仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第44回は2022年6月、静かな住宅地にひっそりとオープンした「bakery rencontre(ランコントル)」へ。バゲットを抱えた黒クマの後ろ姿が目印のパン屋さんは、2組も入ればいっぱいになってしまうほど。店主とパートナー、2人で営んでいる小さなお店ですが、中にはあれもこれもとつい手がのびてしまう、ほどよいサイズのお手頃パンがギュッと詰まっています。
いろいろな種類をあれも、これも!
仙台市内のパン屋さんで経験を積んだ店主が、自分の店を構える場所としてこだわったのが“住宅街”であること。地域に溶け込み、愛されるパン屋さんを目指したそうです。ここ袋原地区は古くからの住宅地。近くに幼稚園や小学校もあるので、お店には子ども連れから年配の方まで幅広い年代のお客さんが訪れます。愛くるしいクマやヒヨコの「どうぶつパン」(たまに違う動物が混じっているかも!)が並んでいたり、誰もが馴染みのある定番パンが多いのはそのため。パンが一番多く並ぶという11時過ぎに取材に伺いましたが、人気のパンを中心にあれよあれよという間に品薄に!菓子パン系は朝から、クロワッサンなどの折り込み系は10:00過ぎに揃うので、いろいろ選びたい方は午前中がおすすめです。
「ランコントル」おすすめパンカタログ
初来店の方におすすめなのが「ロールパン」(300円)。その日によって種類は違いますが、プレーンやクルミ、チョコ、ドライフルーツなど、単品では買えないロールパンが入っている楽しいセットです。菓子パン生地、食パン生地、塩パン生地、3種類の生地を使ったパンが詰め合わせになっているので、これを食べれば好みのパン生地が見つかりそうです。
「ミルククッペ」(160円)は、もちもちのコッペパンに、きび砂糖と煉乳を混ぜてコクを出したミルククリームをたっぷりサンドした一品。水種法で仕込んだ食パン生地を使っているので、小麦の甘みも感じられ、やさしい甘さのクリームとの相性も抜群です。中はふんわりですが、皮はしっかりしているタイプなので食べ応えも十分!
最後はちょっと大人なパン「クリームチーズ」(240円)をご紹介。もっちりとしたセミハード系に仕上げているので、バリバリッとしたハード系が苦手な方にも食べやすいパンです。生地は水を使わずワインで仕込んでいるので、ほんのり大人な香りが。ドライフルーツとクリームチーズがこぼれるほどたっぷり入っている、ワインにも合いそうなおつまみパンです。
店名の「ランコントル」とは、フランス語で“出会い”の意味。“お客さんとの出会いを大切にしたい”“おいしいパンに出会ってほしい”という想いを込めたのだとか。たくさんのお客さんとおいしいパンが出会う街のパン屋さんは、まだオープンから3ヵ月ほど。駐車場もお店の横に4台分あるので、ご近所さんはもちろん、遠方組にもぜひ訪れてもらいたい一軒です。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●水種法
小麦粉と同量の水を合わせた種を生地に混ぜ合わせて仕込む製法のこと。別名ポーリッシュ法とも呼ばれます。「ランコントル」の食パン生地は、一晩置いた水種を使って仕込んでいます。湯種とはまた違い、もちもち感は湯種ほど強くはなく、小麦の自然な甘みが出るのが特徴です。
Bakery rencontre
電話番号/022-200-2478
営業時間/9:00~18:00 ※売り切れ次第終了
定休日/木曜、第2・4水曜
Instagram/@bakery_rencontre
※このページの情報は2022年9月22日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】