働き世代の在職老齢年金ルール「65万円」へ

新年度を迎え、働き方やこれからの人生設計について、改めて思いを巡らせている方も多いのではないでしょうか。

さて今回は、特に50代・60代の皆さま、そしてその親御さん世代にとって非常に大きなニュースである「在職老齢年金」のルール変更についてお話しします。

「年金をもらいながら働くと、年金が減らされてしまう!」そんな不安の声をよく耳にします。
今回の法改正は、そんな「働き損」の不安を解消し、私たちのセカンドライフをより自由で豊かなものにしてくれる前向きな変化です。

そもそも「在職老齢年金」とは、60歳以降も会社員として働き、お給料(厚生年金に加入)をもらいながら受け取る老齢厚生年金のことです。 これまでは、「基本月額+総報酬月額相当額(給与+賞与÷12)」+「年金の月額」が51万円を超えると、その超えた分の一部または全額が支給停止されてしまうというルールがありました。 そのため、長年勤め上げてスキルも経験もあるのに、「年金が減るくらいなら、お給料がこのラインを超えないように労働時間をセーブしよう…」「責任あるポジションは降りよう…」と考える方が多くいらっしゃいました。
これは、ご本人も人手不足に悩む社会全体にとっても、非常にもったいない状況だったのです。

今回、この支給停止のボーダーラインが「月額65万円」へと大きく引き上げられる方向となりました。 

そのため、多くの方が年金をしっかりと受け取りながら、フルタイムで働き続けることが可能になり「年金カットを気にして働き方を制限しなくてもよくなる」ということですね。

例えば、これまで「月収30万円+年金月額15万円=45万円」だった方が、あと少し収入を増やそうとすると51万円の壁にぶつかっていましたが、今後は「月収40万円+年金月額15万円=55万円」と、しっかり稼いでも年金はそのまま受け取れるケースが激増します。

仙台の街でも、定年後も現役時代と変わらないエネルギーで、イキイキと働き続ける先輩方の姿をよくお見かけします。

これからは、そうした「長く活躍する生き方」が制度的にも強く後押しされる時代になりそうですね。

この嬉しい変化を、ご自身の人生にどう活かしていくか。FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、50代・60代の皆さまにぜひ実践していただきたい3つのステップをお伝えします。

1.自分の「年金見込額」を正確に把握する

まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分が65歳からいくら年金を受け取れるのかを確認しましょう!ここがすべてのスタート地点です。

2.どんな「働き方」をしたいか、ご自身の心と対話する 

年金がカットされないからといって、無理をして働き続ける必要はありません。現役時代のようにバリバリ稼ぎたいのか、週3日ほど趣味や健康維持(私もジムでのワークアウトが日課ですが、体力づくりは本当に大切です!)と両立しながら働きたいのか。ご自身の価値観に合わせた「理想のバランス」を描いてみてください。

3.「長く働く」を前提とした資産寿命のばし

 長く働き、手元に入るお金が増えるということは、その分「資産を取り崩す時期」を遅らせることができるということです。浮いた資金を運用する事で、将来の安心感はさらに強固なものになります。

年金制度と聞くと「難しそう」「また制度が変わるの?」とネガティブに捉えられがちですが、ルールを正しく知ることは、そのまま「これからの自分を守る武器」になります。

今回の「65万円への引き上げ」は、皆さまが培ってきたキャリアやスキルを、セカンドライフでも存分に発揮してほしいという国からのメッセージでもあります。 「私の場合はどうなるの?」「具体的にどう準備すればいい?」と迷われた時は、お金の専門家にご相談ください。

皆さまのセカンドライフが晴れやかで自由なものになりますように。

※このページの情報は2026年4月10日現在のものです。

松田真耶

山形県出身。双子を出産し、シングルマザーとして子育てを経験する中で、
お金の問題に直面したことをきっかけに金融業界へ。
大手国内金融機関勤務を経て、現在はFPオフィスに所属。
「分かりにくい"金融を"分かりやすく」をモットーに行うセミナーは、3年間で累計3,000名以上が受講。
本音に寄り添う個別相談は、実践的でライフプランに沿ったアドバイスが好評。
所属:㈱ワオナス

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