Vol.
2022.03.30

住職の娘さんがお寺の前にオープン! 桜が見えるカフェ 宮城のカフェ&スイーツ*73話『桜terrace』

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●本日のカフェ&スイーツ
『桜terrace(サクラテラス)』
エリア:仙台市青葉区、北山
ジャンル:門前カフェ、和カフェ、桜が見えるカフェ
テイクアウトメニュー:あり



JR仙山線の北山駅から歩いて約10分の新坂町。このあたりは古くから寺院が点在する寺町で、なかでも「大願寺(だいがんじ)」は1603年開山と、長い歴史を持つ浄土宗の寺院です。なんと伊達政宗公の葬儀も行われた場所だとか。その由緒ある寺院の門前に、一軒の新しいカフェを見つけました。



お墓参りや参拝に訪れた人がお茶を飲める場所をつくりたいと、大願寺住職の長女・深雪(みゆき)さんが、2021年11月に始めたカフェ。「桜terrace(サクラテラス)」という店名は、店の前に植えられた一本のしだれ桜が由来になっています。



桜の木と大願寺を望むようにつくられたお店は、大きな窓とウッドデッキのテラスが魅力。春は、目の前に満開のしだれ桜! 夏に向けて暖かくなってきたら、窓を開け放してオープンに。秋はテラスまわりの木が紅葉し、冬は雪化粧をした本堂が幻想的な姿を見せてくれます。



そんな情緒あふれる四季折々の風景を眺めながら、木のぬくもりあふれる店内でお茶やランチを。大願寺にちなんだメニューもあって、縁起がよさそう!



◆七番観音さんの白玉ぜんざい 650円
大願寺の境内には、仙台三十三観音の第七番札所である観音堂が置かれています。それにちなんだ、鉄観音茶と白玉ぜんざいの甘味セット。大願寺で祈祷をしたありがたい「散華(さんげ)」が一枚付きます。10月〜4月末までの期間限定。



散華とは、ハスの花びらをかたどった色紙で、本来は寺院で法要のときにまかれるもの。一枚一枚美しい絵が描かれていて、裏面には大願寺のハンコが押されています。本に挟んでしおりにしたり、財布に入れたり。身につけてお守りに。



手づくりの白玉は、ツヤツヤでもっちもち。あんこのやさしい甘さと温かい鉄観音茶にほっこり、頬がゆるみます。



◆大願寺八重桜の塩漬けおむすびと季節のおむすび&豚汁セット 750円
八重桜の花びらが入ったピンク色のおむすびで、一年中“花見気分”に。時期によって具材が変わる季節のおむすび(取材時はせりと油揚げ)とコンビで2つの味が楽しめます。具だくさんの豚汁、小鉢、プチデザート(取材時は豆乳プリン)付き。



八重桜は、昨年の春に大願寺境内で摘んだものを白梅酢と塩で漬け込み、塩漬けに。手塩にかけてつくられたおむすびは、ゆっくり丁寧に味わいたくなります。ほどよく塩味が効いていて、疲れているときも元気をもらえるパワーフード。テイクアウト用(おむすび2個で400円)もあります。



◆タコライス (スープ&ドリンクセット)1,300円
野菜たっぷりのタコライスは、お花畑みたいにカラフル。一般的なタコライスで使うひき肉の量を半分に抑え、かわりに豆腐とおから、舞茸、レンコンを加えてヘルシーな和風テイストに。上に乗ったポーチドエッグや付け合わせのキャロットラペ、紫タマネギの酢漬けと混ぜれば、味変も楽しめます。プチデザート付き。



◆チーズケーキ、自家製レモンスカッシュ (セットで)650円
深雪さんがお母さんから教わったレシピでつくる、思い出のチーズケーキ。甘すぎず濃厚すぎず、みんなが好きなやさしい味わいです。生クリームと一緒に添えられているのは、自家栽培したミントと国産レモンのはちみつ漬け。そのレモンを漬けたはちみつを炭酸で割り、スカッとさわやかなレモンスカッシュに。ケーキセットでこの価格は良心的!



「家が寺で、幼い頃からいろんな人が出入りするにぎやかな環境で育ったので、人が集まるのが好きなんです」とほほ笑む、おもてなし上手の深雪さん。以前はお墓参りの時期になると、本堂でお茶や甘酒を振る舞っていたけれど、コロナ禍でそれができなくなってしまいました。「この場所が、寺を訪れる人や地域の人たちのコミュニティーの場になれたら」と話します。



窓の外を眺めながら季節の移ろいを感じ、そういえば、しばらくお墓参りに行けていないなあと、ご先祖さまに思いを馳せて。日々忙しくしているとつい忘れがちな大切なことを、思い出させてくれる場所。



寺離れが進んでいるといわれる今、カフェを通して、若い人たちにも寺院に興味を持ってもらいたい。桜terraceには、深雪さんのそんな思いも込められています。写真は、「七番観音さんの白玉ぜんざい」で散華と一緒に添えられていた“ちょこっと豆知識”メモ。「お茶やランチをした後は、観音様をお参りしたり、おむすびに入っていた八重桜の木を見に行ったり。気軽に境内を散策してみてください」。



凛とした空気が漂う境内は、足を踏み入れるだけですがすがしい気持ちに。大願寺は、1636年に仙台藩初代藩主・伊達政宗公の葬儀が行われた場所。葬儀後に棺を焼いた灰を埋納した「灰塚」と呼ばれるものが今も境内に残っていて、見ることができます。



目を引くきらびやかな山門は、仙台藩4代藩主・伊達綱村の夫人、仙姫(万寿院)の墓所にあった門を移築。江戸時代中期の伊達家霊廟建築を知ることができる貴重な門です。伊達家ゆかりの大願寺と桜terraceで、心洗われるひとときを。



店の前にはコインパーキングがあり、駐車もスムーズ。ランチかスイーツを注文すると、駐車料金が1時間無料になるサービス券をもらえます。


“桜terraceのサクラ”見つけました

お店のシンボル、しだれ桜。写真は春を待つ3月の様子。開花は例年4月上旬〜中旬ごろで、流れるように垂れ下がった枝にピンクの花が咲き誇る姿は、見事な美しさだそう。今年は開花時期を狙って、桜terraceでお花見カフェをしたい!

桜terrace

サクラテラス

住所/宮城県仙台市青葉区新坂町10-16
TEL/070-8969-0450
営業時間/11:30~16:00(L.O.15:30) ※ランチ〜14:00(L.O.)
定休日/日曜、祝日、不定期で火・金曜
Instagram/sakura_terrace


※表示価格はすべて税込みです。
※内容は一例です。時期によって変わります。
※このページの情報は2022年3月30日現在のものです。
※最新情報はInstagramを確認してください。
【ライター 池田直美】【撮影 山口 晃】

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