仙台パン図鑑 vol.4 「Boulangerie L’épi coloré」

仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。4回目は、新しいまちづくりが進む富沢西エリアの人気店「Boulangerie L’épi coloré(ブーランジェリー レピコロレ)」へ。オープンから1年たつお店ですが、取材中も午前中から客足が途絶えず、その人気ぶりは健在でした!

朝7時半のオープンから、パンが勢揃い!

2018年1月、商業施設のオープンが相次ぎ、新しいまちづくりが進む富沢西エリアにオープンした「レピコロレ」。実は福島県浪江町で40年ほど営業していたパン屋さん「サン・メリー」が前身です。現在のオーナーは3代目だそうで、なるほど、お店に並んでいた「3代目カレーパン」の謎が解けました(ただしこのネーミングは、改良を重ねた3代目という意味も含まれているんだとか)。

お店に並ぶのは、ベルギー産発酵バターをたっぷり使ったデニッシュに、ハード系、食パン、惣菜パンなど、40種類ほど。「朝食に食べるパンを買いに来たお客さまに、食パンがすぐに提供できるように…」との想いから、オーナーがパンをつくり始めるのは夜中の12時過ぎから!7時半のオープン時には、ハード系をのぞくほとんどのパンが出揃い、食パンもスライスして提供できるようにしているそうです。

【パンの焼き上がり目安時間】

ハード系…10:00過ぎ

「レピコロレ」おすすめパンカタログ

お店のこだわりは、10kgの塊で仕入れた発酵バターを、綿棒で叩いてシート状にして使うこと。そのひと手間が、コクがある発酵バターの風味をより一層引き立てています。この発酵バターをふんだんに使ったお店の自信作が「クロワッサン」(194円)。手に持つだけでも伝わってくるパリパリ感と、16層の生地を噛みしめた時に広がる芳醇なバターの香り!常に人気の上位をキープしているのも頷けます。

続いてご紹介するのも、発酵バターたっぷりの一品「フレーズ」(302円)。デニッシュが豊富な「レピコロレ」では、季節ごとに旬の果物を使ったフルーツデニッシュが登場します。今の時期はイチゴがおすすめ。ジューシーなイチゴとラズベリーパウダーの甘酸っぱさ、サクサクとくちどけのいいデニッシュ生地のバランスが絶妙です!

人気の甘いパンをもう一つ。「メープルクリームチーズのクレセント」(194円)は、三日月型のパンの中に、メープルシュガーを混ぜたクリームチーズが入っています。上にのっているのはマカロン生地。サクサク甘めの生地と、濃厚なクリームチーズの組み合わせがクセになる味わい。ぜひ一度お試しください!

シンプルながら、しっかりと計算されているのが「レーズンパン」(432円、ハーフ216円)。もっちりとした食感を大切にするためにひと手間かけた(企業秘密!)レーズンをラム酒に漬け、オリジナルの洋酒漬けに。生地とのバランスを見ながら、多すぎず、少なすぎず、ちょうどいい分量をミックスして焼き上げています。

フランス語で“彩られた稲穂”を意味する「レピコロレ」。福島から仙台への移転を決めた時、お店のまわりはまだ田んぼだらけだったそうで、その中で「ひと際目立つ存在になるように…」とお友達が考えてくれたという大切な店名。まわりにはどんどん住宅やお店ができて賑やかになる中、「レピコロレ」にもたくさんのお客さまが訪れ、まさに店名の通りの存在になっていました。取材に訪れた日は水曜日でしたが、火・土曜日は限定のパンも登場するそうです。イートインスペースもあり、駐車場も5台あるので、遠方の方もぜひ!

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。

●デニッシュ
もともとはデンマーク発祥のパンの一種。材料や調理法に明確な定義はありませんが、一般的には生地にバターなどの油脂を挟んで何層にも折り重ねたものを指します。カスタードクリームやチョコレートなどのフィリングが包まれたり、フルーツがトッピングされている甘いパンがデニッシュの代表格です。

「Boulangerie L’épi coloré」

住所/仙台市太白区富田字京ノ中92-2
電話/022-290-1335
営業時間/7:30~18:00
休/日曜、第3月曜

※このページの情報は2019年3月13日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】

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