仙台パン図鑑 vol.63 「akekulu」~四条通り沿いにオープン!注目のニューカマー~

仙台のおいしいパン屋さんをじっくりめぐっていく「仙台パン図鑑」。第63回は、泉区南光台にひっそりとオープンしていた「akekulu(アケクル)」へ。明けては暮れる日々を大切に、丁寧につくるパンが南光台マダムに大人気!早くも人気店の予感です。

店主の人柄があらわれる、実直なパン

南光台の四条通沿い、真っ白な壁に控えめな看板を掲げる小さなパン屋さんが「akekulu」です。オープンは2024年3月31日。ご近所さんを中心にじわじわと人気が広がり、最近は行列ができることもあるとか。仕込みから成形、焼成までパンづくりの全工程を担うのは、関東圏のパン屋さんで17年ほど研鑽を積み、地元に戻ってきた店主の永野さん。店頭で接客をするのは、永野さんがとても頼りにしているお姉さんです。車や人通りが多い通り沿いの店ですが、店内の空気はとても穏やか。真鍮の照明からこぼれる灯りが、木製カウンターに並ぶパンをやさしく照らします。

3組も入ればいっぱいになってしまう小さな店舗ですが、パンの種類は約30種と十分な品ぞろえ。ハード系から総菜パン、甘い系までバランスよく並びます。宮城県産や北海道産の小麦、イーストや自家培養酵母などをパンの種類によって使い分けてつくるパンは、どれも店主の丁寧な仕事ぶりが伝わるものばかり!11時のオープン時にはほぼすべてのパンが並び、その後も木の扉の向こう側にある工房から次々と焼き立てが運ばれてきます。なるべく売り切れないようにしているとのことですが、種類が充実しているのはオープン直後。来店は早めがおすすめです。

「akekulu」おすすめパンカタログ

一番人気は、食パン生地のまるパンに、自家製カシューナッツクリームをサンドした「カシューナッツ」(290円)。ローストしたカシューナッツを砕いてペースト状にし、バターときび砂糖を混ぜたクリームのコク深い甘みにハマる人が続出!むちっとしたパン生地との相性も抜群です。

低温長時間発酵で粉の旨みを引き出した「バゲット」(310円)もぜひ味わいたい一品。タテにクープが1本入ったクラストはパリッと香ばしく、クラムはしっとり。大小不揃いに入った気泡は、しっかり発酵されている印です。このバゲットに、分厚いロースハムとマスタード、バターだけを挟んだ「バゲットサンド(ハム)」(520円)は、店主が一番好きなパンだとか。

甘い系のイチオシは「ガレットブレッサンヌ」(320円)です。卵とバターがたっぷり入ったふんわりブリオッシュに、ほんのり酸味のあるリッチな味わいのミルククリームをオン。まわりにまぶしたグラニュー糖のカリッと食感も楽しめる、酸味と甘みのバランスが絶妙なクリームパンです。

「オリーブフロマージュ」(320円)は、おつまみにもぴったりなパンです。オリーブの実とペースト、シュレッドチーズをバゲット生地で包み、上にもパルメザンチーズをパラリ。ジューシーなオリーブとチーズの塩気がクセになる味わいです。ぜひうすくスライスして、ワインと一緒にどうぞ。

まだオープンから2カ月ほど。今後は野菜やその他の材料もなるべく近隣のものを使い、少しずつパンの種類も増やしていきたいとか。店主の気まぐれで並ぶパンもあるので、週4日の営業日をお楽しみに!駐車場は店舗前に2台分。道路を挟んで向かい側にはコインパーキングもあるので、遠征組にもおすすめです。

【パン語解説】
取材中に登場した、知っているようでうまく説明できないパンの専門用語をざっくり解説します。

●クープ
クープとは、主にバゲットなどのハードパンを焼く前に生地の表面に入れる切り込みのこと。これによりパンが膨らみやすくなり、火の通りも良くなります。クープの入れ方や本数は、パンの種類や店によっていろいろ。「akekulu」のバゲットは、タテに1本エッジの立った美しいクープが入っているのが特徴。独特のバリッと食感を生み出しています。

akekulu

住所/仙台市泉区南光台東1-53-18
電話番号/022-794-8316
営業時間/11:00~17:00 ※売り切れ次第終了
定休日/月・火・水曜 ※臨時休業あり
インスタグラムアカウント/@akekulu_

※このページの情報は2024年6月7日現在のものです。
【ライター 佐々木綾】【カメラマン 小野寺真希】

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佐々木綾

宮城県仙台市出身。仙台市内の出版社勤務を経て、2007年よりフリーランスのライター・エディターとして活動をスタート。雑誌・フリーペーパー・WEBマガジン等の取材・ライティング・編集を担当。

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