ナイスビューも、ヘルシーも! 空と街と海の大パノラマを前に、健康オタク店主のスパイス味噌汁に浸る 宮城のカフェ&スイーツ*70話『Caffe海松風』

●本日のカフェ&スイーツ
『Caffe海松風(カフェミルカゼ)』
エリア:仙台市青葉区、国見、東北福祉大前、北山
ジャンル:味噌汁カフェ、一軒家カフェ、ヘルシーカフェ
テイクアウトメニュー:あり

JR仙山線の東北福祉大前駅から歩いて12分ほど。東北福祉大学を越えて、住宅街の坂道を上にぐいぐい進んでいくと、「Caffe海松風(カフェミルカゼ)」があります。目印は、松の木がある一軒家。中の階段を上った2階がカフェスペースになっています。

「さんざん坂道を上ってきていただいたのに、着いてからも階段を上らせてしまって、すみません」と、オーナーのKotomiさんは申し訳なさそうに話しますが、なんのそれしき! このロケーションだからこその眺望に迎えられて、店内に着いた瞬間は感動しかありませんでした。

住宅街の高台にあり、大きな窓からとっておきのパノラマビューが楽しめるCaffe海松風。その見晴らしのよさは、仙台市中心部から仙台港まで一望できるほど! 海と街が同時に見られる、なかなかないロケーションです。

眼下には手入れの行き届いた日本庭園があり、風情も感じます。築56年の民家をリノベーションした店内は、まるで親戚の家へ遊びに来たような雰囲気。

壁には、リラックス効果をもたらすファイテン製の壁紙を使用するなど、最先端のアプローチも。そんな眺望とともに癒やされる空間で味わえるのは、カラダ思いのメニュー。

オーナーのKotomiさんは、宮城県農業大学校で農業を学んだ後、東京で食品メーカーの研究員として、アレルギー対応の非常食や特定保健用食品(トクホ)、医療栄養食などの研究に従事。その後、砂糖不使用のヘルシースイーツ専門店でマネージャーを務めるなど、健康食のエキスパートなんです。2019年に仙台へリターン。これまでの経験を活かして、故郷の人たちの健康づくりをお手伝いしたいと、2021年3月12日にCaffe海松風をオープン。「全国ワーストクラスである宮城県のメタボ率を下げたい!」と目論みます。

実はKotomiさん、幼い頃から食品添加物が入ったものを食べたり飲んだりすると、体調や気分が悪くなってしまうという悩みを抱えていました。「自分と同じ思いをしている人がいるはず。そうじゃない人にも、健康的な食事を考えるきっかけになれば」と、食品添加物はできるだけ使わず、地元産の新鮮な野菜をたっぷり使ったカラダにやさしいメニューを提供しています。

食品添加物のかわりに、スパイスという選択肢。おいしく元気にしてくれるスパイスの魔法に魅了されたKotomiさんが、研究の末に開発したのが看板メニューの「スパイス味噌汁」です。スパイスといえばカレーですが、日本ではインド人のカレーに匹敵するソウルフード、味噌汁。飲むだけで栄養をチャージできる、味噌汁の手軽さにも目をつけました。


◆50 種類のスパイス味噌汁 600円
20種以上の野菜+30種以上のスパイスが入った味噌汁。ダシは野菜と鶏ガラ、鰹節からとり、味噌は仙台味噌をベースに東北の味噌を3種類ブレンドしています。味噌汁特有のほっと落ち着く味わいはそのままに、スパイスの風味が広がる奥深い一杯。野菜自体はダシとしてとけ込んでいるため目には見えず、具もほとんど入れていません。それは、野菜が嫌いな人や子どもにも楽しんでもらいたいから。目に見える具は最小限。でも栄養価は最大限! テイクアウトもできるから、忙しいときや食欲がないときにも助かります。テイクアウトはLサイズ500円、Mサイズ400円。

