人気カフェがお引越し。小さな幸せを運ぶ東松島の“つばめ”カフェ 今週のカフェ&スイーツ*42話『ル・ニ・リロンデール』

登米市の人気カフェ『ル・ニ・リロンデール』が、オーナー横山さんの故郷である東松島にお引越ししたのは今年4月のこと。カフェ好きの心をそそるあたたかい雰囲気はそのままに、そこかしこに“東松島らしさ”を感じるカフェとしてリニューアルオープンしました。

切妻屋根が開放的なお店は、地元の大工さんにオーダーして建ててもらったもの。カウンターの窓を横に広く取り、存分に太陽の光が差し込むよう設計しています。中央には、オーナーの横山さんが気に入っているというオーダーメイドの丸テーブル。ひとりで来ても数人で来ても、みんなで座れる使い勝手の良さ。“誰もが自然と集まれる場所に”という横山さんの想いをそのまま体現しているかのようです。

ガラス越しに差し込むあかるい昼の光と、ひとつひとつ形の違うランプに灯されたやわらかな光が溶け合って、落ち着いたやさしい空気を紡ぎ出す窓辺。春になると目の前に桜が咲き、カウンターでお花見気分が味わえるそう! カウンターの逆サイドには、家族連れやグループ使いにぴったりな4人掛けのテーブル席もありました。

もともと東京で働いていた横山さん。震災をきっかけに、自分の好きなこと=カフェを地元でやりたいとUターン。コーヒーとパンづくりを学び、石巻のカフェ『はまぐり堂』を手伝うなどした後、念願の自分のカフェをオープンしました。心安らぐ空間で美味しいものを口にしながら小さな幸せを感じてもらえたら。そんな横山さんの丁寧な想いは、メニューのひとつひとつからも感じられます。

ランチタイムの看板メニュー、1日限定10食の「つばめプレート」(¥1,100)。にんじんのラぺ、ラタトゥイユ、ひじき、豆苗とじゃこのおひたし……季節ごとにメニューが変わる栄養たっぷりおかずの盛り合わせプレートは、目にも美味しいカラフルさ。伊豆沼産の生サラミなど宮城県産のお肉や野菜を中心に使っています。本日のスープは東松島で採れたじゃがいもを使った冷製スープ。ごはんはシソのジェノべーゼと白米の二段重ねというのも、気が効いていてうれしいですよね。

デザートには、小麦粉を使わず、チョコレートと石巻の地酒・日高見をぎゅぎゅっと凝縮して蒸し焼きにした「日高見のガトーショコラ」(¥420)を。濃厚でしっとり、でも飽きずに食べられる大人のケーキです。お酒の風味をまといながら、でもアルコールは飛んでいるのでお子さまでも安心して召し上がっていただけますよ。

透き通る青がまぶしい「ブルーソーダ」(¥480)は、東松島の空をイメージした季節限定ドリンク。ナタデココとバニラアイスを白い雲に見立てて。カクテルのブルーハワイをソーダにしたような甘い味わいです❤

いたるところに、松島の青い海を旋回するつばめが隠れている『ル・ニ・リロンデール』。ちなみにリロンデールとは、フランス語でつばめの意味。まずはドア横の壁のステンドグラスに1羽発見。

気になる本を自由に読める本棚の脇にも、さりげなくつばめのポストカード……と思ったら棚の裏側でのんびりお散歩中。

ライトを止まり木にして。

実はランチプレートにも隠れていました!

遠方から遊びにきたカフェ好きはもちろん、近所のおばあちゃんや友達連れ、赤ちゃんを連れたご家族など、さまざまな人たちが入れかわり立ちかわり訪れていた『ル・ニ・リロンデール』。
大郷町にある牧場の牛乳を使ったフレンチトーストや、人気すぎて売り切れてしまったブラジル定番のおやつ・ブラジルプリンなど、他にも気になるメニューがたくさん。何度でも足を運びたくなる、心やすらぐ遊び心にあふれた憩いのカフェでした。

“売り切れました”見つけました


体にやさしい岩手県産の小麦粉を使って、毎朝焼きあげるマフィンやベーグル。日中もカフェを回しながら次々と焼いていくので、焼き菓子も含めると1日20種類近く店頭に並ぶそう。チョコバナナとホワイトチョコ、レモンとケシの実とクリームチーズ、くるみとあんこなど、取り合わせを聞いただけでヨダレが……にもかかわらず、私たちが訪れた午後の棚はもうこんな状態でした(泣)。

ル・ニ・リロンデール

宮城県東松島市小野中央17-1
070-1145-4420
10:00~18:00
日曜お休みの場合あり(詳しくはFacebookで https://ja-jp.facebook.com/lenid2015/ )

※このページの情報は2017年8月25日現在のものです。
【ライター 鈴木紘子】【撮影 門山夏子】

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