仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第32回は、少し南下して、名取市美田園にある人気ベーカリー「kakapo BAKERY (カカポ ベーカリー)」へ。マンションの一階にあるお店は、一歩入るとそこが住宅街であることを忘れてしまうような空間。具材もりもりのパンたちが出迎えてくれます。
たくさん買って、明日も楽しめる!
いろいろな種類のパンを食べてほしいとの想いから、価格はお手頃。買った当日に食べきれないことも考え、長時間低温熟成発酵でしっかりと小麦を水和させることで、次の日食べてもおいしいパンを目指しているのだとか。酵母はライ麦からおこしたものと、小麦からおこしたもの、2種類の自家製酵母を使い分け。粉はいろいろな種類をブレンドすることで、味に深みを出しています。一番人気はトーストするとおいしさが際立つ「もちもち湯種食パン」。これだけは焼き上がり時間が10時頃のため、それに合わせて来店するお客さんもいるほど!店頭や電話で予約も受け付けているので、好みのパンがあれば予約が確実です。
「kakapo BAKERY」おすすめパン&ドリンクカタログ
カウンターで目を引くのが、見た目も美しいデニッシュたち。なかでも「はっさくのデニッシュ」(300円)は、今しか食べられない限定品。コクのある発酵バターを使ったきめの細かいデニッシュ生地に、レモンカスタードとプリッとした和歌山県産のはっさくがたっぷり!はっさくの甘酸っぱさとほろ苦さ、さっぱりとしたレモンの風味がよく合います。
続いては夏でもさっぱり食べられる甘い系「ルバーブのブリオッシュ」(187円)をピックアップ。湯種で仕込んだふわふわしっとりブリオッシュ生地の中には、とろとろのホワイトチョコレートクリームがイン。フランス産のルバーブ、イチゴ、フランボワーズを煮込んだ甘酸っぱいソースと交わるラインが最高です。
最後は番外編としてドリンクをピックアップ。オリジナルブレンドのコーヒーやジュースなど、ドリンクの種類が豊富な「kakapo BAKERY」。夏季限定で登場する「コーヒーゼリーミルク」(300円)は、ほろ苦い自家製コーヒーゼリーにミルクを注いでキャラメルソースをプラス。のど越しがよく、暑い日にぴったりのドリンクです。
店名の“カカポ”はニュージーランドに生息する鳥のこと。寿命が60年と鳥の中では長いため、お店も長く続くようにとの願いを込めて、この名前をつけたのだとか。現在は感染症予防対策で、購入したいパンをスタッフに伝える対面式スタイル、イートインは平日のみで営業中。取材当日も次々とお客さんが訪れる人気店ぶりを再確認!きっと美田園で長く愛されるお店になるはずです。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●水和
パンづくりにおける水和とは、小麦粉の芯まで水分がしみ込むこと。お米を炊く前に浸水させるのと同じように、仕込んだパン生地を一晩寝かせる長時間低温熟成発酵でしっかり水和させることで、小麦粉が水分をキープ。しっとり感が持続しやすく、「kakapo BAKERY」の目指す“次の日食べてもおいしいパン”になるのです。
kakapo BAKERY
電話/022-397-8123
営業時間/9:00~18:00
営業日/水・木曜 ※臨時休業あり
Instagram/ @kakapo_bakery
※このページの情報は2021年7月26日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】