仙台をはじめ県内のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第77回は、リーン系パンの本格派として根強い人気を誇る青葉区柏木の「Pain bagnat(パン バーニャ)」へ。創業30周年を前に新店舗で再スタートを切り、定番の味わいを守りつつパンのラインナップがさらに充実。ますますパン好きの心をくすぐる一軒になりました。

より選びやすく、ラインナップも充実!
仙台で、粉・酵母・塩・水のみで作るリーン系パンの店と言えば、まっさきに名前が挙がる「Pain bagnat」。長い間親しまれてきた旧店舗のすぐ隣に、2025年2月、新店舗がお目見えしました。木のぬくもりあふれる店内は、あの名作アニメに登場するパン屋さんを思わせる空間。「お客さんが選びやすいように」と配置した大きなショーケースには、どれにしようか迷ってしまうほど魅力的なパンがずらり。奥の棚には“これぞバーニャのパン!”というバゲット類や大きなカンパーニュが一際存在感を放っています。

バーニャのパンはフランス産のオーガニック認証小麦や、自家製のルヴァン種・ルヴァンリキッドを、目指す食感によって使い分けながら作られています。そうしたオープン当初から変わらぬこだわりはそのままに、新店舗のオープンを機にパンのラインナップはより充実しました。バゲットやカンパーニュなどに加え、バリッと食べ応えのあるクロワッサン、季節の素材を使ったデニッシュやケーキ、ボリューム満点の総菜パン、予約で人気の食パンまで、バラエティ豊かな顔ぶれが揃います。あまりの種類の多さに迷ったら、ぜひスタッフにおすすめを尋ねてみてください。

「パン バーニャ」おすすめパンカタログ
カンパーニュにオイルサーディンやトマト、タマネギをのせた「ピンチョス」(320円)。ミネラル豊富でグルテンが少ないフランス産小麦を使ったカンパーニュは、シュワッと口の中で溶けてなくなるような食感が特徴です。オイルサーディンの酸味とブラックオリーブの芳醇な味わいとも相性抜群。白ワインのお供にしたい一品です。

サンドイッチのおすすめは「タンドリーチキンサンド」(660円)。フワッとやわらかく歯切れの良いパン生地に、鶏ムネ肉をヨーグルトとスパイスに漬け込み焼き上げたタンドリーチキンをサンド。クミンのスパイシーな香りが食欲をそそります。かなりボリューム満点なので、大きな口を開けてガブッと豪快にかぶりついてください。

秋から冬にかけて登場する季節限定商品の「マロンデニッシュ」(430円)。表面はパリッとしていながら、中はしっとりとした口当たりのデニッシュ生地。中には、風味豊かなマロンクリームがたっぷり入っています。一口ほおばると、とろりと溢れ出すマロンクリーム。口いっぱいに広がる幸せな味わいは、この季節だけのお楽しみです。

「むらさき芋のデニッシュ」(420円)も、秋冬の季節限定商品です。名取産のむらさき芋のペーストを使ったクリームを、デニッシュ生地でくるくると巻いて焼き上げた一品。ひと口目はパリッと心地良く、続いて広がるのはしっとりとやさしい口当たり。どこを食べてもむらさき芋が感じられる、秋冬のぴったりのほっこりする味わいです。

店名にもなっている「パン バーニャ」は、“濡れたパン”を意味するフランスのサンドイッチのこと。オリーブオイルをたっぷり染み込ませたパン生地にレタスやトマト、たまごサラダ、ベーコンなどを挟んだこの贅沢なサンドイッチは、日曜限定で登場するのだとか。実は、リーン系のパンだけではない「Pain bagnat」の魅力。広くなった新店舗は、ますますパン好きに愛される存在になりそうです。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●リーン系
小麦粉・酵母・塩・水を基本材料に、シンプルな材料でつくるパンのこと。反対に、卵や油脂、砂糖などをたっぷり使ったパンは“リッチなパン”と表現されます。「バーニャのパン」と言えば、バゲットやカンパーニュなどのリーン系が代表格ですが、クロワッサンやデニッシュなどのリッチなパンも楽しめます。
Pain bagnat

住所/仙台市青葉区柏木1-28-22
電話番号/022-378-7262
営業時間/8:00~18:00
定休日/月・火曜
instagram/@pain_bagnat
※このページの情報は2025年9月30日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】