仙台をはじめ県内のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第75回は、美里町のベーカリーカフェ「パン工房 ラプラタ」へ。季節の移ろいを感じられる素敵なカフェスペースも魅力的な一軒。季節限定の商品が多いので、いつ訪れてもお楽しみがいっぱいです。

早朝6時からパンが並ぶ、サマータイム営業中のパン屋さん
小牛田農林高校や小牛田山神社のほど近く。夏のあいだ、サマータイムを導入している「ラプラタ」の朝は、空が白む前からはじまります。店を切り盛りする渡辺さん親子は夜中のうちに工房へ。開店の6時には、ログハウスの店に焼きたてのパンがずらりと並びます。小麦や野菜に果物など、地域にたくさんあるおいしいものを、日々の食卓に届けたいとの想いから店を開いて11年。その評判は少しずつ広がり、ご近所さんはもちろん、遠方から訪れる常連さんや、子どもの送迎途中に立ち寄る方も。取材の間もにぎやかな朝が続いていました。

ショーケースに並ぶのは、町内産の小麦「夏黄金」を中心に、地元の農家から届く野菜や旬の果物を使った保存料不使用のパン。食パンやバゲットなどの定番に加え、旬の野菜たっぷりのピザや自家製ジャムを使ったパンなど、季節を感じる商品がそろいます。冷蔵ケースには具だくさんのサンドイッチや旬の果物を使ったパンナコッタも。さらに店内のプチマルシェには農家直送の採れたて野菜が並び、この日はちょうど、自家製トマトソースにも使われている真っ赤な食べごろトマトが届いたところでした。パンにスイーツに食材も。店のあちこちに、選ぶ楽しさがあふれているパン屋さんです。

「ラプラタ」おすすめパンカタログ
「あまなつの食パン」(880円、ハーフ450円)は、牛乳とバターをたっぷり使った「リッチ食パン」に、自家製の甘夏マーマレードジャムを練り込んだ一品。しっとりもっちりとしたほんのり甘みのある食パンに、甘夏のほろ苦さがアクセントになった季節限定の味わいです。

常時3種類ほど並ぶ町内産「夏黄金」100%のピザ。なかでも今の季節におすすめなのが「トマトとモッツァレラチーズのピザ」(400円)です。もっちりとしたピザ生地と、フレッシュな自家製トマトソースが相性抜群。自家栽培の香り高いバジルも添えた、爽やかな夏のピザです。

フランスパンに、国産豚ひき肉とモッツァレラチーズ、自家製トマトソースをたっぷりはさんだボリューミーな「メキシカンドッグ」(550円)。低温熟成のフランスパンは、外はバリッと中はしっとりとして食べごたえあり!ジューシーな豚肉と、トマトの旨みが凝縮したソースの味わいが食欲をそそります。注文を受けてからつくるので、できたてアツアツをガブリとどうぞ!

冷蔵ケースに並ぶ、「コッペパン」の「メンチカツ」(280円)と「ちくわ焼きそば」(250円)や、「ナッツ入りハードパン あんこバター」(280円)は、お手頃サイズながら具だくさん!歯切れの良いコッペパンには、メンチカツや焼きそばなどおかずをサンド。アーモンドやカシューナッツのザクザク感がアクセントのハードパンには、あんこバターをはさんでいます。

実は、店の奥にもうひとつ素敵な空間がある「ラプラタ」。小牛田農林高校のグラウンドを望むカフェスペースでは、購入したパンとともに、ハンドドリップのコーヒーやジュース、スムージーなどがいただけます。8月末まではサマータイム営業予定なので、早起きしたらぜひ「ラプラタ」へ!

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●リッチ
パンの紹介でよく使われる「リッチ」という言葉。リッチなパンとは、パンの基本材料である小麦粉や酵母、塩、水のほかに、砂糖や卵、バター、牛乳などが使われているパンのことです。「ラプラタ」の「あまなつの食パン」のベースとなっている「リッチ食パン」はバターたっぷり。さらに水ではなく牛乳で練り上げているので、まさに“リッチ”な味わいです。
パン工房 ラプラタ

住所/遠田郡美里町牛飼清水江104
電話番号/0229-33-3688
営業時間/10:00~16:00 ※夏季は6:00~10:00のサマータイム営業
営業日/土・日・月曜
instagram/@laplata.bakery
※このページの情報は2025年6月30日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】