「これって、私だけ?」「人には相談しづらい…」。カラダの疑問や本音について、カフェのような空間でリラックスしながら語り合う〝カラダ本音カフェ“。今回は、東北大学医学部眼科学教室の阿部真以子先生にお越しいただき、充血や疲れ目、ドライアイなど「眼の健康」について考えました。
教えてくれたのは

東北大学医学部眼科学教室
JCHO仙台病院 眼科
阿部 真以子先生
参加者

(左から)根本かなえさん(30代)、渋谷真奈美さん(30代)、中野良美さん(40代)
よくありがちな目のトラブルとは?
・充血や疲れ目、目のかわきなど、日常生活で感じるちょっとした不調。「そのうち良くなるだろう」と放置することも多い。
・放置すると「眼精疲労」や「ドライアイ」につながることも。
・環境を見直す、目に良い成分を食事に取り入れる、目薬を活用するなど、日常のセルフケアで健康な瞳の状態を維持することができる。
視覚、聴覚、味覚など五感の中でも多くの人が「もっとも重要」と答えるのが、「視覚=目」の健康です。座談会の参加者も、充血や疲れ目、それに伴う頭痛、ドライアイなど、様々な目のお悩みがあるようです。今回の座談会では、そんな目のトラブルの症状や原因、セルフケアについて、阿部先生に教えていただきました。

ものが見える仕組みとは?
阿部先生:みなさん、目のお悩みはありますか?
渋谷さん:私は年々、目の疲れや充血、それに伴う頭痛が出てくるようになってしまい、好きなことに集中しづらい状態です。
根本さん:私はドライアイで悩んでいます。朝コンタクトレンズをつけると、日中には少し苦しくなってきます。また、霰粒腫(さんりゅうしゅ)※もあり、睡眠不足や生活習慣の乱れで悪化してしまうので、日常生活で気を付けることなどを学びたいです。
※まぶたの中にできた小さなしこり。細菌感染を伴わない無菌性の炎症のこと。
中野さん:私もコンタクトレンズのトラブルがあります。ソフトコンタクトレンズを使用していますが、目がかわいてしまい運転しづらいですね。また、仕事でパソコンを使う機会が多いので、どうしても疲れ目が気になります。
阿部先生:みなさん様々な目の悩みを抱えていらっしゃいますが、まずは目の構造から学んでいきましょう。眼球は目にうつる映像を脳に伝える役割をしています。カメラに例えると、角膜と水晶体はレンズの働き、水晶体の手前にある虹彩は光の量を調整するしぼりのような役割、そして眼球の一番奥にある網膜がフィルムの役割をしています。網膜にうつった映像は、視神経を通して脳に向かいます。
また、目の表面には涙があり、角膜や結膜に水分や栄養素を補給し、目を保護しています。このすべてが連動してこそ、快適にものを見ることができるのです。