野菜は近所の農家さんや直売所から旬のものを仕入れているため、日によってメンバーが変わります。取材したのは8月の猛暑日。リコピンが豊富で、夏バテや日焼け肌のケアにおすすめだというミニトマトをはじめ、アスパラガスやズッキーニなどの旬野菜がふんだんに使われていました。スパイスには、消化を助けるコリアンダーや疲労をやわらげるシソなど。野菜に合わせてスパイスの調合も毎日変えているから、訪れるたびに味が違うのも楽しみの一つ。


◆スパイス味噌汁とわっぱ弁当 1,100円
スパイス味噌汁が付いた人気のランチ。「大人になると、お弁当をつくってもらう機会ってあまりないですよね。懐かしさも楽しんでもらいたくて」と、お弁当箱スタイルに。内容は日替わりで、季節の野菜料理を中心に煮物や焼き魚など、お母さんの味を思い出させるやさしい味わいのおかずがぎっしり。

スイーツやドリンクはなるべく砂糖を控え、自家製あずき、甘酒などでやさしい甘さを加味。


◆天草クリームあんみつ 800円
テングサのみでつくられた福島産の寒天、食品添加物控えめのアイスクリーム、金時豆がゴロゴロ入った自家製あずきで、ひんやりスイーツタイム。上には甘いミニトマトがちょこんと乗っているのが海松風流です。


◆甘酒あずきシェイク 500円
「飲む点滴」と呼ばれ、夏バテ防止や疲労回復にもおすすめの甘酒。Caffe海松風では、秋田でつくられた米麹100%の甘酒をシェイクで提供。中に入った自家製あずきと混ぜながらゴクゴク。写真はMサイズで、Sサイズ400円もあり。

空と街と海の大パノラマを前に、視界や胸がふわっと開ける感覚。野菜とスパイスのパワー、つくり手の愛情がたっぷりとけ込んだスパイス味噌汁は、あったかくて、やさしくて。閉塞的な日々の中で滞っていたものが、じんわりとほぐれていくよう。

遠くに行けないぶん、近場で雰囲気のいい店に行ってみる。健康的な食事を毎日つくるのは難しいから、カラダによさそうなメニューがあったら頼んでみる。カフェって、気軽に非日常を味わったり、自分の不足を補ったりできる便利な場所だなと、Caffe海松風を訪れて改めて思いました。何かと不自由な今だからこそ、大好きなカフェ時間をうまく利用して、心とカラダをごきげんにしてあげたいものです。そろそろ夏の疲れが出てくる頃。これからの寒い時期に向けても、Caffe海松風のスパイス味噌汁が頼りになりそう!

“朝イベント&夜カフェ”見つけました

8月から木・金曜限定で夜の営業がスタート。ドラマチックな夜景を見ながら、自家製スパイスカレーなどの料理が楽しめます。第1・3日曜は、開店前の静かな店内でレイキヒーラーのスタッフによる朝の瞑想タイムを実施。9:30〜ワンドリンク付き3,000円(予約不要、3名以上は連絡を)。時間帯によって変わる窓からの景色を楽しみつつ、朝も夜も心地いい海松風を感じてみて。

※取材時(2021年8月2日)の情報です。営業時間は変更になる場合があります。来店前に確認を。

Caffe海松風

カフェミルカゼ

住所/仙台市青葉区国見1-11-24
TEL/022-220-2402
営業時間/月土11:00~17:00(L.O.16:00)
木金11:00〜17:00(L.O.16:00)、18:00〜20:30(L.O.20:00)
日11:00〜15:00(L.O.14:00)
定休日/火、水曜
Instagram/caffe_mirukaze


※2021年9月12日(日)まで臨時休業。
※表示価格はすべて税込みです。
※内容は一例です。時期によって変わります。
※このページの情報は2021年8月30日現在のものです。
※最新情報はInstagramを確認してください。

【ライター 池田直美】【撮影 門山夏子】

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