仙台パン図鑑 vol.69 「パン工房Cashe-Cashe」~住宅街のパン工房で、お気に入りのパン探し~

仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第69回は、大崎市古川の住宅街で10年以上愛され続ける「パン工房Cashe-Cashe(カシュカシュ)」へ。店のカウンターやテーブルいっぱいに並べられた焼き立てのパンに、ワクワクが止まりません!

種類が多いのは、選ぶ楽しさを大切にしているから。

午前2時頃。煙突がある三角屋根のパン工房に灯りがつき、「Cashe-Cashe」のパンづくりがはじまります。仕込みから焼成までの工程を一気に行うストレート法でつくるため、朝が早い!そこからひたすらパンを焼き続け、開店の9時には7割ほどのパンが並び、昼前にはフランスパンを含めた全種類が出揃います。その数なんと約60種類!住宅街という場所柄、老若男女いろいろなお客さんが訪れるため、ハード系から総菜系、菓子パンまで、バランスよく取り揃えています。

仙台市内のベーカリーで経験を積んだ店主が、夫婦ふたりで営む「Cashe-Cashe」をオープンしたのは10年以上前のこと。「おいしくて種類が豊富」という評判はすっかり周知されていますが、店主は「そんなにこだわりはないんですよ」と控えめです。多くは語りませんが、ずらりと並んだパンは「たくさんのパンの中からお気に入りを探し出す楽しさを感じてもらいたい」という想いの証。フランス語で“かくれんぼ”を意味する店名にも、その想いが込められているのだとか。

「Cashe-Cashe」おすすめパンカタログ

一番人気は「マロンデニッシュ」(290円)。国産の発酵バターを使ったデニッシュ生地にアーモンドクリームを搾り、キャラメルをからめたアーモンドスライス、マカダミアナッツ、クルミ、栗をトッピングして焼き上げた一品です。サクサクのデニッシュ生地と、キャラメルの香ばしさ、木の実のザクザク食感の組み合わせがたまりません。

バターたっぷりのバターロール生地で、手づくりのカスタードクリームを包んだ「自家製のクリームぱん」(250円)。さやから取り出したバニラビーンズをたっぷり使い、仕上げにブランデーを加えて炊き上げた香り高きカスタードクリームが絶品です。ふわふわのパン生地との相性も抜群で、一口頬張れば幸せな気持ちに!

チョコ好きの店主がつくるからには、チョコが“ちゃんと”入っているという「チョコちゃん」(295円)。菓子パン生地をフランスパン生地で包んで焼き上げているため、中はふわふわ甘め、外側はカリッとしていてほんのり塩気が感じられます。中にはもちろん、ブロックチョコとマカダミアナッツがゴロゴロ!

ベーシックな山食パンや角食パンもありますが、小ぶりなサイズ感で人気なのが「ふわ食パン」(520円)。国産小麦を使っているのでもっちりふわふわ。ハチミツやコンデンスミルク入りのリッチな食パンです。軽くトーストするとサクサクとした食感が楽しめるので、ぜひお試しを。分厚くカットするのがおすすめです。

住宅街にありながら、まるで森の中にある小屋でパンを選んでいるような気持ちになる「Cashe-Cashe」。まもなく薪ストーブも火入れの頃なので、より一層雰囲気を盛り上げてくれそうです。庭には今冬用の薪が積み重なっていました。以前は2階にイートインスペースがありましたが、今はテイクアウトのみ。週末はお昼過ぎに売り切れてしまうこともあるので、早めの来店がおすすめです。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。

●食パン
「食パン」とは、パン生地を長方形の焼き型に入れて焼いたパンのこと。名前の由来には、「主食用パン」を正式名称とする説や、デッサン用の「消しパン」と区別するために名付けられたなど、諸説あります。
食パンには山食パンと角食パンがありますが、最近は小さめの「ミニ食パン」もよく見かけます。「Cashe-Cashe」でも、食べ飽きないサイズ感の「ふわ食パン」が人気です。

パン工房 Cashe-Cashe

住所/大崎市古川李埣3-7-15
電話番号/0229-24-8088
営業時間/9:00~18:00(なくなり次第終了)
定休日/不定休
https://cashe-cashe.com/

※このページの情報は2024年11月29日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】

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佐々木綾

宮城県仙台市出身。仙台市内の出版社勤務を経て、2007年よりフリーランスのライター・エディターとして活動をスタート。雑誌・フリーペーパー・WEBマガジン等の取材・ライティング・編集を担当。

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