仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。8回目は、仙台で自家製天然酵母のハード系パンと言えば、迷わずその名が出てくる名店「Au Fournil Du Bois(オ フルニル デュ ボワ)」へ。酵母が元気に育ちそうな趣のある小屋の中に並ぶ素朴なパンたちは、どれを食べても間違いない美味しさです。
イメージは、フランスの田舎のパン屋さん
全部で50種類ほどあるという『オ フルニル デュボワ』のパンですが、生地のベースは、北海道産小麦粉とライ麦酵母、伊達の旨塩でつくった「カンパーニュ」や、北海道産石臼挽き全粒粉30%と小麦粉、小麦酵母、伊達の旨塩で作った「タイプ80」など、基本的に8種類。それぞれのパンにはどの生地をベースにしているのかが書いてあるので参考に。大きなパンは1/2や1/4サイズでも購入できるので、いろいろなパンを少しずつ買ってみて、好みの生地を見つけるのもおすすめです。
『オ フルニル デュボワ』おすすめパンカタログ
続いては、北海道産の石臼挽き全粒粉を30%加えた「タイプ80」の生地がベースの「いちじくとくるみ」(1ホール840円、ハーフ420円、クォーター210円)。小麦の香りが損なわれないよう低温でじっくり製粉された粉は、小麦本来の香ばしさが感じられるのが特徴。いちじくとくるみのゴールデンコンビはそのまま食べてももちろんおいしいのですが、お肉との相性がいいのでチャーシューとモッツァレラチーズ、トマトなどをサンドすると、また違った味わいが楽しめるそうです。
ハード系と聞くと子どもや年配の方に敬遠されがちですが、ここのパンはそんな方にもおすすめ。特に「バタール」(230円)は、外はカリッとしていますが、中は驚くほどふんわりモチモチで食べやすいパン。実はお店のフレンチトーストも、このパンを使っているのだとか。シチューに添えたり、ソースを吸わせて食べるのもおすすめです。
最後はその日によって使うパンが違うという「クロックムッシュ」(390円)。ハムと、エメンタールチーズを入れてコクを出したホワイトソースをサンド。たっぷりチーズをかけて焼いたクロックムッシュはかなりのボリュームです。使うパンによって味わいも微妙に変わってくるので、その違いもお楽しみの一つ。テラス席で食べていく人も多いそうですよ。
以前は仙台三越にも出店していましたが、現在は本店のここだけ。中心部から離れた場所でも、その人気は健在です。取材当日は30℃を超える猛暑にも関わらず、11:00のオープンと同時に訪れるお客さんが絶えませんでした。都会にあるようなブーランジェリーではなく、日持ちのするハード系パンをつくるフルニル(パン工房)は、その佇まいも人気の理由の一つ。自家製酵母が元気に育ち、焼きたての香ばしい匂いが漂う店内でパンを選び、ついでにジャムやバターやキャロットラベも…。時にはテラス席でランチプレートを食べるのもいい。そんなパンにまつわる素敵な時間を過ごしたくなる一軒です。夏季限定で、自家製シロップのかき氷も登場していますよ!
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●全粒粉
ふすまや胚芽など、小麦をまるごと挽いて粉にしたもの。胚乳だけを使った小麦粉に比べてミネラルや食物繊維が豊富で栄養価が高いのが特徴です。血糖値が上がりにくいので、健康志向の人にも人気!生地に加えると香ばしく仕上がります。『オ フルニル デュボワ』では、この全粒粉を使ったパンが数多く並びます。中には珍しいライ麦全粒粉100%のパンも!
オ フルニル デュボワ
電話/022-399-6588
営業時間/11:00~17:00
休/火・水曜
※このページの情報は2019年8月7日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】