない」と思うのであれば、介護費用の現実も知っておきましょう。
公益財団法人 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査〈2人以上世帯〉」によると、介護にかかる費用は一時費用が平均47.2万円、月々の費用が平均9.0万円、介護期間が平均55.0か月(4年7か月)。単純に計算すると、合計で約542万円にのぼります。
また、介護を行う場所によって月額費用は大きく異なり、在宅介護では平均5.3万円、施設介護では平均13.8万円と、2倍以上の差があります。
「自分の老後資金で足りるかな?」と気になった方は、一度ご自身の資産と照らし合わせてみてください。
早めに把握しておくことで、万が一のときに子どもへの負担を最小限に抑えることができます。

お金の準備は「今すぐ全部やらなければ」と気負わなくて大丈夫です。まずはエンディングノートを手に取る、通帳の場所を家族に伝えるなど、小さな一歩から始めてみてください。
「何から手をつければいいかわからない」という方は、ぜひFP(ファイナンシャルプランナー)にご相談ください。ご自身の状況に合わせて、一緒に整理のお手伝いができます。
大切なご家族が笑顔でいられる時間が、長く続きますように。

※このページの情報は2026年5月15日現在のものです。

松田真耶

山形県出身。双子を出産し、シングルマザーとして子育てを経験する中で、
お金の問題に直面したことをきっかけに金融業界へ。
大手国内金融機関勤務を経て、現在はFPオフィスに所属。
「分かりにくい"金融を"分かりやすく」をモットーに行うセミナーは、3年間で累計3,000名以上が受講。
本音に寄り添う個別相談は、実践的でライフプランに沿ったアドバイスが好評。
所属:㈱ワオナス

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