実は多くの人が見落としている充血!
阿部先生:続いて、渋谷さんのお悩みにもありました、充血についてです。目が赤くなる状態には大きく3つあります。
目が赤くなる 3つの状態
●結膜充血…まぶたの裏側や白目部分が充血。目やに、涙を伴う。
●毛様充血…黒目周辺が網目状に赤くなる。まぶたの裏側まで充血しない。涙は出るが目やには出ない。
●結膜下出血…白目がべったりと赤く染まる。痛みやかゆみはない。
出典 公益財団法人日本眼科学会 WEBサイト
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/symptoms.html?catid=72
このなかでも今日の本題は「結膜充血」です。結膜充血とは、目の疲れや炎症など、様々な原因によって結膜の血管が拡張することで、目の端や白目周辺部が網目状に鮮やかな赤色になり、まぶたの裏も赤くなっている状態です。
それではここで、みなさんに考えていただきます。イメージ図1から4までありますが、どこからが充血していると思いますか?
どこからが充血?
2025年3月インターネット調査 n=400、20~50代女性(各世代n=100)
調査企画:千寿製薬(株)、協力調査会社:(株)ネオマーケティング、監修:佐藤香先生
渋谷さん・根本さん・中野さん:2!
阿部先生:皆さん優秀ですね!正解はその通り、イメージ図2から右が全て充血している状態になります。実は、佐藤香先生ご監修のもと千寿製薬が実施した調査では、イメージ図2を「充血だと思わない」と回答した人は68.3%でした。ではもう一つ質問です。ご自分の目はどのあたりに近いと思われますか?
渋谷さん:「2.5」くらいでしょうか。診断結果はいかがですか?
阿部先生:端の方に少し充血が少しあるので「2」ですね。
根本さん:私はこうであってほしいという願いも込めて「1」で。
阿部先生:さきほどドライアイで大変だと伺いましたが、「1」で大丈夫だと思います。
中野さん:私も「1」だと思うのですが…。
阿部先生:そうですね、クリアな「1」だと思います。このように、自分の瞳がイメージ図1から4のどれに近いか回答していただき、「自分の瞳はイメージ図2に近い」と答えた方の中でも、62.3%の方が「イメージ図2は充血していない」と認識していることも分かりました。実は多くの人が充血に気付いていないだけなのかもしれませんね。
また、この調査によると、充血のないクリアな瞳が「健康的な印象を与える」と感じる人が多いことも明らかになりました。イメージ図1のクリアな瞳を見た際には73.3%の人が「健康的」と感じる一方、軽度の充血を示すイメージ図2になると、その割合は59%も減少します。同時に、イメージ図1に対して「疲れている印象」と回答した人はわずか5.3%でしたが、中等度の充血を示すイメージ図3では、その割合は63.5%まで増加しました。
さらに、イメージ図1を仮に25歳の瞳とした場合、重度の充血を示すイメージ図4は、見た目年齢が平均38.9歳と評価され、イメージ図のクリアな瞳と比較すると約14歳も年齢差が生じることが明らかになったんです。
ここまでのまとめ
・充血のないクリアな瞳は、健康的で若々しい印象を与える重要な要素になりうる。
・ほんの少し自分の瞳に意識を向けると、仕事や対人関係でより良い印象を持ってもらいやすくなる可能性も!
日常のありふれた原因でも充血は起こる!
阿部先生:充血は花粉症などのアレルギーのほか、ウイルスや細菌に感染しても起こります。また、眼科で扱う疾患のほか、ゴミが入った、外の風が冷たい、まつげが当たったなどの刺激、スマホやパソコンなどによる目の酷使、乾燥など、日常のありふれた原因でも充血は起こります。
渋谷さん:全て当てはまる気がしますが、今の時期は乾燥が強い気がします。
根本さん:私も全て当てはまりますね。特に花粉症のシーズンはかゆみが強く、それだけで充血してきます。
中野さん:私はコンタクトレンズを付けたまま寝てしまうことがあります。

阿部先生:それもまた充血につながる刺激ですね。このように、眼科で治療が必要な疾患だけでなく、本当に身近な理由で充血は起こります。充血は頑張っている目からのサインとも言えるので、これからは見落とさないようにしたいですね。
目の悩みランキング1位は「目の疲れ」
阿部先生:充血する原因に目の酷使があったと思いますが、千寿製薬が15~69歳の男女を対象に目の悩みについてアンケート調査を行ったところ、1位は目の疲れでした。
一番多い目の悩み(15歳~69歳の男女)
2025年10月インターネット調査 n=44,500、15~69歳男女
調査企画:千寿製薬(株)、協力調査会社:クロス・マーケティング
目の疲れといっても、みなさんいろいろな症状があると思います。
疲れ目の具体的な症状
・ショボショボ
・夕方見えづらい
・頭痛、肩こり
・ピントが合いづらい
・まぶたがピクピク
みなさん、何の症状が一番辛いですか?
中野さん:私は夕方になると、頭痛、肩こりが出できます。仕事で一日中パソコンを見ているので、目の疲れからかもしれません。
根本さん:私はピントが合いづらい、まぶたがピクピク、頭痛の3つが連動して起こります。その時は「相当目を酷使しているんだな」と思い、仕事を切り上げるようにしていますね。
渋谷さん:私もピントが合いづらいのと、目がショボショボします。その時は、まばたきやマッサージをして紛らわせることが多いかもしれません。

