仙台パン図鑑 vol.62 「always JOJOPAN」～七ヶ宿の自然の中で暮らし、隣町の白石でパン屋を営む～

仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第62回は、白石蔵王駅近くに店を構える「always JOJOPAN（オールウェイズジョジョパン）」へ。夫婦で営む小さなパン屋さんですが、そのラインナップの多さにおどろき！大人から子どもまでみんなの「食べたい！」が叶うパン屋さんは、毎日大盛況です。

みんなが喜ぶパンが、50～70種並ぶパン屋さん！

白石蔵王駅のほど近く、天気が良い日は遠くに蔵王連峰を望む見通しのよい交差点。そこに建つ『always JOJOPAN』は、自然の中での暮らしを求めて東京から七ヶ宿町に移住してきた植草さん夫婦が、2020年にオープンしたパン屋さんです。北海道産小麦と外国産小麦のバランスを考え、オーバーナイト製法で仕込む味わい深いパンが白石エリアのお客さんの心をつかみ、オープン4年目を迎えました。パン生地は東京でパン職人としての経験を積んだオーナーの剛司さん、焼成は妻・映奈さん、サンドイッチや接客は映奈さんとスタッフが担います。

お店に入ってまずおどろくのが、その種類の多さ！入ってすぐの棚には、食パンやハード系、その隣には総菜系やサンドイッチ、甘い系のパンがバランスよく並びます。その数なんと平日は50種、土日は70種類以上とか。パン自体は、日常に寄り添う飽きがこないシンプルなものが中心ですが、ネーミングがユニーク！なかには「メンタイクレイジー」や「イギーのおやつ」など分かる人には分かる、オーナーの遊び心が伝わるものも。店名も、オーナーが好きなマンガと、そこから名付けた飼い猫の名前から決めたそうです。

「JOJOPAN」おすすめパンカタログ

「JOJOPAN」に来たら、一番人気の「メンタイクレイジー」（418円）は外せません！外はパリッと、中はふんわりとした食感に焼き上げたフィセルに、無塩バターとマヨネーズを加えてまろやかに仕上げた自家製明太子ソースをたっぷりと挟んだ一品。焼いてからタテに割いて食べるのがJOJOPAN流。一緒に渡されるメモを参考に、おいしくほおばってください。

「羽付ゴールデンメロンパン」（258円）は、菓子パン部門で人気の一品。大きめサイズですが、ふわふわとした軽い口当たりなので、あっという間に完食してしまいます。ぼうしパンのように上にかぶせたビスケット生地が羽をつくり、カリカリ食感が楽しめるのがポイントです。

「全粒粉山型食パン」（一斤・399円 ※写真は2斤分）は、砂糖や乳製品不使用のリーンな食パン。北海道産小麦の全粒粉入りですが、食べやすさを重視しているのでクセはありません。トーストすると香ばしく、ザクザクッとした食感が楽しめます。好みの厚さにカットしてくれるので、壁の“食パン厚さ見本”を参考にオーダーを。

スペイン発祥の菓子パン“エンサイマダ”をアレンジした「エンサイマダム」（250円）は、隠れた看板商品。甘さ控えめのソフトなパン生地から、中に包んだ砂糖とバターが染み出し、底がカリカリとキャラメリゼされた状態になったところを味わうパンです。シンプルな見た目に反して、カリッジュワッとびっくりなおいしさ！1日に2度買いに来たお客さんがいるというのも納得です。

親しみやすいネーミングや、オリジナルの食べ方、当たるとゲームに参加できる“当たりパン”など、お店のあちこちにパン選びが楽しくなる仕掛けが散りばめられている「JOJOPAN」。お店の隣と向かい側の床屋さんの横に駐車場があるので、ぜひおでかけついでに立ち寄ってみてください。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。

●エンサイマダ
「エンサイマダ」は、スペイン生まれの菓子パン。外はカリッと、中はふわふわと軽く、渦巻き状の形をしているのが特徴です。バターや砂糖などをトッピングするベーシックなタイプから、中にクリームを入れたものまで種類はいろいろ。「JOJOPAN」ではこれをアレンジし「エンサイマダム」とネーミングすることで、愛着を持ってもらえるパンに仕上げています。