仙台をはじめ県内のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第82回は、青葉区錦町の「木香テラス」内にある「UCHI NO PAN(ウチノパン)」へ。「みんなで同じパンを一緒に食べたい!」というささやかな願いを叶える、やさしさあふれるパン屋さんです。

◎何度も試作を重ねて辿り着いた、みんなにとって美味しいパン
細長い通路に沿って雑貨店やカフェが軒を連ねる「木香テラス」。その中ほどに店を構える「UCHI NO PAN」には小さなキッズスペースが用意されており、「小さな子ども連れでも気兼ねなくどうぞ」というあたたかいまなざしが感じられる、やさしい時間が流れています。店主にとって、パン屋さんは小学生の頃に抱いた夢。大人になり趣味で始めたパンづくりが評判を呼んだことから、家族に背中を押されてシェアキッチンやマルシェ出店から活動をスタートさせました。そして2025年11月、かつての夢を叶える形で、念願の実店舗をオープンさせたのです。

「UCHI NO PAN」に並ぶのは、卵や乳製品、ナッツを一切使わないパンです。その分、植物由来の素材でコクや甘みを補うなど、理想の味わいを求めて何度も試作を重ねてきました。北海道産小麦の「キタノカオリ」や「春よ恋」をパンの種類によって使い分け、低温熟成させる生地は、小麦本来の旨みと甘みに満ちています。アレルギーに意識を向けた上で、パンそのものの豊かな味わいを求める背景には、マルシェ出店時に出会った親子の姿がありました。アレルギー対応のパンを手に取り、「これなら食べられるね!」と見せてくれたはじけるような笑顔が、今も店主の心を動かし続けています。

◎「UCHI NO PAN」おすすめパンカタログ
店のきほんの「き」となる「ソフトフランス」(180円)は、北海道産の「キタノカオリ」を100%使用したテーブルロール。高加水で仕上げることで、誰もが食べやすい食感を追求しています。そのまま味わうのはもちろん、好みの具材を挟んでサンドイッチにするのもおすすめです。

北海道産の「春よ恋」を使用した、甘みのあるフォカッチャ生地が自慢の「自家製ソースのマリナーラ」(320円)。自家製トマトソースとのシンプルな組み合わせだからこそ、生地の美味しさが際立ちます。ひと口頬張るごとに、口の中にジュワッと広がるトマトの旨みがクセになる一品です。

もっちりとしたライ麦入りの生地が堪能できる「バレンシアオレンジと木の実」(390円)。なかには厳選したバレンシアオレンジピールのほか、オーガニックレーズンやデーツもたっぷり! ドライフルーツの濃厚な甘みに負けないバレンシアオレンジの爽やかな香りが、噛みしめるたびに心地良く鼻を抜けていきます。

子どもたちに大人気のにっこりシリーズ。「にっこりメロンパン」(340円)も、もちろん卵やバターを使っていないというから驚きです。ふわふわの生地の上にのせたクッキー生地は、すぐに食べるとサクサク、2日目はしっとり。食べるタイミングによって食感の違いが楽しめるのもおもしろいところです。

みんなで一緒に同じパンを囲み、美味しい笑顔を分け合えるように―。そんな工夫が詰まった「UCHI NO PAN」では、週末限定でにっこりシリーズの「ショコラパン」や「フレンチトースト」もお目見えします。レジ横には、カーテン生地を活用した「ひつじやさん」コラボの素敵なパン袋(500円)が並び、持参するとパン1点が10%OFFになる嬉しいサービスも!お気に入りの袋を片手にパンを選ぶ時間もまた格別。アレルギーがある人もない人も楽しく選べて美味しく味わえるパンが、いつもの食卓にそっと寄り添ってくれるはずです。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●春よ恋
北海道産の小麦の一種。パンに使うことで、小麦本来の甘みと、ふっくらと吸い付くようなやわらかさを引き出せるのが特徴です。「UCHI NO PAN」では、パンの種類に合わせて「キタノカオリ」と「春よ恋」を使い分け。一部、ライ麦や全粒粉を含むパンを除き、ブレンドすることなく100%使うことでその特性を最大限に活かしています。
UCHI NO PAN

住所/仙台市青葉区錦町1-13-7長刀丁アネックス
営業時間/10:00~17:00
定休日/月・火曜、ほか不定休あり
instagram/@uchi_nopan
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※このページの情報は2026年5月29日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】



