知っているようで、ちゃんと知らない。聞きたくても、人には聞けない。女性ならではの不調や不安について、東北大学の八重樫先生率いるドクター陣が解説!
こんにちは。東北大学の八重樫です。8月10日は手(ハンド)の日(一般社団法人日本手外科学会が制定)にちなんで、今回は「手指変形性関節症」について、東北大学病院 産科婦人科・漢方内科の大澤先生に教えてもらいます。手指変形性関節症は、女性のほうが男性よりかかりやすく、更年期以降の女性ホルモン低下が誘因の一つといわれています。単なる加齢現象と諦めず、病気をよく理解して健やかな毎日を送りましょう。
教えてくれたのは
東北大学大学院医学系研究科長・医学部長
婦人科学分野 教授
八重樫伸生先生
東北大学病院
産科婦人科・漢方内科 講師
大澤 稔先生
【手指変形性関節症】
主な症状(手の指)
関節が赤い 腫れている 痛む 曲がったまま戻らない 握りづらい 力が入らない
主な症状(手の指)
関節が赤い 腫れている 痛む 曲がったまま戻らない 握りづらい 力が入らない
女性ホルモンが関係している!?
「手指変形性関節症」は手、特に指先の関節に腫れや痛みを生じる病気。変形したり、袋状の嚢胞(のうほう)ができたりする場合があります。代表的なものでは、指の第1関節が腫れて痛む「ヘバーデン結節」、指の第2関節が腫れて痛む「ブシャール結節」、親指の付け根が腫れて痛む「母指CM関節症」など。手を酷使する職業の人がなりやすいとされていますが、40歳以上の女性に多いことから、40歳以降の女性ホルモン(エストロゲン)の低下が関与しているともいわれています。長年手を使って仕事をしている人、早くに閉経を迎えた人は特に注意が必要です。
このような症状があれば受診を
手指の関節が赤い、腫れている、痛む、曲がったまま戻らない、握りづらいほか、指先の動作が困難だと感じる症状があったら、受診の対象です。痛みを我慢したり、無理に動かしたりすると、症状がさらに進む可能性がありますので、手を休めることが第一。早期に整形外科を受診し、適切なアドバイスを受けましょう
どんな治療法がある?
手指変形性関節症は整形外科が対応します。一般的な治療法としては、テーピングや装具で患部の関節を固定し、痛みを出にくくして日常生活に支障がないようにサポート。あわせて内服薬や湿布薬、塗り薬を用いて炎症を鎮めるなど、症状に合わせた治療を行います。また、女性ホルモンと似た働きをするエクオールをサプリメントで摂取することも、症状を緩和させる効果が期待できます(※)。
※エクオールのサプリメントは、1日あたり10mgを目安に摂るのが適量といわれています。この量を含有し、医療機関や調剤薬局で販売している原料・製造方法が開示された安全性の高いものを選ぶと良いでしょう。
働き者の手指を労ってあげて
手指の不調は生活の質を著しく落とし、仕事や行動にも制限をかけてしまう可能性があります。手を使う仕事や家事は1時間おきに10分程度の休憩を入れる、指先でつまむ動作や重いものを持ち上げる動作を控えるなど、手指の負担をできるだけ減らす工夫をしましょう。症状がなくても、普段から手指を労ることが大切です。(大澤先生)
大人女子の取扱POINT
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※このページの情報は2021年8月3日現在のものです。
【仙臺いろは編集部】