仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第28回は、黒松の坂の上のパン屋さん「日和ベーカリー(ひよりベーカリー)」へ。2021年3月でオープン4周年を迎えるお店は、みんなが大好きな定番パンのおいしさにあらためて気づかせてくれる、まちの愛されパン屋さんでした。
定番のパンがおいしい、安心感。
カフェなどで働いていたものの、もっと日常的なものを求めてパン業界に一歩踏み出したという店主。どんな人の日常にもそっと寄り添う、やさしくてあたたかいパン屋さんに…との想いをこめて、“日和ベーカリー”と名付けたそうです。そんな店主の想いが伝わり、今日もいろいろな人が訪れる「日和ベーカリー」。小銭を握りしめた子どもがおやつパンを買いにきたり、休日にいつものパンを求めてお店のトートバッグを持ったおじさんが訪れたり、女の子たちが“悩んじゃうね”と言いながら楽しそうにパンを選んでいたり―。かわいらしいお店の中は、ほほえましい光景であふれています。しかもお客のほとんどがご近所の常連さん。定番パンのおいしさはもちろん、店主の気まぐれでたびたび登場する新作も、みんなの心をがっちりつかんでいるようです。
「日和ベーカリー」おすすめのパンカタログ
ツヤツヤの焼き上がりがなんともおいしそうな「日和あんパン」(162円)は、あんこも自家製。地養卵や、水のかわりに牛乳を使ってしっとりと焼き上げた生地の中には、北海道産小豆を甘さ控えめ塩気強めに炊いたあんこがギュギュッとつまっています。食パン同様看板メニューとして考えていたというのも納得!さすがのバランスです。
「日和ベーカリー」と言えば「湯種コッペパン」。水分量をギリギリまで増やし、小麦粉を熱湯でこねた湯種を入れて仕込むので、驚くほどもっちりふんわりとしたパンです。甘い系の一番人気は「ピーナツクリーム」(216円)。濃厚な粒入りピーナツクリームが背割りのコッペパンから控えめにのぞく、かわいらしい一品です。
「湯種コッペパン」のしょっぱい系で人気なのは、「特厚エビカツサンド」(410円)。分厚いエビカツに千切りキャベツとタルタルソースをサンドしたコッペパンは、はち切れる寸前!という感じですが、安定のおいしさと歯切れのよさで、しっかりと具材の旨みを引き立てています。ボリューム満点につき、両手でしっかり持って食べるのがおすすめ。
2021年3月9日は定休日のため、ひっそりと4周年を迎える「日和ベーカリー」。時間がたってもおいしいパンばかりですが、やっぱり一番は焼きたて!土日も7時半からオープンしているので、早起きして朝ごはんに焼きたてパンはいかがでしょうか。パンダと食パンのアイコンがプリントされた「日和のトートバッグ」(540円)を持ってきた人は、お会計から10円引きのサービスも!駐車場はお店の横に1台分ありますが、坂道の途中にある駐車場の方が停めやすいので、ぜひお店までの道をわくわくしながらのぼってみてください。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●角型・山型
食パンにはしっかりとした四角の「角型」と、上部がこんもりふくらんだ「山型」があります。角型は型にフタをして焼き上げるため、密度が高く、しっとりもっちりとした仕上がりに。一方山型はフタをしないのでフワッとふくらみ、やわらかな口当たりの食パンになります。「日和ベーカリー」はどちらも同じ生地を使っていますが、焼き方によって食感が変わるので、その違いを楽しんでみるのもおすすめです。
日和ベーカリー
電話/022-347-4935
営業時間/7:30~18:00
休/月・火曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
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Instagram/ @hiyoribakery
※このページの情報は2021年2月26日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】