阿部先生:では、疲れ目の原因とは何でしょうか?
例えば度数の合っていないメガネやコンタクトレンズを使って無理にピントを合わせようとすると目に負担がかかります。
長時間のスマホ、パソコン作業、暗いところや光がちらつくところでの作業など、作業環境も目の疲れの原因になります。
また、目の表面を保護する涙液層が不均一になると、光が不規則に入ることで見えづらくなります。これがドライアイの状態ですね。
そのほか、エアコンの風や睡眠不足、全身の不調、精神的にストレスによっても目の疲れの症状は出ます。みなさん思い当たるものばかりではないでしょうか。
疲れ目の原因
・度数の合っていないメガネやコンタクトレンズ
・スマホやパソコンなどの長時間使用(近くを見続ける)
・ドライアイ
・暗いところで作業する
・睡眠不足やストレス
・加齢
根本さん:ほとんど当てはまりますね。夜にパソコンを見るとき、やわらかいオレンジ色の明かりを使っていますが、それが暗さにつながり、疲れ目の原因になっているんでしょうか?
阿部先生:そうですね。パソコン作業はなるべく明るいところでした方が、目は疲れにくいと思います。
さきほど、目の悩みのランキングがありましたが、実は目の疲れ、視力の低下感、老眼、目のかわきは、どれもすべて別々の症状と原因ではありません。「目がかわいて光が不規則に入って見えづらくなる」「目が疲れてショボショボして見えづらくなる」のように、互いに関係し合った症状と言えます。
疲れ目の原因にもなる、目のかわきと涙の関係
阿部先生:では、目がかわくと疲れるというのはどういうことでしょうか。
目の表面には涙があります。涙はただ流すものと思われがちですが、ナトリウムなどのミネラル、免疫グロブリン、蒸発を防ぐムチンなど、油層と液層の2層構造で角膜を守るという重要な役割を担っています。
目と涙の関係
目の表面が涙で潤っている時は対象物がくっきりと見えますが、目の表面がかわいていると、黒目の上が凸凹になり、すりガラス越しにものを見ているような状態になり、結果として目に負担がかかってしまいます。もっとひどくなると、まばたきによる摩擦で角膜や結膜に傷がつくこともあり、見えづらさ、痛み、違和感など様々な症状につながります。
涙にはたくさんの役割があります。角膜には血管がないので、涙から酸素と栄養を得ています。外の刺激から目を守る、まばたきによる摩擦を抑えることも涙の役割。だから涙が不足すると目は疲れてしまうんですね。
みなさん、目がかわく症状は感じたことがあると思います。空気が乾燥していると目はかわきますし、スマホやパソコンの画面を長時間見ているとまばたきの回数が減ってしまい、涙が蒸発してかわいてきますよね。コンタクトレンズの長時間装着や寝不足、ストレスも目がかわく原因になりますが、みなさんいかがですか?
中野さん:目がかわいている自覚はあまりありませんでしたが、あくびをした時に涙が出るとピントが合っていたので、実は乾燥していたのかもしれませんね。
阿部先生:そうですね。日常のちょっとした目の疲れや目のかわきは、積み重なると眼精疲労やドライアイにつながるので、日頃からケアをして健康的な瞳を維持していきましょう。
クリアな瞳を目指すセルフケア
阿部先生:では、セルフケアについて考えていきましょう。まずはしっかりと目を休めることが大切です。例えば2、3時間に1回、5分から10分程度の休憩を取ること、遠くを見るようにして目の筋肉を緩めてあげること、スマホやパソコンの使用を控えるようにすること、十分な睡眠をとること。さらに、ドライアイの方はまぶたのまわりの脂腺のつまりをほどくと涙がスムーズに出ることがあるので、ホットアイマスクも活用してみてください。
ただし、スマホやパソコンの使用を控えるように言われても、みなさん仕事柄難しいですよね。そこで今回は、もっと日常生活に取り入れられるようなセルフケアを考えてみました。
環境を見直してみよう
POINT.1 遠くを見ることで、目の筋肉が緩みます。
POINT.2 乾燥対策には加湿器。
POINT.3 パソコンやスマホなどの作業は明るい場所で行いましょう。
POINT.4 ディスプレイとの距離を40cm、画面は水平よりやや下にすると、首が疲れにくく、目を開き過ぎないためドライアイになりにくいと言われています。
POINT.5 イスに深く腰掛けて、足の裏は全体を床につけて猫背に注意しましょう。
POINT.6 波長が中間で目に負担が少ない緑色を見ることで、リラックス効果が期待できます。
また、忙しい毎日の中で眼科を受診するのは難しいかもしれませんが、目の表面の状態確認や視力矯正だけでなく、眼底検査なども行い、あらゆる目の疾患を早期に見つけて予防することができるので、ぜひ定期検査を受けていただきたいと思います。
さらに、食生活からも目の健康をサポートすることができます。
目に良い成分を食事に取り入れてみよう
●DHA・EPA…イワシ、サバ、ブリ、マグロなど
●ルテイン…ほうれん草、ケール、ブロッコリー、小松菜、モロヘイヤなど
●アスタキサンチン…海老、鮭、カニ、いくら、鯛(皮部分)など
●ビタミンA…レバー、うなぎ、卵、バター、緑黄色野菜
●アントシアニン…ブルーベリー、カシス、ナス、紫キャベツなど
例えば青魚などに多いDHA・EPAは、網膜の組織を構成する栄養素で、血流を良くして目に栄養を運ぶと言われています。また、緑黄色野菜に多いルテインは、紫外線を吸収して目を守り、抗酸化作用により目の老化を引き起こす活性酸素を除去すると言われています。ほかにも、アスタキサンチンやビタミンA、アントシアニンやβカロテン、ビタミンB群などが目に良い成分として知られていますが、ご存じでしたか?
根本さん:目に良い食品というとブルーベリーの印象がありますが、青魚のDHAやEPAも目に良いんですね。今日の夕飯はサバとほうれん草のお浸し、ブルーベリーもあったら買って帰りたいと思います!

