
顔が見える小麦で、安心安全なパンを。
フランス語で“ふかふか”という意味の店名の通り、ふんわりとした食感のパンを中心に人気を集める「えとふぇ」。富沢駅から徒歩圏内、お向かいに大きな病院がある住宅街という場所柄、親子連れから年配の方までいろいろな人が訪れるので、かわいらしい菓子パンや具材たっぷりの調理パンを多めにラインナップ。いつも100~120種類ほどのほかほか焼き立てパンが、ご近所さんやパン好きの遠征組を待っています。
「えとふぇ」と言えば“国産小麦”。北海道の小麦農家さんの想いにふれた店主が「誰がどのようにつくったか分かる原材料で、安心安全なパンをつくりたい」と8年ほど前から国産小麦を取り入れ、今では北海道産契約栽培小麦100%使用。さらにポストハーベストフリー、具材もなるべく無農薬・無添加でつくるパン屋さんになりました。「はるきらり」「ゆめちから」「きたほなみ」「キタノカオリ」、4種類の北海道産小麦を、パンの種類や小麦の状態によって絶妙に配合や扱い方を変えながらつくる「えとふぇ」のパン。小麦のご機嫌をうかがいながらのパンづくりはなかなか繊細ですが、店主は「農家さんの顔を思い浮かべながらパンをつくれるって幸せなんですよ」とにっこり。自慢のパンは、食べた人にもその幸福感が伝わってくるようなものばかりです。



「えとふぇ」おすすめパンカタログ
28年間愛され続けてきたロングセラー「えとふぇ」(150円)。蔵王地養卵やよつ葉バター、北海道産甜菜糖などを使ったふわふわの白パンに、お店で毎日炊き上げるなめらかなカスタードクリームをサンド。一口ほおばるとふわっと幸せな気持ちになるリッチな味ですが、ほどよい甘さなので飽きがこない一品です。

イギリス食パンやライ麦食パンなど、数ある食パンの中でも根強い人気を誇るのがオーソドックスな「食パン」(290円)。きめが細かく中はもちふわ、耳もしっとりほどよい弾力で、毎日食べたくなるおいしさです。そのままはもちろん、トーストしてカリッとした表面にバターをジュワッとぬるとさらに美味!卵不使用なのでアレルギーの方でも安心です。

無農薬野菜の甘みが感じられる、やさしい味のカレーがたっぷりの詰まった「自家製カレーパン」(160円)。「えとふぇ」の食パンからつくるパン粉をまぶしているので、表面はサクッとした歯ごたえあり。生地はもっちりしていて食べごたえがありますが、米油で揚げているので意外と口当たりは軽く、後味もあっさりです。

実はご実家がおだんご屋さんだったという店主。あんこにはこだわりがあり、もちろん「つぶあんパン」(160円)のあんこも自家製です。北海道産小豆と甜菜糖、塩だけで炊き上げるあんこは甘さ控えめ。ピンと張りのある薄皮に包まれたふわふわの生地と、ややかために炊き上げたあんこのバランスが絶妙です。

取材中も、お仕事途中や病院帰りに立ち寄る方、友人同士でお昼ごはんを買いに来た方、動物モチーフのパンがお目当ての親子連れなど、とにかくお客さんが途切れない人気店。小麦とパンに人一倍愛情を注ぎ、手間暇をかける「えとふぇ」のパンづくりへの想いが、しっかりとお客さんに届いているようです。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。●ポストハーベストフリー
ポストハーベストとは、果物や穀物、野菜など作物の収穫後に散布される農薬のこと。保存中や輸送中に、虫やカビがつくことを防ぐために使用されます。大切な作物を守るために使われるもので、国の定める残留基準でチェックはされますが、一方で体の中への蓄積が心配されることも。フリーとは不使用という意味なので、「えとふぇ」のパンに使われている北海道産小麦は、収穫後の農薬不使用!安心して口にできるパンなのです。
※このページの情報は2022年4月29日現在のものです。取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。●ポストハーベストフリー
ポストハーベストとは、果物や穀物、野菜など作物の収穫後に散布される農薬のこと。保存中や輸送中に、虫やカビがつくことを防ぐために使用されます。大切な作物を守るために使われるもので、国の定める残留基準でチェックはされますが、一方で体の中への蓄積が心配されることも。フリーとは不使用という意味なので、「えとふぇ」のパンに使われている北海道産小麦は、収穫後の農薬不使用!安心して口にできるパンなのです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】