あなたの近くに来るかも？本格コーヒーを移動販売で。 ≪今週のカフェ＆スイーツ＊38話『Piano Piano』≫

数年前から大きな盛り上がりを見せている仙台のコーヒーシーン。この連載でも、「SENDAI COFFEE STAND」、「darestore」、「KEYAKI COFFEE」、「THE MOST COFFEE」、「Botanical item & Café CYAN」など、コーヒーにこだわりのあるお店をたくさんご紹介してきました。

しかし、そのほとんどは街なかのお店。郊外に暮らしている人にとって「ちょっと美味しいコーヒーを飲みにいこう」とは、なかなかなりづらいもの・・・。
そんなとき、自分の町に美味しいコーヒーを淹れてくれるコーヒー屋さんが来てくれたら？今回取材したのは、そんな素敵な夢を叶えてくれるコーヒーの移動販売ショップ「Piano Piano」（ピアノピアーノ）です。

「コーヒーそのものも好きなんですが、淹れたり飲んだりしている時間が好きなんです。こんなにせわしなくて色んなことがあっという間に過ぎる世の中でも、コーヒーを楽しんでいる時は、どんな人のまわりでも時間がゆっくり流れていくような気がして」
そう話してくれたのは、「Piano Piano」をひとりで切り盛りする中澤さん。学生時代にバイトをしていたネルソンコーヒーを皮きりに、様々なコーヒーショップで経験を積み、去年の冬に移動コーヒー屋さんを始めました。

そんな中澤さんがハンドドリップで淹れるコーヒー（￥340）は、「エルサルバドル」と「インドネシア」の2種。コーヒー豆は、連坊小路の自家焙煎コーヒーショップ「SPARK COFFEE ROASTERS」（スパークコーヒーロースターズ）から仕入れています。
なかでも「エルサルバドル」は、スパークのオーナーさんが実際に中米現地のコーヒー農園を訪れた際に、農園の取り組み方やコーヒーの品質に感銘を受けて仕入れたもの。本格的なシングルオリジンコーヒー（単一品種のコーヒー豆で淹れたコーヒーのこと。ひとつのコーヒー農園で栽培された豆を使うので生産者の顔が見え、作り手のこだわりや豆の個性が反映される）を気軽に楽しめます。

「『エルサルバドル』は酸味のあるコーヒーですが、酸っぱいイヤな感じの酸味ではなくて、フルーツのような爽やかな味。ナッツ系のやわらかい甘さも感じられて、コーヒーの苦みが苦手な人も美味しく飲めると思いますよ」と話してくれた中澤さん。
一方、「インドネシア」はリンゴのような後味がクセになるコーヒー。よく見かけるテイクアウトのコーヒーカップより2～3割増しの、大きめサイズがうれしいですね。

そして、ぜひ味わってほしいのがラテです。カフェラテ、モカラテ、キャラメルラテ、抹茶ラテ、チャイラテ…と様々なラテがメニューに並ぶなか、つくってもらったのは期間限定の「桜抹茶ラテ」（￥400）。ほろ苦い抹茶とたっぷりのミルク、そして春らしい桜のシロップを加えて。羽を広げるスワンが可愛すぎる！

この繊細な模様を、片手でサラッと描く技よ！

どうしてもラテアートに目が行きがちですが、「Piano Piano」のラテはとろとろフワフワしたミルクと美味しいエスプレッソのハーモニーがメイン。
「見て楽しめる部分は+αです。ラテアートに頼らず、視覚障がい者の方などにも「おいしい」と思ってもらえる1杯を出せるのが目標。飲んで楽しいが1番、そして見ても楽しい1杯が僕の目指すパフォーマンスです」

小さなワゴン1台でどこでも美味しいコーヒーとカフェラテを淹れてくれる「Piano Piano」ですが、現在は曜日を決めて、仙台市太白区東大野田のチーズケーキ工房「yuzuki」（リンク）、名取市美田園のカフェ「Leafull」、仙台市泉区のイオンタウン大沢で定期的に出店しています。
おじゃました土曜日は、yuzukiさんの日でした。

濃厚なチーズのまろやかさと、上品な軽い甘さで人気のyuzukiのチーズケーキ。片手で簡単に食べられるスティックタイプが定番人気です（各￥259）。伊豆沼産のブルーベリーをたっぷり使った「ブルーベリー」もおすすめ。

こちらは2月に発売されたばかりの6号ピースのチーズケーキ。3種の中から、100％北海道産チーズを使ったその名もズバリな「北海道」（￥345）をチョイス。クリーミーなチーズの甘さがコーヒーのほろ苦い味を引き立て、チーズケーキとコーヒーの組み合わせは鉄板中の鉄板であると再確認いたしました。テイクアウトして家でゆっくりお茶するもよし、yuzukiでイートインしていくもよし、好きなように楽しんで！