2021.12.06

宮城で発見「SDGs」なバイオプラスチック容器の最新事情

もう、みんな知っている?「SDGs」

近年メディアで頻繁に取り上げられ、認知が高まる「SDGs」。日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。
国連加盟国193か国が、2030年までに達成する目標を記したもので「地球上の誰一人残さない」というコンセプトのもと、経済・社会・環境のあらゆる問題を解消し、すべての人が豊かに暮らすことのできる社会を目指す目標のこと。
私達の身近なところだと「紙製のストローの導入」や「レジ袋の有料化」なども、環境問題に関するSDGsにつながる活動ですね。

東松島市は「SDGs未来都市」!?

内閣府はSDGsの達成に向けて先進的な取り組みを進める地方公共団体を公募し、2018年6月、応募のあった都市のなかから29の団体を「SDGs未来都市」に認定しました。
実は、その中に「東松島市」も名前を連ねています。震災復興によって整備された都市を基盤とし、SDGsに沿った老若男女の住みよいまちづくりの取り組みが評価され「SDGs未来都市」として認定されたんだそう。

イベントの食品容器にも「SDGs」

2021年11月21日(日)東松島市の産業を盛り上げるイベント「復興感謝 東松島市 産業祭」が開催されました。中でも人気だったのが「蒸しカキのお振る舞い」。

程よい塩分に、ジューシーでミルキーな味わい!
これだけでも、足を運んだかいがありました。

実は、そのお振る舞いにもSDGsの取り組みを発見!それがカキを乗せたこちらの容器。
トウモロコシのでんぷんを使ったバイオプラスチックで作られているのだそうです。


トウモロコシのデンプンを使った「バイオプラスチック容器」

「バイオプラスチック」とは植物由来の有機物(バイオマス)を原料の一部に利用したプラスチックのこと。従来のプラスチックに比べて、石油資源の節約になること、二酸化炭素の排出削減効果があることなどから、環境負荷の少ない新素材として期待を集めています。
「蒸しカキのお振る舞い」で使われている容器は(株)コバヤシと山形大学、県産業技術総合センターが共同開発したバイオプラスチック素材で出来ています。
工業用に栽培されたトウモロコシのでんぷんが60%ほど使われていて石油資源を節約しています。また、つぶしたり破いたり、手で小さく丸めて捨てられるため、ゴミの減容化にも貢献するのだそうです。

使用後の容器は回収して食品の汚れや匂いが及ぼす影響を検証し、リサイクル製品のアップデートに役立ていくそうです。
また、2021年度中には、(株)コバヤシ東北工場(大和町)内にもバイオプラスチック容器を作る、専用設備が完成し、本格的な稼働が始まるそうです。

廃プラスチック識別装置

イベントでもう1つ目を引いたのが「みやぎアップグレードコンソーシアム」のブースにあった「廃プラスチック識別装置」。
プラスチックといえど種類は様々で、それを人が分別するのはとても大変な作業。この識別装置は、プラスチックの種類を自動で識別、エアーを噴射して仕分けまでしてくれる優れモノなんだそう。プラスチックのリサイクル効率が上がれば、資源の有効活用に繋がりますね。

バイオプラスチック容器や、プラスチック自動識別装置の開発など、技術の進化は頼もしい限りですが「無駄にゴミをださない」「ゴミを分別して出すこと」など、私達自身でできることもたくさんあります。技術の進歩と並行して、私達の意識も少しずつアップデートし、「資源の有効活用」や「環境負荷の軽減」に、みんなで取り組んでいきましょう。

※このページの情報は2021年12月6日現在のものです。
【仙臺いろは 編集部】

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