仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第30回は、オリーブオイルソムリエがつくるフォカッチャの専門店「Buon appetito(ボナペティート)」へ。基本的に予約制なので知る人ぞ知る存在ですが、イタリアのマンマ仕込みのフォカッチャは、もちもち食感と塩気がクセになる味わいです。
イタリアの香り広がる小さなお店
勤めていた食品会社を退社後、単身イタリアに渡り、そこで料理を学んだ店主。帰国後、主宰するイタリア料理教室で作るフォカッチャが「おいしい!」と評判だったことから、2018年11月にフォカッチャ屋「Buon appetito」をオープン。自宅サロンでの営業、しかもすべて一人でつくっているため、大々的には宣伝していませんが、料理教室の生徒さんや知り合い、ご近所の方に愛されて、オープン3年目を迎えています。
「Buon appetito」おすすめのパンカタログ
ちょっと形が違うのは「包みフォカッチャ」(300円)。ベースの生地はプレーンと同じですが、具材を包み、ベーグルのように一度茹でてから焼き上げたフォカッチャです。茹でることでもちもち感が増すのだとか。今回は菜の花とハムとチーズ入りでしたが、具材はその日によって変わるのでお楽しみに!
“古代風ピザ”と言われ、最近ローマで人気の「ピンサ」(300円)は、大豆粉やライ麦粉、さといも粉、米粉などを使った滋味深い逸品。ピザよりも低カロリーなので、ヘルシー志向の人にもおすすめです。一晩かけてじっくり発酵させた生地に、ジャガイモやサルシッチャ、ジェノベーゼなどをトッピング。こちらも具材はその日によって変わります。
最後は甘いものをひとつ。「カプチーノケーキ」(300円)は、濃いめに淹れたコーヒーと牛乳やバターを混ぜて焼き上げた焼菓子。生地の一部をクランブルにしてチョコレートと一緒にトッピングしているので、ザクザクとしっとり、両方の食感が楽しめます。イタリアではよく朝食で食べられるという、家庭でつくる素朴な味わいのケーキです。
「Buon appetito」の営業は、基本的に月曜と木曜の週2日ですが、不定期営業なのでInstagramで確認するのが確実。Instagramのメッセージか電話で、前日まで予約が必要ですが、運が良ければ当日でも買えることも!本場仕込みのフォカッチャが食べたいと思ったら、まずはInstagramをチェックして営業日やメニューを確認してみてください。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●フォカッチャ
ピザの原型とも言われるイタリア生まれのフォカッチャは、強力粉やイーストと一緒に、オリーブオイルを練り込んで焼き上げたもの。二次発酵がいらないので、イタリアではとても身近なパンです。形は平べったく、ふくらみを抑えるために指でつけたくぼみがあるのが特徴。仕上げに散らした岩塩のほどよい塩気がアクセントになっています。
Buon appetito
電話/090-4639-4502
営業時間/11:00~売り切れ次第終了
営業日/月・木曜 ※不定期営業なので、営業日はInstagramで要確認
Instagram/ @focacciabuonappetito
※このページの情報は2021年3月30日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】