仙台パン図鑑 vol.78 「SUN BAKERY」~パン好きが待っていた!港町・塩竃の新しいベーカリー~

仙台をはじめ県内のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第78回は、塩竃神社近く、利府へと抜ける道沿いにオープンした「SUN BAKERY(サン ベーカリー)」へ。ハード系から総菜パン、デニッシュまでパンのラインナップは豊富!早くもご近所さんに愛されるパン屋さんの予感です。

マルシェのような空間で、楽しくパン選び。

2025年7月8日、塩竃にハード系を得意とする待望のパン屋さん「SUN BAKERY」がオープンしました。目印は、港町の風景に映えるエメラルドグリーンの看板です。店内はどこかラフで自由な雰囲気。ガレージのような無骨さもありながら、海辺に佇むカフェのようなおおらかさも感じられる空間です。パンが並ぶカウンターは、まるでマルシェの一コマ。奥の工房から運ばれてくる焼き立てのパンが、並んだそばからあっという間に売り切れます!

生地の仕込みから焼成までを一手に担うのは、10年以上仙台市内のパン屋さんで研鑽を積んだ店主。接客を担当するお姉さんと、二人三脚で店を切り盛りしています。国産やカナダ産の小麦と、自家製のルヴァン酵母で焼き上げるパンは常時25種類ほど。「いろいろな世代の方が日常的にパンを楽しめるように」と、ハード系はもちろん、総菜パンや甘い系もバランスよく取り揃えています。手頃なサイズと価格なので、「いろいろ食べたい!」が叶うのがうれしいところ。次々と訪れるお客さんも、あれこれ迷いながらたくさんのパンを手にお店を後にします。

「SUN BAKERY」おすすめパンカタログ

カナダ産の小麦粉を使い、クロワッサンらしいパリパリ感を追求したSUN BAKERYの「クロワッサン」(250円)。生地に折り込んだバターの風味はしっかりと感じられつつ、でも重たすぎない―。その絶妙なバランスが魅力です。ひと口頬張れば、バター感とパリパリとした歯切れの良さに心奪われるはず。

「キタノカオリ」(300円)はその名の通り、国産小麦のキタノカオリを使用した一品。ルヴァン酵母と少量のイースト、水、塩のみでつくるシンプルなパンは、外側はパリッと香ばしく、中はしっとりとしたロデヴのような味わい。そのままはもちろん、サンドイッチにするのもおすすめです。

たっぷりのバターを巻き込んだ「しおぱん」(150円)は、もっちりとした食感と素朴な味わいが人気。リベイクすれば中のバターがジュワッとあふれて、さらに風味豊かに!仕上げに散らした塩竃の藻塩が、シンプルな味わいに奥行きを添えています。

甘い系の人気は「アールグレイとホワイトチョコ」(300円)。もちもちの食パン生地に、鼻を抜けるアールグレイの香りとホワイトチョコのやさしい甘み。ほんのりミルクティーのような味わいがクセになると評判で、なんと毎日買いに来るお客さんもいるそうです。

オープン後もパンが次々と焼き上がるので、「SUN BAKERY」の店内はいつも焼き立ての香りでいっぱい。イートインスペースもあるので、ご近所さんの憩いの場にもなっているのだとか。仙台のカフェ「Bal Musette」の豆を使ったコーヒーと一緒に、店内で焼き立てパンをいただくのもおすすめです。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。

●ロデヴ
南フランスにあるロデヴという小さな街が起源と言われるハード系のパン。高加水のパンは、外はパリッと香ばしく、中は気泡が大きくしっとりとした食感が楽しめます。「SUN BAKERY」の「キタノカオリ」は、このロデヴのような味わい。シンプルな分、粉の旨みが引き立ちます。

SUN BAKERY

住所/塩竃市泉沢町1-6
電話番号/090-9286-6292
営業時間/10:00~17:00 ※売り切れ次第終了
定休日/日・月曜 ※臨時休業あり
instagram/@sunbakery2025

※このページの情報は2025年11月6日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】

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佐々木綾

宮城県仙台市出身。仙台市内の出版社勤務を経て、2007年よりフリーランスのライター・エディターとして活動をスタート。雑誌・フリーペーパー・WEBマガジン等の取材・ライティング・編集を担当。

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