仙台パン図鑑 vol.13 「Boulangerie Marché」 ~パンの“マルシェ”で、ワクワクご機嫌なパン選び~

仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。13回目は、いつも賑わっているとウワサの北環状線沿いのお店「Boulangerie Marché(ブーランジェリー マルシェ)」へ。ベテランぞろいのパン職人さんがつくるパンは、オリジナリティたっぷり!お客さん想いのパンは、どこか懐かしく、心和む味わいです。

パンの種類は、驚きの130種!

せっせとパンを焼き上げる活気あふれる工房。そこから次々とカウンターに並べられるパンを、楽しそうに選ぶお客さんたち。それが「ブーランジェリー マルシェ」のいつもの風景です。ゆとりある広さの店内ですが、平日でも特に午前中は満員御礼状態!10台ある駐車場にもひっきりなしに車が出入りしています。お目当ては、天然酵母のバゲットなどのハード系だったり、お昼ごはん用のサンドイッチや惣菜パンだったり、あんぱんやクリームパンといった昔ながらの日本のパンだったりと、みなさんさまざま。スタッフでも「何種類あるんだろう?」と笑いながら首をかしげるほど種類豊富なパンの中から、まるでマルシェ(市場)でお買い物を楽しむようにパンを選んでいきます。

実は「ブーランジェリー マルシェ」が誕生したのは20年以上前のこと。最初はスーパーの中での営業から始まり、その後黒松に移転。11年ほど営業を続けていましたが、手狭になったことで現在の場所に移り、5年目を迎えました。移転と同時に職人さんも増え、今では5人のパン職人と2人のパティシエが腕を振るっています。それぞれが持ち味をいかしたパンを提案していく中でいつの間にか多くなってしまったというパンは、季節や曜日限定のものを含めると130種類ほど!「ヨーロッパの伝統的なパンも伝えていきたいし、なじみのある食事パンも揃えておきたい。職人さんはみんなベテランぞろいだけど、新しいものも取り入れつつ、おいしい食材を使ったお得感のあるパンで、お客さんを飽きさせないようにしているのがこだわりかな」と、店主の奥様はにっこり。

「マルシェ」おすすめパンカタログ

ぜひ、お家のトースターで温め直してアツアツを頬張ってほしい「アンチョビポテトグラタン」(270円)。ホシノ天然酵母を使ったクロワッサン生地は、全粒粉入りで噛みごたえのあるザクザク食感。アンチョビがきいているので、食事パンとしてはもちろん、ワインのお供にもおすすめです。

最近デビューを果たした「プリプリ上級エビフライ」(324円)は、まさかのエビフライ丸ごと1本入り!かなり立派なエビフライを、ふんわり軽い口当たりの食パン生地で巻いた一品です。もちろん上にはタルタルソースの間違いない組み合わせ。こぼれ落ちたタルタルソースが焼けてカリカリになった部分もおいしい!

続いては甘いパンのおすすめとして「ザクザクショコラ」(270円)をピックアップ。卵とバターをたっぷり使ったリッチなブリオッシュに、アーモンドやシリアル入りのチョコレートクリームをたっぷりサンド。上にもチョコレートとシリアルをトッピングした、その名の通り、ザクザクとした食感を楽しむ菓子パンです。

最後はなんともかわいらしい「とちおとめ」(324円)。クロワッサン生地に、フリーズドライのいちごパウダー入りのバターを織り込むことで、まるで三つ編みのような焼き上がりに!甘酸っぱいイチゴと、サクサクのクロワッサン生地、甘さを控えたアーモンドクリームとカスタードクリームがベストマッチ!

「ブーランジェリー マルシェ」のオープンは朝7:00。「出勤前にも立ち寄れるように…」と、朝早くから店を開けることに決めたそうです。お昼ごはん用のパンを求めるお客さんも多いので、サンドイッチも朝から並びます。店内のイートインスペースには自由に使えるトースターがあったり、お客さまが多く訪れる土・日曜には限定のパンが登場したり―。長く愛される理由は、パンのおいしさはもちろん、お客さんを想うやさしさにもあったようです。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。

●ブリオッシュ
水のかわりに牛乳を使ったフランスの菓子パンのひとつ。バターや卵をたっぷり使うため、甘くて香り高いリッチな味わいが特徴です。形はいろいろですが、ポコッと飛び出たコブが愛らしい「ブリオッシュ・ア・テート」が、一般的に浸透している形。「ブーランジェリー マルシェ」の「ザクザクショコラ」のように、チョコレートとの相性も抜群です。

Boulangerie Marché

住所/仙台市泉区上谷刈1-5-8
電話/022-725-6557
営業時間/7:00~19:00
休/水曜

※このページの情報は2020年3月18日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】

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佐々木綾

宮城県仙台市出身。仙台市内の出版社勤務を経て、2007年よりフリーランスのライター・エディターとして活動をスタート。雑誌・フリーペーパー・WEBマガジン等の取材・ライティング・編集を担当。

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