仙台のカフェ好きなら一度は足を運んだことのある、郊外の人気カフェ「ノートルシャンブル」。こだわりの紅茶とオリジナルのガレットで愛されたこちらのお店が、“和”のテイストを加えて新しくリニューアルオープンしたとのこと。噂を聞きつけ、さっそくお邪魔してみると…そこはまさに、洗練された大人のための空間でした。
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入口のドアを開けると、明るくまぶしい外の陽気と裏腹にシンと静まり落ち着いた空気に包まれます。両脇に並んでいるのは、オーナー阿部さんの審美眼にかなった様々な小物たち。
京都の銘竹を使って職人が一本一本丁寧に削ったお箸、伝統とモダンが優雅に融合した益子焼の器、遊び心あふれるブローチ…日本では手に入りにくいフランス製のオーガニックシャンプーやトリートメントも。様々な人との繋がりから自然に出会い、阿部さんみずから手に取って「これは」と感じたもの。暮らしを彩るそんなあれこれを、ゆっくりと眺め、ピンときたら購入しておうちにお持ち帰りできる幸せ。
そして次に目に飛び込んでくるのは、天井から吊るされた不思議な球形のオブジェ。「スペースコロニー」と呼ばれるこちら、実は盆栽なんです。
ぐぐっと近寄ってみると…ほんとだ!生きてる!
真上から照らすLEDライトが太陽の代わりとなり、室内で育てられる希少な盆栽として注目を集めるスペースコロニー。もみじやエゾ松など様々な種類を楽しめます。風に当てなくてもOK、水やりも1週間にほぼ1回で大丈夫というお手軽さ。
「毎日毎日少しずつ成長していく様子が可愛らしいんです。毎日観察していると、新芽が出て来たなぁ、新しい種類の苔が生えてるなぁなんて、ささやかな変化を楽しむ心の情緒が育つように思います。ガラス張りなので下から根っこの部分を眺める面白さも!」とは阿部さんの言葉。
どんなインテリアにも合うモダンなデザインも秀逸。これひとつあるだけで、一気に洒落た雰囲気のお部屋に生まれ変わりそう! もちろん購入もできますよ。
奥のカフェスペースは、打って変って開放的で明るい空間。お天気の良い日はテラス席も気持ちいい!
さて、ランチにいただいたのは「蕎麦粉のガレット」。ただいまのおすすめは、名取で農家を営む三浦さんが育てた春セリをジェノヴェーゼソースに仕上げたこちら。薄く焼き上げたガレットの上に、にんじんのラペやスナップエンドウ、スプラウトなど旬の野菜を惜しみなくのせて、まるで花が咲いたような華やかさです。(野菜の種類は季節により異なります)
奈良・月ヶ瀬健康茶園の春摘み紅茶か、CHA YUANのルージュセンチャとセットで¥1620。
蕎麦粉に水と塩のみで余計なものを加えずそのまま焼き上げたガレットは、蕎麦粉の栄養が100%含まれたヘルシーな一品。健康を損ねてしまった経験から、体に負担をかけない食事を第一に考えるようになったという阿部さん。調味料もシンプルに、フランスから仕入れたオリーブオイルと塩がメイン。野菜もなるべく農薬と化学肥料を使わず、生産者の顔が見えるものにこだわっています。人の心と体には、安心して食べることも何よりの栄養になるんですよね、と話してくれました。ガレットのほか、オリジナルの薬膳スープ&カレーをメインに、湯葉とお豆腐、お茶と水菓子がついたセットもおすすめです。
デザートには、「生麩饅頭」を是非。京都の友人のお店で口にして、その美味しさに惚れ込んで以来、すべて手作りのスイーツの中でこの生麩饅頭だけは唯一仕入れているそうです。もちもちとした食感、塩味がほどよく効いた行き過ぎない上品な甘さ!
ヨモギのつぶ餡とこし餡の2種セット(¥648)。有機栽培された甘くやわらかな芳香が特徴の台湾茶「金萱茶」(¥599)を添えて。スイーツと一緒にオーダーするとドリンクは-¥100に。
笹の葉を開くと…ふっくらとしたお饅頭があらわれます。
1個(¥324)からテイクアウトOK。竹かごに入った5個入り(¥2,160)は手土産に喜ばれそう。
若い頃はフランスにどっぷりハマっていたという阿部さんですが、年を重ねるにつれ興味関心の幅が広がり、古くから受け継がれてきた日本の伝統にも目が向くようになったといいます。決してアクセスの良い場所ではありませんが、11時の開店を待ってお客様が多く訪れる様を見るにつけ、その時々に好きなものを受け入れ、自然に重ねていくしなやかさに多くの女性が共感しているのかなと感じました。
カフェにとどまらず、いろいろな発見がある「水の音」。あなただけの出会いを見つけに行きませんか?
“お持ち帰りな逸品”見つけました
秋保こけしの工人・我妻さんが手掛ける茶筒。縁起が良く、厄除けの木として知られる槐(えんじゅ)の木を使って。手馴染みの良いなめらかさ、素朴ながら品のある風合いに、工人の技が光ります。(大・¥13,960、中・¥8,640、小・¥5,400)
水の音
ミズノオト
仙台市泉区館2-1-115
022-376-7560
11:00~18:00(L.O.17:30)
火曜定休
※価格はすべて税込です
※このページの情報は2016年6月10日現在のものです。
【ライター 鈴木紘子】【撮影 門山夏子】