仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第46回は、約8年間「Noir Bakery」として営業していた人気ベーカリーが移転し、店名新たにオープンした「GOLDEN RATIO(ゴールデン レシオ)」へ。安定感のあるパンのおいしさを噛みしめつつ、パン屋らしからぬ佇まいの新店舗に、ワクワクがとまりませんでした。
もっとパンのおいしさを伝えるための挑戦。
次のステップに進む時には、しっかりコンセプトを決めたかったという店主。その想いは黄金比を意味する店名「GORDRN RATIO」にしっかりと込められていました。実はパンにも、生地づくりの指標となる材料の比率「ベーカーズパーセント」があります。新店舗では自分なりのベストな比率=黄金比を探り、おいしいパンを届けたいと、この店名に決めたのだとか。以前よりもだいぶ広くなったお店に並ぶ、黄金比を探求した焼きたてのパン。空間的なゆとりにより、ゆっくりとパンを選べるようになった気がします。
「GOLDEN RATIO」おすすめパンカタログ
フランス産のおいしい粉をブレンドした、どこから見ても美しい「クロワッサン」(255円)。少し細長いこの形にはこだわりがあるのだとか。もちろん食べはじめは細いところから。最初はサクサクッと軽くはじまり、真ん中に向かってだんだんと引きのある食感に。ひとつのパンの中でもいろいろな変化が楽しめるクロワッサンです。
ライ麦パンのおいしい食べ方が分かる「イチジクの赤ワイン煮とクルミとクリームチーズのサンド」(530円)。なかなか自分で材料を揃えてできる組み合わせではないので、ぜひお試しを!「GOLDEN RATIO」のライ麦パンは、ライ麦らしい芳香な風味は生かしつつ酸味が少ないタイプ。ジューシーなイチジクに、カリッとしたクルミとピスタチオがよく合います。
最後は「クルミとレーズン」(386円)。ベースは水分を多く含んだしっとり食感のライ麦パン。そこにクルミとレーズンがたっぷり詰まっています。安定の組み合わせですが、愛され続けているのにはわけがあるもの。定番のパンとあなどるなかれ。生地と具材のバランスのよさに驚くはずです。
リブランドオープンから約2カ月。以前は場所柄、車での来店が多かったものの、移転後は自転車やベビーカーを押してくるお客さんも。パンと一緒に、店頭で販売している「in vitro」のテイクアウトコーヒーを楽しむ人も増えていて、いろいろなコラボやイベントなど、構想がどんどん広がっているそうなのでお楽しみに。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●ベーカーズパーセント
「ベーカーズパーセント」とは、粉に対してほかの材料の配合率を表したもののこと。粉の総重量を100%として、バターや塩などほかの材料が粉に対してどれだけ含まれているか、と考えます。「GOLDEN RATIO」の店名は、この比率の考え方から着想を得たもの。
GOLDEN RATIO
電話番号/022-341-4114
営業時間/9:00~18:00
定休日/日・月曜
インスタグラムアカウント/@bakery_golden_ratio
※このページの情報は2022年11月25日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】