仙台をはじめ県内のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第81回は、大崎市古川の名所「醸室」の蔵の一つにある「Flower & Bakery サクラサク」へ。長い時を刻む蔵の佇まいを活かした空間には、店主の想いが詰まった優しい味わいのパンが並んでいました。

◎ふわふわもちもちの、やさしいパン。
江戸時代の蔵を改装した商業施設「醸室」の一角。2025年5月、長年パンづくりを続けてきた店主が、レンタルキッチンでの販売を経て念願の実店舗をオープンしました。大小の蔵が建ち並ぶ中、目印となるのは重厚な造りの蔵に映える藍色の垂れ幕。店名の「サクラサク」やロゴマークは、3人の娘さんの名前にちなんだものなのだとか。店内へ一歩足を踏み入れれば、そこは蔵特有の穏やかな空間。レジカウンターとして使われている古箪笥や、パンが並ぶ古いお膳やお櫃など、使い込まれた道具たちがやわらかな明かりの中にしっくりと馴染んでいます。

パンづくりから販売まで店主が一人で担う店には、平日は10~15種類、週末は20種類ほどのパンが並びます。決して数は多くありませんが、保存料を使わず、丁寧に焼き上げられるパンはふんわりもちもち!おかずパンには地元・大崎周辺の野菜を取り入れるなど、素材選びにも余念がありません。また、ベースの生地は同じでも成形の違いで味わいや食感に変化が生まれるのも、「サクラサク」のパンの魅力です。「いろいろなパンを楽しんでほしい」との想いから、サイズはあえて小ぶりに、価格も200円台を中心に設定。なかには小さい子どもたちがちぎってシェアできるパンもあり、食べる人の日常に寄り添う店主の心配りが感じられます。

◎「サクラサク」おすすめパンカタログ
お店で一番人気を争う「明太もちーずパン」(250円)。ふんわりもちもちのパン生地に、切り餅とチーズを入れることで、より一層もちもちに!トッピングされた明太マヨのほどよい塩気も絶妙。トースターでリベイクすると表面の香ばしさと生地の柔らかさが際立ち、さらにおいしさがアップします。

「明太もちーずパン」と並んで人気なのが「ちくわパン(ツナ)」(280円)。ちくわの穴の中にツナマヨをたっぷりと詰め込み、パン生地と一緒に焼き上げた一品です。プリッとしたちくわと、ふんわりとしたパンの組み合わせはクセになる味わい。食べ応えも十分なおかずパンです。

自家製のピーナッツクリームを巻き込んである「ピーナッツクリームパン」(280円) 。クリームと一緒にシナモンを忍ばせているのがこだわりです。甘さ控えめのピーナッツクリームに、ふわりと重なるシナモンの香りが絶妙なアクセントになっています。

「マロンクリームパン」(260円)は、優しい甘さの自家製マロンクリームをたっぷりと包み込んだ菓子パン。「ちょっと甘いものが食べたいな」という気分にぴったりのサイズ感で、一口頬張れば口いっぱいに栗の豊かな風味が広がり、幸せな気持ちになります。

店内にはイートインスペースもあり、毎週水曜日は前日までの予約制で「パン&ランチセット(1,000円)」も提供。スープやサラダ、デザートとともに、焼きたてのパンをゆっくりと味わえます。「今日のお昼はパンにしようかな」と、近所の方がふらりと立ち寄るような、日常の風景に溶け込む「サクラサク」。店主のあたたかな人柄がそのまま形になったようなパンたちが、今日も蔵の中で待っています。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●成形
パンづくりにおける成形とは、パン生地を丸める、のばす、包むなどして、形を整える工程のこと。同じ生地でも成形方法によって食感や味わいが変化し、仕上がりの印象もまるで別物になります。「サクラサク」のパンは、ベースに同じ生地を使っているものもありますが、成形の違いによってその表情は驚くほど多彩!店主の手仕事ひとつで、それぞれのおいしさが引き出されています。
Flower & Bakery サクラサク

住所/大崎市古川七日町3-10 蔵2
営業時間/11:30~なくなり次第終了
定休日/月・木曜休み
instagram/@flowerandbakery_sakurasaku
※このページの情報は2026年4月2日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】



