青葉区一番町1丁目。光原社のはす向かいに立つ静かなビルの3階に、そのお店はあります。
うつわ、硝子(ガラス)、木工、衣類、古道具、ファニチャー…。シンプルで言葉すくなだけれど、使えば使うほど手に馴染んで味が出る予感に満ち満ちた色々な道具たち。そんな様々なモノとデザイン、そして人が繋がる場所が『design labo necco sendai(デザイン ラボ ネッコ センダイ)』です。
デザイナーとして商品パッケージやグラフィックデザインを手掛けながら、盛岡で器や生活道具を扱うギャラリーストア『necco 202 store』を営んでいたオーナーの佐々木さん。学生時代を過ごし、奥様の故郷でもある仙台で『design labo necco sendai』をオープンさせたのは約1年半前。100平米ほどもある広々とした空間をカフェとショップにふんわりセパレートし、その横にご自分のデザイン事務所を構えました。
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「ショップに並んでいるものは、盛岡のお店に比べてより作家性を重視したラインナップになっています。栃木県益子や岐阜など、焼き物の産地に出向き、色々な作り手さんに会って話をして作品を買い付ける。その繰り返しが好きなんです。行きは空っぽだったワンボックスカーを、たくさんのうつわや道具でいっぱいにして帰ってくるんですよ。お店を始めるにあたり最初にご縁のあった作家さんから次第に繋がりが広がっていって、色々な作家さんとのご縁が生まれました」
そうしてひとつひとつ丁寧に集められた作品は、思わず家に持ち帰りたくなる不思議な魅力に溢れたものばかり。南会津に工房を構える木工作家、小沢賢一さんのトレイやカッティングボードもそう。
よく見ると、表面の模様や取っ手の長さが1枚1枚違う! ひとかけらのパンとコーヒーを淹れたマグカップを乗せるだけでも絵になりそうなカッティングボードは、岩手県産のくるみの木を使用。オンラインショップでもすぐ売り切れになるほどの人気です。
こちらは、益子での陶作活動を経て故郷の秋田にUターンした人気陶芸家、田村一さんのうつわ。まるで貝殻のような質感の淡い水色が特徴。
サイドから見るとよく分かる、流れるような優しい曲線に惚れ込んだとのこと。
益子在住の陶芸家、中園晋作さんのお茶碗や御猪口。使い込んで、さも色あせたように見えるのは、独特な釉薬の使い方によるもの。色合いも素敵です。
湧いてきた物欲、さてどうする…。作家ものといっても、肩ひじ張らないお手頃価格も多くて迷ってしまいます。そんな時は隣のカフェスペースでブレイク。お茶を飲みながら、家にある手持ちの食器と合うかどうかじっくり考えましょう。
陣取るのは、小学校の図画工作教室で使われていた大きなテーブルでもいいし。
窓際のデスクでも。
スタッフさんがKONO式のドリッパーでゆっくりゆっくりと淹れてくれるコーヒーは、盛岡の焙煎ショップ『fulalafu』さんの豆。
作家もののコーヒーカップで楽しめるのもうれしいポイント。コーヒー(¥500)。
岩手の玄米粉を使ったナチュラルな味わいのロシアンビスケット(¥160)。歯ごたえあります。焼き菓子はその日によって色々。
(左)岩手県産りんご100%使用。無添加仕上げの「イングリッシュサイダー」(¥648)はドライでシャープなりんごのお酒。(右)コクと苦みが効いた本格ラガー、盛岡のクラフトビール「ベアレンビール クラシック」(¥648)。
カウンターにはオリジナル「南部せんべいのみみ」(¥280)がズラリ。33=みみ。パッケージもキュートです。派手さこそありませんが、素朴な可愛らしさに溢れたカフェメニューたち。
最後に今後の抱負を伺うと、企画展を積極的に行っていきたいと返ってきました。秋口には、コーヒーにまつわる食器や道具を集めた「コーヒー展」を開催予定とのこと。
お茶のついでに何か新しい出会いを持ち帰れる。そんな場所が『necco』です。
“桜の木のコーヒー豆入れ”見つけました
neccoオリジナルの木製キャニスター。オイル仕上げ(左:¥11,828)と、外側が白漆で内側が茶の摺り(すり)漆(右:¥16,200)の2タイプ。お値段は張りますが、なめらかなフォルムが上品で愛らしい!
design labo necco sendai
デザイン ラボ ネッコ センダイ
仙台市青葉区一番町1-15-38 小林ビル3F
022-796-5203
12:00~18:30(L.O.18:00)
不定休 (営業日はHPでご確認ください)
※価格はすべて税込です
※このページの情報は2016年7月22日現在のものです。
【ライター 鈴木紘子】【撮影 門山夏子】