仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第53回は、2022年10月、人気のパン屋が点在するエリアにオープンした「COFFEE & BAKERY värm(バーム)」へ。パンとコーヒー、そして料理。それぞれの工程に共通する“熱”を店名に掲げた新しい形のベーカリー。美しく、お味も絶品です。
パンとコーヒーと料理の切っても切れない縁。
店頭に並ぶのは、食事に合わせるハード系やコーヒーと楽しむデニッシュを中心に約40種。パンの種類によって配合や組み合わせを変えながら、数種類の粉をブレンドして焼き上げる自家製レーズン酵母のパンはどれも香り豊かで美しく、どれにしようか迷いながらつい店内をウロウロ…。レストランで調理するお惣菜を使ったサンドイッチやタルティーヌ、自家焙煎コーヒーを使ったデニッシュなど、「värm」ならではのパンにも心惹かれます。
「värm」おすすめパンカタログ
「放牧羊のシシカバブサンド」(650円)は、ベーグル風に焼き上げた食パン生地を使用。ガラムマサラやフレッシュスパイスを練り込み、炭火で焼き上げたシシカバブたっぷりのサンドイッチは、さすがレストランクオリティ!夏にぴったりなスパイシーサンドをガブッといっちゃいましょう。
赤ワインとスパイスで煮込んだドライいちじくや、クルミ、オレンジピール、グリーンレーズンなど具だくさんの「ノワ・レザン・フィグ」(580円)。栗粉を入れて甘みを引き出したカンパーニュ生地は、外はハード、中はしっとり。噛むたびにジュワッと広がるいちじくの甘みがクセになり、ついもう1枚…と手がのびてしまいます。
一番人気は看板商品の「エスプレッソデニッシュ」(390円)。サクサクとした美しい層の中には、自家焙煎コーヒーのエスプレッソ粉を混ぜたアーモンドクリームがたっぷり織り込まれています。上掛けのアイシングにもエスプレッソ粉を混ぜた、ほろ苦さと甘さのバランスが絶妙な一品。ぜひコーヒーをテイクアウトして一緒にどうぞ!
ベーカリーにイートインコーナーはありませんが、レストランで提供するパンはもちろん「värm」のパン。お店で味わいたい人は、ぜひレストランにも足を運んでみてください。さらに最近はベーカリーバルもスタート。テイクアウトしたパンを、レストランスペースでナチュラルワインや自家焙煎コーヒー、タパスなどと一緒に楽しめます。今のところ月2回程度の不定期開催なので、インスタグラムのお知らせをこまめにチェックしてみてください。
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。
●夏疾風
宮城県が学校給食パン用として開発した小麦粉です。夏疾風を使ったパンは、もっちりとした食感と歯切れの良さが特徴。「värm」では主に食パンに使用しています。なお「värm」の食パンは甘みを加えるためにメープルシロップを使用。ハチミツは入っていないので1歳未満でも安心して食べられます。
COFFEE & BAKERY värm
電話番号/022-219-3118
営業時間/11:50~19:00 ※パンが売り切れ次第終了
定休日/火曜、隔週水曜
インスタグラムアカウント/@coffeebakery_varm
※このページの情報は2023年7月21日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】