仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。19回目は、ブルーのオーニングに真っ赤なドア、トリコロールカラーが目印の「ナガノベーカリー」へ。ご夫婦2人で営む小さなお店は、おじいさんから受け継いだおいしいパンと、オリジナルの味、そして常連さんを大切にする、すてきなまちのベーカリーでした。
ショーケースからお好きなパンを注文
真っ赤なドアを開けると、そこにあるのはパン屋さんには少し珍しい対面式のショーケース。中にはクロワッサンや惣菜パン、デニッシュ、カンパーニュなど、約80種類のバラエティに富んだパンがずらりと並んでいます。ただしこの光景が見られるのは、お昼前までのことがほとんど。7時のオープンからひっきりなしにお客さんが訪れ、奥の工房も店舗もフル回転!焼き上がると同時に、徐々にパンが品薄になっていきます。その人気を支えるものの一つが、おじいさんの代の「ナガノベーカリー」でも使っていたという“溶岩窯”。遠赤外線効果でパンの中の水分量がほどよく調整され、しっとりと焼き上がるのだとか。
「ナガノベーカリー」おすすめパンカタログ
「スコーン プレーン」(200円)と「スコーン チョコレート」(220円)は、牛乳のかわりに生クリームが入っているので、バターの香りと相まって、なかなかリッチな味わいです。中はほどよく水分がキープされ、サックリとした食感。トースターで少しあたためて食べると、表面のサクサク感が増します。
甘党にぜひおすすめしたいのが「クロワッサンティラミス」(290円)です。コーヒーシロップをぬったクロワッサンにアーモンドクリームをのせ、マスカルポーネチーズとチョコレートをサンドした甘々な一品です。サクサクのクロワッサン生地の中から、ジュワ~ッとマスカルポーネとチョコがとろけていくのがたまりません!
最後は定番の食パンを使ったサンドイッチの中から「エビカツとアボカド」(420円)をピックアップ。大きなエビカツが主役のボリューミーなサンドですが、脇役もいい仕事をしています。たっぷりレタスのシャキシャキ感と、クリーミーなアポカドの絶妙なバランス!きめの細かい食パンが、あふれんばかりの具材をしっかりサンドしているので食べやすさも◎。
「ナガノベーカリー」と言えば、最近はフルーツサンドが大人気ですが、それ以外にもおいしいパンがたくさん!今回紹介した以外にも、平日限定の“麺パンシリーズ”なるものも…。台湾まぜそばや担々麺など、ちょっと意外な具材をサンドしたコッペパンも日替わりで登場しているそうです。ご夫婦2人で切り盛りされているお店なので、休日などは行列でお待たせしたり、予約が受けられない時もあり、心苦しさを感じていると言いますが、それも人気店だからこそ!お目当てのパンに巡り合えた時は、きっとそのうれしさとパンのおいしさで、幸せな気分になれるはずです。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●溶岩窯
パン屋さんで一般的に使われることが多いのは、電気式の平窯ですが、「ナガノベーカリー」では溶岩窯を採用。溶岩窯とは、オーブンの内側、焼き床・天井・壁が溶岩プレートになっている石窯の一種です。遠赤外線効果により、高温・短時間で焼き上げることができるので、外側はパリッと、中は水分を残してふっくらとしたパンに仕上がります。
ナガノベーカリー
電話/022-376-7229
営業時間/7:00~18:00 ※売り切れ次第終了
休/月曜
※営業時間の変更や臨時休業の情報はInstagramで要確認
※このページの情報は2020年8月21日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】