仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第55回は、地下鉄南北線台原駅近くの一軒家ベーカリー「瓦山bakery & cafe(かわらやまベーカリー&カフェ)」へ。毎日の食卓になじむシンプルなパンはおなかにやさしく、緑を臨むカフェスペースは心満たされる空間でした。
卵もバターも牛乳も使っていないパン
パンコーナーに並ぶのは、店主が惚れ込んだ「あこ天然培養酵母」でつくる約20種のパン。フランスパンや食パン、フォカッチャ、バターロールなど、食卓でおなじみのパンはどれも消化吸収が良いのでおなかにやさしく、卵や乳製品を加えていない自然な甘みや旨みが特徴です。また、酵母の働きにより味や香りが深まっていくため、焼き立てよりも2日目がさらにおいしくなるのだとか。冷凍しても風味が損なわれないので、あれこれ選びきれず多めに購入した時も安心です。
「瓦山bakery & cafe」おすすめパンカタログ
店主一番のお気に入りだという「全粒粉カンパーニュ」(490円)。国産全粒粉入りのカンパーニュは酸味が少なく香りは豊か、やわらかくホロホロとした軽い食感でクセがなく食べやすいのが特徴です。生ハムやチーズなど、塩味のある食材を合わせるのがおすすめ。写真のようなサンドがお店に並ぶこともあります。
「瓦山あんぱん」(270円)は、もち粉入りの生地で北海道産小豆のつぶあんをたっぷり包んだ一品。プレスして焼き目をつけた、まるで“おやき”のようなあんパンです。香ばしくもっちりとした食感のパン生地と、しっとりとした甘さ控えめのあんこの組み合わせがたまりません!
『瓦山bakery & cafe』の「食パン」(1斤470円・2斤940円)は2種類。パン型にフタをして焼き上げる「角食」は、太白ごま油入り。キメが細かくしっとりとしています。一方フタをしないで焼き上げる「山食」は、気泡が大きくふんわり食感。トーストすればカリッと食感も楽しめます。食べ比べてみるのもおすすめです。
ジャムやバターを塗ったり、具材をサンドしたり、アレンジが楽しめるシンプルなパンが多い『瓦山bakery & cafe』ですが、最近はキノコやソーセージ、季節の野菜をトッピングしたフォカッチャも5、6種類ほど用意。トースターもあるのでイートインにもおすすめです。またこの日はお目にかかれなかったものの、自家製カスタードクリームをごはんパンで包んだ「眠れる森のクリームパン」も人気だとか。台原森林公園も近いので、これからの季節はパンを片手にお散歩も気持ち良いかもしれません。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●あこ天然培養酵母
熟練の酵母職人が、小麦、低農薬米、水、麹のみでつくった天然酵母。すっきりとした味わいで酵母自体にクセがないので、小麦粉の風味を損なうことなく旨みを十分に引き出すことができるのが特徴です。ほのかにバターのような香りが漂うので、『瓦山bakery & cafe』では生地に乳製品を加えていません。自然な甘みや旨みは、この酵母が生み出しているのだとか。
瓦山bakery & cafe
電話番号/080-1392-1724
営業時間/11:00~18:30(土・日曜11:00~18:00)
定休日/月・火・水曜
インスタグラムアカウント/@kawarayama_bakerycafe
※このページの情報は2023年9月29日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】