世界中のチーズであふれた異国カフェ ≪今週のカフェ＆スイーツ＊36話『WORLD BAKED CHEESECAKE』≫

“チーズ味”のチーズケーキ、あります。
そんな謳い文句に誘われて、今回訪れたのは富沢ウエストニュータウン。開発の進む新しい街の一角に『WORLD BAKED CHEESECAKE（ワールドベイクドチーズケーキ）』はあります。

席に着くとまず渡されるのが、テーブル番号の書かれたアンティークなルームキー。脇に置かれたトランクに荷物をしまい込むと、まるで旅の途中で外国の古いホテルにチェックインしたような気分に。テーブルの上に置かれたアラベスク模様の箱を開ければいくつものメニューカード。取り出して、さぁオーダーを思案！

まずは看板メニューの「イタリア産パルミジャーノのチーズケーキプレート」（￥600）をオーダー。チーズの王様とも評されるパルミジャーノ・レッジャーノチーズの味を主役にしたケーキとのことですが、どのへんが“チーズ味”のチーズケーキなのか…？その答えはひと口食べれば氷解！
材料に余計なものを加えていないので、パルミジャーノ・レッジャーノ特有の凝縮された旨みがケーキ全体にぎっしりみっちり。さらに上から削りたてのパルミジャーノ・レッジャーノチーズをふりかけ、Wチーズのまろやかさを醸し出しています。そんなチーズそのものなケーキに、少しだけふりかけたお砂糖とまわりに添えたオリーブオイルとピスタチオが合う！！

そもそもチーズは苦手だったというオーナーの渡沢さんですが、ナチュラルチーズの美味しさを知って以来チーズの魅力に開眼。世界にチーズは約5000種類もあると知り、ご夫婦でチーズを巡る旅に出掛けます。これまで周った国はノルウェー、デンマーク、マルタ共和国、イタリア、フランス、ベルギー、アイルランドの７か国。日持ちの関係でその島でしか食べられないというチーズを求め、マルタ共和国のゴゾ島という島に向かったことも。レンタカーを借りフェリーに乗って現地にたどり着いた渡沢さんご夫婦。遠い日本から来たそんな２人を、昔ながらの製法でチーズを作り続けるゴゾ島の職人さんたちはあたたかく歓待してくれたそうです。

「ヨーロッパのチーズ屋さんって、日本で言えば町のお豆腐屋さんみたいなもの。あって当たり前だし、その町の若い人にとってはちょっとダサいみたいなイメージもあるみたいなんです(笑)。だからチーズを食べに日本からやって来たというとみんなすごく喜んで、どの国でも優しくしてもらった思い出ばかり。日本人がこんなにチーズをもてはやすのがいまひとつピンと来てない感じもありつつ(笑)」と、その時の思い出を話してくれました。

そんなふうに味わい続けた各国のチーズをケーキで提供したいと、７年前に手づくりチーズケーキテイクアウト専門店としてはじまった『WORLD BAKED CHEESECAKE』。去年11月11日（チーズの日！）に、場所を変えてカフェ兼テイクアウト店としてリニューアルオープンしました。

カフェではケーキのほか、おなかにたまるピザも提供。なかでも、旅して見つけた７か国のチーズを使った「７つの都のチーズピザ」がおすすめ。チーズの風味をこころゆくまで味わってほしいから、ピザソースはいっさい使わずベースはチーズのみという徹底ぶり！

７つのピザの中でも、こちらの「【エミリオ・ロマーナ】グラナ・パダーノと生ハムのピザ」（￥1,000）は、北イタリアのパルマ産生ハムをたっぷりのせた一品です。生ハムの塩気と相性抜群のグラナ・パダーノチーズ。一切れはそのやわらかな旨みを堪能すべく、そのままシンプルに。ふた切れ目からは特製オリーブオイルをつけて召し上がれ。唐辛子入りのピリリと辛いオイルと、ローズマリーが入った華やかな香りのオイルで、二重三重にも楽しめます。

さらに！お帰りの際にはテイクアウト専用の小さなチーズケーキをお持ち帰りしましょう。日本も含めて世界10種類のチーズでつくられた小さな丸いカップチーズケーキは、それぞれ￥200。耳慣れないチーズも多く、乳清を煮詰めて作った塩キャラメルのような口当たりのノルウェーチーズ「スキクィーン」、煮詰めた黒ビールにチェダーチーズを混ぜ込んだアイルランドの「アイリッシュ・ポーター」などなど。世界のチーズってこんなにいろいろあるの！？という驚きが、この小さなカップの中に詰め込まれています。

“女子高生焙煎士のコーヒー”見つけました

カフェでは渡沢さんご夫妻の娘さん莉杏さんが自家焙煎したコーヒーをいただけます。海外の有名コーヒー店にも足を運び、中学生の頃から磨き続けた焙煎の腕前は大人も顔負け。「RIAN ROASTER」というブランドをつくり、東京のコーヒーフェスティバルにも参加。とても中学生が焙煎したとは思えない、純喫茶のような渋い味わいのコーヒーでした！この春からめでたく高校生に♥