阿部先生:もうバッチリ、目に良い食事だと思います。毎日の食生活で補うことが難しいときは、サプリメントを活用することも方法の一つですね。
ここまで環境を整えて、食生活を見直してみましたが、最後は目薬の話です。目の疲れに対して、どういった成分が良いのでしょうか。
症状別 目薬のおすすめの成分
●目の疲れ
→ピント調節機能を改善
・ネオスチグミンメチル硫酸塩
・シアノコバラミン(ビタミンB12)
→新陳代謝と血行を促進
・パンテノール(プロビタミンB5)
・ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)
・ビタミンE(酢酸d-α-トコフェロール)
・タウリン(アミノエチルスルホン酸)
・L-アスパラギン酸カリウム
●目のかわき
・塩化ナトリウム
・塩化カリウム
・コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
・ヒアルロン酸ナトリウム
眼科に来ていただくと症状に合わせて処方できますが、ドラッグストアなどで目薬を選ぶときにも参考にしてみてくださいね。
また、目薬を使うときは、用法・用量と使用期限を守り、しばらく使ってみても症状が改善しない場合は眼科を受診してください。みなさん、目薬に関して気になることはありますか?
根本さん:目薬を使ったあと、ついそのまま置いておきがちですが、常温に置いておいていいのでしょうか?また、どのくらいで使い切ったらいいのでしょうか?
阿部先生:基本的には直射日光と高温多湿を避けて涼しい場所で保管してください。冷蔵庫に保存した方が良いものは、そういった記載があるのでそれに従ってくださいね。使用期限については、1度開封したら1カ月から2カ月くらいで新しいものに取り換えていただきたいと思います。
その他にもよくある疑問にお答えします。
「目薬はいつさしたらいいの?」については、朝昼晩と寝る前の4回使用が多いですが、ドライアイの人工涙液などは症状を感じたタイミングで4回以上さしても問題ありません。
「いつまで続けたらいいの?」については、1回さして症状が改善しないからやめてしまうのではなく、しばらく続けて様子を見てください。
「一回でうまくはいらない」については、目薬は1滴で十分なので、点眼瓶を清潔に保つためにも、目薬の先端は目に触れないようにさしてください。
目の疲れや目のかわきを感じても、目薬を使うべきなのか、眼科を受診した方が良いのか
迷うことがあるかもしれません。その時は、鏡で自分の瞳を見て、充血しているかどうかが一つの判断材料になります。
渋谷さん:今日は先生のお話を聞いて、目のトラブルに対する不安がすごく軽くなりました。正しい知識があるだけで、こんなにも前向きになれるんですね。
根本さん:目のことをあまり意識していなかったな…と思いました。今後は鏡で自分の瞳の状態を確認して、今日学んだセルフケアもさっそく取り入れていこうと思います。
中野さん:意外と私、目に良い食べ物食べていたようなので、これからも続けていきたいですね。あとは鏡を見て瞳をしっかりチェックします!
阿部先生:人生100年時代、医学と医療技術の進歩により平均寿命はのびていますが、それに対して目の平均寿命は65歳から70歳と言われています。健康についての情報が多すぎたり、健康に意識を向けるのはハードルが高い気がしたりすると思いますが、それでもより長く自分らしく生きていくために、日頃から自分をいたわって健康な瞳を維持していきましょう!

座談会を終えて
参加者の話からは、充血や疲れ目、目のかわきといった不調を感じながらも、多忙な日常の中でつい後回しにしてしまっている現状が見て取れました。充血は「頑張っている目からのサイン」です。特別なことではなく、鏡で自分の瞳をチェックする。その小さな意識を持つことが、クリアな瞳への第一歩となります。いつまでも自分らしく快適にものを見続けるために、今日から自分の瞳に意識を向け、セルフケアを始めましょう!
大人女子の取扱POINT
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※このページの情報は2026年3月30日現在のものです。
【仙臺いろは編集部】



