仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第33回は、2021年6月、錦ケ丘ヒルサイドモール近くにオープンした「Pain Montagne 030 (パン モンターニュ)」へ。木製ショーケースにはベーシックなラインナップに加えて、あまり耳馴染みのないフランス語のパンも。あれこれおすすめの食べ方を尋ねてみたくなるパン屋さんです。
オープン数カ月で人気店に!
毎日35種類ほどのパンが並ぶ「Pain Montagne 030」は、ご夫婦で営む小さなパン屋さん。パン職人として20年ほど経験を積んだ店主が独立してオープンしたお店です。ちなみに、店名の最後につく“030”は、店主の苗字“小澤”の語呂合わせなのだとか。製法や使う素材も常に試行錯誤しながら本場の味を追求。最初はご近所さんが中心だったお客さんも、じわじわと遠征組が増え、リピーターになる人も。サンドイッチを含めたパン全種類が揃う11:30頃からお昼過ぎまでが混雑のピーク、土曜日は遠征組も多いので、じっくりパンを選ぶなら平日がおすすめです。
「Pain Montagne」おすすめパンカタログ
フランス産小麦と国産小麦、玄米粉をブレンドして、玄米をやわらかく炊き上げた玄米アップを練りこんだ「玄米ブロー」(480円)は、他ではなかなかお目にかかれないパンの一つ。シンプルにトーストしてスープなどに添えていただくのがおすすめです。玄米の香ばしさと、小麦からおこした自家製酵母のほのかな酸味がクセになります。
いわゆるパティスリーのアップルパイとは一線を画す「ショソン・オ・ポム」(360円)。生地でバターを包む通常のパイ生地とは違い、バターで生地を包む逆折り込み製法のため、バターの風味が強く感じられ、サクサクッとした口溶けの良さが特徴的。今の時期は宮城県産サワールージュの自家製コンポートがたっぷり入っています。
店名を冠した「バゲットモンターニュ」(280円)は、フランス産小麦など3種類以上をブレンド。低温熟成法で生地を一晩寝かせることで、粉の旨みを最大限に引き出しています。クラストはしっかりとした歯ごたえがありながらも噛みやすく、ほどよく気泡が入ったクラムは歯切れのよいバゲット。ぜひブリーチーズとハムを挟んだフランスの定番サンドで召し上がれ!
ちょっと珍しいパンに出合えたり、どれにしようか迷いに迷ってお気に入りを選べたり。満たされた気持ちでお店を出ると、遠く蔵王連峰まで見渡せる景色の良さに気づくはず。ちょうどよくベンチもあるので、帰るまで待ちきれない人は、そこで一つパンを頬張ってみるのもおすすめですよ。
※オリジナルエコバッグは非売品です。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●クラスト/クラム
クラストとは、焼き色がついたパンの表面。バゲットで言えば“皮”、食パンでは“耳”と呼ばれる部分のこと。クラムは中身のやわらかい部分のことを指します。「Pain Montagne」のバゲットは、このバランスが絶妙!
Pain Montagne 030
※このページの情報は2021年10月29日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】