仙台をはじめ県内のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第80回は、2025年8月にオープンした「BAKERY & BAKE End Roll(エンドロール)」へ。店主の想いが詰まったパンと、まるで海外のおしゃれなアパートのような空間が、訪れる人の日常を優しく彩ります。

◎映画のワンシーンのような空間で、焼き立てのパンの香りに包まれる
仙台市青葉区中山。坂道に沿って続いていく商店街ののぼり口に、「End Roll」はオープンしました。控えめな看板の上に小さな明かりが灯る、街の風景にそっと溶け込むような佇まいの一軒です。店名は、映画の最後に流れるエンドロールから。坂を行き交う人々の「暮らし」という物語にそっと寄り添い、幸せな余韻を届けたい―。そんな店主の温かな想いが、一つひとつのパンに込められています。

扉を開ければ、そこはまるで洋画に出てくるアパートの一室を思わせる空間。クラシカルな壁紙が目を引き、窓辺では白いカーテンが軽やかに揺れています。L字のカウンターに並ぶのは約20種のパン。これらをたった一人で手掛けるのは、仙台市内のパン屋で研鑽を積んだ店主です。2、3組も入ればいっぱいになってしまう小さな店内には、焼き立ての幸せなパンの香りが充満。店主が愛する甘い系のパンが充実していますが、10時半頃にはハード系や食パンも焼き上がり、一日で最も賑やかなラインナップに出合うことができます。

◎「End Roll」おすすめパンカタログ
「てんさいクリームパン」(250円)は、マドレーヌ型で焼き上げた貝殻の形が目を引く不動の一番人気。しっとりとしたパン生地の中には、蔵王地養卵とバニラビーンズを贅沢に使った濃厚なカスタードクリームが詰まっています。甘みには甜菜糖を使用。コクがありながらも、すっきりとした上品な後味が人気の秘密です。

小麦の風味をダイレクトに感じられるよう、灰分の高い粉を使用した「クロワッサン」(290円)。折り込み回数を抑えることで、外はバリッと力強く、中はフワッとした食感のコントラストを生み出しています。国産バターの芳醇な香りが広がる、お土産としても喜ばれる一品です。

リピーターが多い「バゲット」(350円)は、独自の挽砕方法による小麦粉をブレンドし、低温で長時間じっくりと発酵。噛みしめるほどに小麦の旨みが凝縮された、奥行きのある味わいが魅力です。皮の香ばしさと内側の瑞々しい食感のバランスが絶妙で、毎日の食卓にぴったりな一本です。

ひと口目のザクザクとした歯ごたえがクセになる、満足感たっぷりの「スコーン」(330円)。灰分の高い小麦粉を配合することで、まるで全粒粉のように豊かな香ばしさが広がります。ほんのりと甜菜糖の甘みを感じられるスコーンは、そのままはもちろん、クロテッドクリームとジャムを添えて楽しむのもおすすめです。

オープン以来、ご近所さんはもちろん、共有駐車場があるためSNSを見て遠方から訪れるファンも多いという「End Roll」。ゆくゆくは、焼き菓子などのラインナップも充実していく予定です。目指すのは、訪れる人々にとってなくてはならない、末永く愛される馴染みの一軒。今日も店内には焼きたてのパンの香りが立ち込め、穏やかな時間が流れています。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●灰分(かいぶん)
小麦粉に含まれるミネラル分のこと。小麦の表皮や胚芽に多く含まれています。一般的に、灰分が多いほど精製度が低く、風味や色が濃い小麦粉になります。「End Roll」のクロワッサンやスコーンなどの食感と豊かな風味は、この灰分の高い小麦粉を贅沢に使用しているからこそ生まれるものなのです。
BAKERY & BAKE End Roll

住所/仙台市青葉区中山1-11-5
電話番号/022-342-8308
営業時間/9:00~17:00 ※売り切れ次第終了
定休日/不定休
instagram/@end_roll2025
※このページの情報は2026年1月29日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】



