仙台パン図鑑 vol.47 「Boulangerie Azur」 ~岩切駅前の、青いネコのパン屋さん。~

仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第47回は、2022年12月20日にオープンしたばかりの「Boulangerie Azur(ブーランジェリー アジュール)」へ。ご近所や、通学通勤、お買い物ついでに気軽に立ち寄れるおいしいパン屋さんを求めていた岩切エリアのみなさん、待望の駅前パン屋さんです!

食感のコントラストが楽しめるパン。

JR岩切駅北口目の前。青いトビラと、麦の穂のしっぽが揺れるネコの看板が「Azur」のアイコンです。フランス語で「青い」という意味を持つ店名の通り、店内もきれいなブルーがアクセントに。オープン当初は甘い系のパンが多かったそうですが、お客さんからのリクエストもあり、今では食事パンとして食べたいしょっぱい系もバランスよく並んでいます。その合間には、ネコ好きの店主がこっそり忍ばせた小さなネコたちが…(何匹いるでしょう?)。パン好きはもちろん、ネコ好きもワクワクしそうなパン屋さんです。

フレンチを学んだあと、パン職人としての経験を積んだ店主が大切にしているのは、食感のコントラスト。外側は「バリッ」や「ザクッ」とした歯ごたえがあり、中は「しっとり」や「モチモチ」としていて、次の日食べてもおいしいのが理想だとか。また、パンのある食卓をもっと気軽に楽しんでほしいとの想いから、日常的に食卓に並ぶようなパンは、価格をおさえているのも店主のこだわりです。そのためパン屋さんの“顔”となるバゲットは216円に!

「Azur」おすすめパンカタログ

人気No.1は、店名を冠した「クロワッサンAzur」(281円)。フランス産の小麦粉を使った生地は、外側のサクッとした歯切れの良さと、中のしっとり感のバランスが絶妙。高品質なイズニーの発酵バターを使っているので、バターならではのコクと上品な香りはしっかりと感じられながらも、くどさはなし!朝食にもおすすめです。

フランス産小麦粉と石臼挽きの小麦粉をブレンド、低温長時間発酵で仕上げる「バゲット」(216円)は、キリッと立ち上がった3本のクープが美しい逸品。バリバリッとかたそうなパンに見えますが、一口ほおばれば、ほどよい歯ごたえとシュワッとした口溶けのよさに驚くはず。買った翌日には食べきれるサイズ感も好評だとか。

パン屋さんの定番パンですが、「Azur」の「メロンパン」(227円)は一味違います。卵、生クリーム、バターがたっぷり入ったブリオッシュ生地は、ふわふわ感とさっくりとした歯切れのよさが同居。その表面を覆うザクッとしたクッキー生地の存在感が、クセになる味わいです。

「ブリュレ風ベニエ」(281円)も、食感がおもしろいパンの一つ。自家製カスタード入りのベニエの表面をキャラメリゼすることで、「カリッ」「ふわふわ」「とろり」が一度に楽しめるようになっています。ベニエの生地が少し甘めなので、カスタードクリームは甘さひかえめ。キャラメリゼされた砂糖の香ばしさも、いい仕事をしています。

オープンから約1カ月。仕事帰りに立ち寄る人も多く「もう少し遅くまでお店を開けておいてほしい」という声もあるとか。パンの種類を含め、お客さんのリクエストを大切にしていきたいと話す店主。将来的にはお店でパン教室も考えているそうで、今後の展開やパンのラインナップの変化も気になるお店です。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。

●ベニエ
「ベニエ」とはフランスでよく食べられる、生地を油で揚げたドーナツのようなもの。形はいろいろですが、ドーナツのように穴があいていません。粉砂糖をたっぷりかけたものや、ジャムを詰めたものなどもありますが、「Azur」のベニエには自家製カスタードクリームがたっぷり!

Boulangerie Azur

住所/仙台市宮城野区岩切字洞ノ口188
電話番号/022-794-7946
営業時間/7:00~18:00
定休日/日・月曜、祝日 ※営業日時の変更はInstagram等で要確認
インスタグラムアカウント/@boulangerie_azur_

※このページの情報は2023年1月26日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】

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佐々木綾

宮城県仙台市出身。仙台市内の出版社勤務を経て、2007年よりフリーランスのライター・エディターとして活動をスタート。雑誌・フリーペーパー・WEBマガジン等の取材・ライティング・編集を担当。

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