仙台パン図鑑 vol.1「A DEMAIN」公園へと続く道沿いに佇むベーカリーカフェ

仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく新企画「仙台パン図鑑」。1回目は七北田公園の入り口、青い壁が目印の「A DEMAIN(アドゥマン)」におじゃましました。取材当日は雨だったにも関わらず、朝から客足は絶えることなく…。さすが人気店でした!


1日に並ぶパンは60種類!?

仙台市内のベーカリーで働いていたオーナー夫妻が独立して開いた「アドゥマン」は、オープン6年目。公園の近くにあり、散歩の途中に誰もが気軽に立ち寄れる、フランスのパン屋さんのようなお店を思い描いていたおふたり。七北田公園へと続く道沿いのこの場所は、イメージにぴったりだったそうです。


8時のオープンを前に、ぞくぞくと焼きあがってくるパン。朝は1日のエネルギーになるように、甘めのデニッシュやあんぱんを中心に用意。その後サンドイッチがショーケースに並び、昼前にはバゲットや食パンも焼きあがります。午後はおやつ用のマフィンや、翌日の朝ごはんになるようなパンも充実。約60種のパンが、朝・昼・夕方と少しずつラインナップを変えながら並んでいきます。


【パンの焼き上がり目安時間】

食パン…11:00前後
 ※スライスを希望する場合は冷めてからの方がいいので13:00前後がベスト
バゲット…11:00前後

「アドゥマン」のおすすめパンカタログ

お店のおすすめは朝から店頭に並ぶデニッシュ。生地にはカルピスをつくる過程で生まれるカルピスバターを使用。一口頬張るごとに、濃厚でいてスッキリとした飽きのこないバターの風味が広がります。このデニッシュ生地に春はイチゴ、夏はマンゴーやシャインマスカットといった具合に、旬のフルーツを合わせるのが「アドゥマン」流。10~12月は「モンブランデニッシュ」(380円)が登場します。カスタードクリームと生クリーム、マロンクリームの3層仕立てのクリームの中には、刻んだマロングラッセがたっぷり!ラム酒がきいた、ちょっぴり大人味の季節限定デニッシュです。

季節限定のお楽しみパンをもう一つ。毎年暑くなる6月前には一度店頭から姿を消し、10~11月頃再登場するのが「ヴィエノワ・ピスターシュ」(230円)です。歯切れのよい、少し無骨な印象のヴィエノワ生地に、バタークリームとピスタチオペーストを合わせたクリームをサンド。ピスタチオの風味をしっかりと感じられるお菓子パンです。

続いては「シナモンロール」(230円)をピックアップ。やや小ぶりなのが、最後までおいしくいただける秘密。やわらかく甘みの強いブリオッシュ生地と、シナモンのしっかりとした風味がよく合います。仕上げにかけたアイシングで、よりリッチな味わいに。

デニッシュが自慢の「アドゥマン」ですが、サンドイッチへのこだわりもあなどるなかれ。なかでも「スモークサーモンとクリームチーズのサンド」(480円)は、食感を大切にしたという逸品。具材こそベーシックなものの、外はカリカリ、中はもっちりとしたダッチロールとの相性は抜群!食べごたえのあるサンドイッチですが、ペロリといけちゃいます。

取材当日は雨模様で残念ながらテラス席はクローズしていましたが、「アドゥマン」はイートインも人気のお店。店内にはテーブル席とカウンター席があるので、特に寒い日や雨の日は、午前中からゆっくり過ごすお客さんが多いそうです(この日もほぼ満席!)。朝のランニング途中にフラッと立ち寄ってみたり、公園に行く前にサンドイッチを調達したり、明日食べるパンを買いにきたはずが、つい店内でまったりしてしまったり―。そんないろいろなシーンに寄り添うまちのパン屋さん。毎週金曜日には全粒粉100%の「パン・コンプレ」が登場したり、職人さんの遊び心で「こんなの作ってみたんだけど、どう?」と当日限りのパンが並ぶこともあるのでお楽しみに。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないようなパンの専門用語をざっくり解説します。

●バゲット
バゲットとはフランスパンの一種。フランスパンは基本的に小麦粉、塩、パン酵母、水で作ったハード系のパンの総称です。ほかにもパリジャンやバタールなどフランスパンの種類はいろいろありますが、その違いは“長さ”だそうです。ちなみに「アドゥマン」のバゲットは、加水率が高くモチモチのロデヴ生地。家で食べる時は、表面に水をかけて軽くトーストすると、皮に水分が戻ってカリッと仕上がるそうです。

A DEMAIN(アドゥマン)

住所/仙台市泉区泉中央1-9-4 レジュイール泉1F
電話/022-778-5489
営業時間/8:00~19:00(売り切れ次第終了)
休/月曜(祝日の場合は翌日)
http://ademain-sendai.com/

※このページの情報は2018年11月14日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】

ACCESS MAP

佐々木綾

宮城県仙台市出身。仙台市内の出版社勤務を経て、2007年よりフリーランスのライター・エディターとして活動をスタート。雑誌・フリーペーパー・WEBマガジン等の取材・ライティング・編集を担当。

この記事をシェアする