仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。21回目は、仙台から少し北へ足をのばして、昨年オープンした「TAKEDA BAKERY(タケダ ベーカリー)」へ。外には美しい田園風景が広がるパン屋さん。店内には、お客さんたちがにっこりと微笑みながらパンを選ぶ、やさしい時間が流れていました。
ふっくら、つやつや、食欲そそる焼きたてパン
木の扉を押し開けて中に入ると、形の美しさが際立つパンがずらり。やわらかい灯りに照らされて、ふっくらと丸みを帯びて艶めくパンは、見るからにおいしそう!しかも驚くのは、その種類の多さ。「パンがいっぱい並んでいるのが好き」という店主は、奥さまと分担して、毎日40種類ほどのパンを焼き上げているそうです。地域の人が買いやすいようにと、甘い系から惣菜系、ハード系まで幅広くラインナップ。自分たちの畑で育てた野菜を使ったキッシュや、牛乳のかわりにライスミルクを使った食パンなど、食べる人のことを考えた素材選びにも気を配っています。
【パンの焼き上がり目安時間】
●惣菜系やバゲットが出揃うのは10:30頃
●バゲット以外のハード系の焼き上がりは11:00頃
「TAKEDA BAKERY」おすすめパンカタログ
生地を薄くのばす折り込み系のシーター作業は、前の店でだいぶ鍛えられたという店主が自信を持っておすすめする「クロワッサン」(150円)。美しい層が生みだすのは、サクッと食べられる軽めの食感。食べやすく飽きがこない味わいなので、サンドイッチなどにもおすすめです。
生地に水を使わず、牛乳たっぷりに仕上げたパン・オ・レに、自家製のミルククリームをサンドした「ミルクスティック」(170円)。生地の砂糖を控えめにすることで、練乳やバター入りのクリームと一緒に食べてちょうどよいバランスになっています。ふんわり食感で、後味もさっぱりとした味わい。
「フルーツサンド」(300円)は、食パンの厚みと、クリームの量、ゴロッとしたフルーツのバランスが絶妙です。マスカルポーネ入りで少し酸味のあるクリームは、シュワッととろける軽めの食感で、フルーツとの相性抜群。春はイチゴ、秋冬はナシなど、季節によってフルーツが変わります。
11月にはオープン一周年を迎える『TAKEDA BAKERY』。すでにパンラバーたちがこぞって訪れ、特に週末は大盛況とのこと。もっとこのおいしさを知って欲しい反面、内緒にしておきたい気持ちもありますが、混雑していても店内を流れる穏やかな空気感に変わりはありません。少しずつ黄金色を帯びてくる田園風景も楽しみの一つとして、ぜひ訪れてみてください。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●ライスミルク
その名の通り、お米から作られる穀物ミルクのこと。牛乳のかわりに使用することで、乳製品アレルギーの人でも食べられるパンをつくることができます。『TAKEDA BAKERY』では、「ロールパン」や「やさしい食パン」に、玄米を原料としたライスミルクを使用。発酵が遅くなるので苦労したそうですが、お米の自然な甘みが感じられるパンに仕上がっています。
TAKEDA BAKERY
電話/0229-88-9148
営業時間/8:00~18:00 ※売り切れ次第終了
休/月曜、火曜不定休
※営業時間の変更や臨時休業の情報はInstagramで要確認
※このページの情報は2020年9月18日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】