【ニューオープン】お茶もお買い物も。和の出会いが満ちるモダン空間 今週のカフェ&スイーツ*39話『Origami Sendai』

艶やかな赤の和傘、白壁を彩る初夏の着物、和紙を使った暮らしの雑貨。『Origami Sendai』という名前があらわすように、ここは和の空気漂う場所。
ここ最近おしゃれな飲食店や雑貨屋さんがお目見えしている大町エリアにまたひとつ、女子好みのお店がオープンしました。

プレオープン期間を経てゆっくりと完成したお店は2つのフロアに分かれ、入って手前は国内の作家さんの手による陶器やアクセサリー、雑貨などがディスプレイされたコーナー。奥はカウンター越しにゆっくりお茶を楽しめるカフェスペースとなっています。

長年アパレル業界で働いていたオーナーの山田さん。こんな和テイストのお店を出そうと思ったきっかけは、仕事で海外に買い付けに行った時に“外国人みたいに気軽に日本文化を楽しんでみたい”と感じたこと。

「茶道や華道と聞くと、僕たち日本人は伝統の重みを感じてなんとなく肩に力が入ってしまいますが、外国の方からすれば茶道は“MATCHA(抹茶)”、華道は“フラワーアレンジメント”なんですよね。とてもポップで日常的。そんなふうに、和風の内装で和にこだわった商品だけを扱う店というわけではなく、和洋の面白い雑貨を取り扱うカジュアルなお店を開きたいと思ったんです」

「ただ日本にある店だから内装が和っぽいというだけ。でも家具に関しては、山形で家具やインテリアのデザインと製作をしている「TIMBER COURT」さんに自分がイメージしたものを形にしてもらいました。銀山温泉の旅館の内装を手がけたり、某テレビ番組でリフォームの仕事を行なったりしているのを知り、作品を見て是非お願いしたいと。展示している棚もカウンターもカウンターチェアも、ここだけ1点もののオリジナルデザインなんです」

「カジュアル」というその言葉通り『Origami Sendai』では、店内でお抹茶を気軽に楽しむことができます。とりわけ目を引くのがうつわ。名だたる方から若手の作家さんまで、気になる人のもとに足を運んだりSNSでコンタクトをとるなどしてコツコツと集め続けているうつわたちは、日本らしくもモダン。そして普段使いしたくなる可愛らしさに溢れています。店頭で販売しているものもあるので、ピンときたら気軽に聞いてみましょう。

オーダーを受けてからハンドドリップで淹れる深煎りコーヒーには、お砂糖のかわりにカラフルな金平糖が…!

隠れ人気メニューのカフェラテも是非。100年の歴史を持つイタリアのエスプレッソコーヒーメーカー『la Pavoni』社のマシーンを使って。完全手動で抽出するのでレバー操作の加減が難しく(そしてけっこうな力仕事)、使う人の好みがエスプレッソの味に色濃く反映されます。そのぶん機械仕掛けにはないあたたかみが感じられ、スチームミルクの甘さもさらに引き立つよう。ガラスのカップに入ったラテは、横から見るとクリーミーなあわあわがたっぷりでテンションもアップ(笑)。

さて、ひと休みしたら恒例のお買い物タイムへ。おすすめを伺うと、かの有名なドキュメンタリー番組をはじめ、数々のメディアで取り上げられている青木良太さんの作品を挙げてくれました。釉薬の使い方が特徴的で、さまざまな素材に挑戦しながら新しい陶芸の美しさを表現し続けている人気陶芸家の青木さん。彼の作品は、仙台ではおそらく北四番丁の『Café soyo』と『Origami Sendai』でしか扱っていないのでは…とのこと。

こちらの色鮮やかな御猪口も青木さんの手によるもの。とても同じ人の作品とは思えません!

個人的に気になったのが、絹の糸を使った上品な光沢感が和装にも洋装にも合わせやすい、ハンドメイドのアクセサリーブランド『ciito』。これからの季節、このイヤリングをまっ白なTシャツに合わせるだけで大人っぽい装いになりそう…と妄想が膨らみます。

ところで、ちょっとしたインフルエンサーでもある山田さん。去年仙台にUターンすることになり、あらためて自分が生まれ育った街や人々を知りたいと始めたインスタグラムでしたが、密な情報と素敵な写真であれよあれよというまにフォロワーが増え、今では3,900人オーバー。そこからさまざまな人との出会いやお付き合いが広がって、『Origami Sendai』という実空間に終着しました。

インスタを見て訪れる人はもちろん、昔から住んでいる近所のおじいちゃんおばあちゃんも気軽に立ち寄るという同店。“オリガミ”という店名を見て、それにちなんだものを持ち寄ってくれたり、「棚が足りないでしょ!」とストック用の棚を譲ってくれたり(笑)。これからもどんどん変化していきそうな『Origami Sendai』に注目です。

“シャレオツジャパニーズトイ”見つけました


やたらとポップなけん玉とヨーヨーを発見。数年前からアメリカ、ヨーロッパなど海外のストリートでプチブーム中だそうで、こちらはアメリカのオリジナル“KENDAMA”、 “YOYO”ブランドの商品。昔ながらの日本の子供の遊び道具が、海を飛び越えスタイリッシュに化けております。

Origami Sendai


オリガミセンダイ
仙台市青葉区立町4-12
11:00~19:00
水・木曜定休

※このページの情報は2017年6月2日現在のものです。
【ライター 鈴木紘子】【撮影 門山夏子】

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